脇役メンタリティ
私はドレイモンド・グリーンが好きだ。
しかし、ドレイモンド・グリーンに憧れてバスケを始める人はほとんどいないと思う。
多くの子どもたちはカリーのような華やかな選手に憧れを抱き、バスケットボールを手にする。
実際、私が開催しているクリニックにカリーのウェアで参加するちびっ子は多いし、ドレイモンドのウェアの子は1人もいたことがない。
もっと言えば大人のバスケでもドレイモンドは見たことがない。
私はカリーのような立ち位置を主役と呼び、ドレイモンドのような立ち位置を脇役と呼んでいる。
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スタート時点では、あらゆる選手が主役メンタリティだ。
ボールを手に取り校庭のゴールにボールを投げた時、その子は主役メンタリティであり、実際そのコートで輝く主役だ。
さて、そんな子がミニバスチームに入ったらどうなるか。
5人のうち、1人か2人は主役になれる。
チームで最も攻撃力のある選手がそれにあたる。
この時点で既に子どもたちは競争に晒されている。
主役争いだ。
主役になれなかった子は、脇役として周囲から認知され、ボールを持つことを求められなくなる。
本気で勝ちに行く試合であればあるほどそうなる。
では、ミニバスチームで主役だった子が強豪中学に進学したらどうなるか?
ミニバスで主役だった子同士で、主役争いが始まるのだ。
続いて高校では、中学で主役だった選手同士の争い。
大学では高校で主役だった選手同士の争い。
プロでは大学で主役だった選手同士の争い。
海外のリーグに行けば各国の主役同士の争い。
主役になりたくて、同時に高いレベルを目指す選手は、いつどんな場面でも競争の中にある。
そして、その争いはカテゴリが上がるにつれてどんどん激しいものになっていく。
日本ではエース格の八村や渡邊も、NBAではロールプレイヤーになったり、出場時間が得られるかどうかというラインになる。
全バスケ選手の中で、NBAという最高中の最高のリーグで、最後まで主役でいられるのは数人だ。
カリーですら、デュラントがいる中では脇役になる場面があった。
ほぼ確実に、高みを目指すバスケ選手は脇役になるタイミングが来る。
「そのへんにいる子」に関しては身近なタイミングでそうなる。
上級生に混じった時。飛び級して混じった時。セレクションに参加した時。
いつか来る脇役になるタイミングで、選手たちは決断を迫られる。
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#りょーたマガジン 2022年分
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