「指導中に子どもに口出しをする保護者」について指導者が思うことと考えるべきこと
タブーとも言えるトピックに手を出してみようと思う。
「指導中に子どもに口出しをする保護者」について。
私は、ここクリニックで新規の子どもを受け入れる時に必ず保護者の姿勢についてのおことわりを事前通知するようにしている。
「主体性を重視するため、またコーチと話す内容が食い違うことによる子どもたちの困惑を避けるため、クリニック中は技術面へのアドバイスはご遠慮ください」
ひとことで言えば「静かに見守ってください」ということだ。
口出しをしてしまう保護者の子は、まず間違いなく何かに追われる表情でバスケをしている。
上手くなれて楽しい。活躍できて楽しい。勝てて楽しい。
そういう楽しさ、ワクワクが動力源になっている子が上手くなるが、口出しをされている子の動力源はいつのまにか「怒られないように」「指摘されないように」というマイナスなものにすり替わってしまう。
好きこそ物の上手なれ。
努力は夢中に勝てない。
そんな言葉は指導現場に長く立っていれば日々痛感できるものだ。
好きで、夢中で、ハマっている子は自然と主体的な行動を取り、結果として上手くなっていく。
そういうハマっている状態に至るのが、競技志向への第一歩だ。
だから、多くの指導者は思う。
「保護者のみなさん、静かに見守ってください。ナイスプレイには拍手してあげてください。ミスした時にはガッカリしたり叱りつけたりせず、ニコニコ笑い飛ばしてください。」
私もそう思う。だからこそ事前におことわりを入れるのだ。
とはいえ。
とはいえだ。
多くの保護者はそんなことは理屈上は分かっている。
にも関わらず口が出てしまうのだ。
保護者はどうしたらいいか。指導者側からできることは何か。
そんなことを考えていきたい。
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