椿と山茶花とお客さま お散歩森ぶら♪No.1
毎月1回開催の親子自然観察会『森ぶら♪』は、1月の活動をお休みしました。そこで、『お散歩森ぶら♪』として、身近な場所でできる自然観察の楽しみを数回にわたってご紹介します。
初回のテーマは「椿(つばき)と山茶花(さざんか)とお客さま」です。
※昨年の油山での観察会で、さんちゃん先生に教えてもらったお友達も、今度はご近所で観察してみてね。
写真はご近所の街路樹(植え込み)です。12月末頃から咲き始めたサザンカの花が今は満開。こんなサザンカをいつも通る道に見つけたら、通るたびに、或るお客さまの訪問がないか探してみてください。
そのお客さまが来たお花には、こんなふうに、花びらに小さい穴がいくつか空いています。これはお客さまの足跡。
そのお客さまは、サザンカの花の蜜を求めてやってきた、小鳥の「メジロ」さんです。この季節、サザンカやツバキの花の蜜を吸いに集まってきます。スズメと同じ大きさの小鳥ですが、よく見ると羽が緑色で目の周りが白いので、すぐに見分けられます。一度見つけたら、次々と見つける事ができるので、こんなにメジロが近くにすんでいたのかと驚くほどですよ!
サザンカやツバキは、公園や学校の校庭にもよく植えられています。しかし危険な「チャドクガ」という毒のある蛾の幼虫(毛虫)が付くので、12月~1月頃に消毒されていて、その匂いが消えた1月末ごろからメジロがやってくる様です。
サザンカの木の下の方は、こんなふうにピンクの花びらの絨毯ができていますので、すぐに分かりますね。この鮮やかな色が、鳥のお客さまの目に留まるそうです。
花びらは、ハート型♡でとってもキュート。
一方、ツバキの木の下には、花が丸ごと落ちています。ツバキの花びらや雄しべは付け根の方でつながっているため、バラバラになりません。この花の散り方の違いで、ツバキとサザンカの見分けは容易にできます。
ツバキの花にも、お客さまの足跡が残っていますね。よく見ると、黄色い花粉が飛び散っています。
ツバキやサザンカは、甘くておいしい蜜をメジロやヒヨドリなどの鳥に提供し、そのかわりに、花粉を運んでいってもらっているのです。
花の蜜は、雄しべの付け根の方にあるので、鳥たちのお顔は、花粉まみれになり、黄色いお化粧をしたまま、また別の木の花の花粉の中に、その顔を突っ込むことで、受粉の手助けをしています。
ツバキの花を横から見てみると、こんな感じで、花びらが離れないように、しっかりガードされています。これは、鳥が花の蜜を横から吸ってしまわないように、つまり、ちゃんと花粉の付く正面から蜜を吸うように設計されているんですって。凄いですね。
寒い冬の季節は、蜂や蝶などの虫があまり活動しないので、鳥を頼りに受粉をする。鳥もエサの少ない冬だから、花の蜜を喜んで吸いにやって来る、、、多くの花が咲く暖かい季節より、競争率の低い冬に花を咲かせる事を選んだ植物たちの賢い生き方。
他にも、梅やロウバイの花にも、鳥たちが集まっていますよ。ぜひ、黄色いお化粧をした鳥を見つけてみてください!!美味しい蜜に喜びの歌♪を歌っているかもしれません。
注意)暖かい季節になると、毒のあるチャドクガの毛虫が出てきます。小さな毛に毒があって、その毛が風に乗って飛んでくる場合もあるので要注意です。観察は、寒い季節に、木の外側からそっと行ってください。
☆彡ぶらぶらあぶらクラブの皆さんは、観察ができたら、日時、場所、感想を記録しておいてくださいね。