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「成長=環境×フィードバック」 失敗させる体験デザインについて。周りを見る選手の育て方。

まえがき

環境が人を育てる。

適切なフィードバックが人を育てる。

どちらもよく聞くフレーズであり、正しいものでもあると思う。

ただ、どちらか一方も欠けてはいけないはずだ。
人が育つためには環境とフィードバックのかけ算が必要だと常々感じている。

周りをよく見る選手の育て方


周りをよく見る選手を育てるためにあなたはどんなアクションを取るだろうか?

先の話を基に考えてみよう。

「環境」とはすなわち「周りを見ないとミスになる」という脅威に常に晒される状況だ。

「フィードバック」とは例えば「周りを見ないとミスになるよ」などの声かけを指している。

そして、この2つはどちらも欠けてはいけない。

そんな話をしていく。

失敗談① フィードバックのみに終始


私の失敗経験や一般的に見受けられるエラーを例としつつ話を進めていきたい。

まずありがちなのはフィードバックのみに終始するパターン。

具体的には「周りを見てプレイしろ!」と言うだけという手法。

これの問題点は必要性が生まれていない点にある。

例えば周りを見なくともひとりでプレスを突破できる選手からしたら、このフィードバックは余計なお世話でしかない。

「突破できてるじゃん。どこに問題が?」

という感想になってもおかしくない。

多くの子どもたちはそんなことは口にしないし、強気に反論してくることも少ないだろう。

でももしかすると、帰り道チームメイトに愚痴を言っている可能性はある。

自分へのフィードバックのはずが、他人事になってしまう。

これでは実際に取る行動(プレイ)は変わるはずもない。

失敗談② 環境整備して放置


次のNG例が環境だけ整えてフィードバックを疎かにしてしまうケース。もっと突っ込んで言うなら、コーチにフィードバックする能力がない場合もこれにあたる。

環境に人は動かされる。白バイによる検挙数が月末にかけて大きく増えるのは彼らに課されたノルマが理由と言われている。白バイ隊員からしたら捕まえるのが目的ではないので積極的に検挙する理由は本来存在しないのだが、ノルマという「環境」が白バイ隊員による検挙行動という「人の行動」を変化させているのだ。

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