セイバーメトリックスとは何か...?
セイバーメトリクスとは…?
近年アメリカや日本野球界において耳にする様になったセイバーメトリクスという言葉… みなさんも一度は耳にした事があるかもしれません。ですがセイバーメトリクスとは果たして何なのでしょうか…?
セイバーメトリクスとは
セイバーメトリクスとは、野球選手のパフォーマンスを評価・理解するために統計的な分析を行うことを指す言葉です。いわゆる野球選手のデータ分析です。野球の歴史や統計を研究する野球愛好家の組織であるSABR(Society for American Baseball Research)にちなんで名づけられた。
セイバーメトリクスの歴史
セイバーメトリクスは、1980年代にビル・ジェームズの著書「ベースボール・アブストラクト」が出版され、選手の価値評価や将来の成績予測に新しい統計手法を導入したことで人気を博し始めました。ジェームスをはじめとするアナリストは、出塁率、打率、防御率など、今でこそよく耳にする指標を提案し、チームの成功に対する選手の貢献度をより正確に把握することで、従来の常識に挑戦した。
要するに、近年の野球において例えば投手のパフォーマンスを数値化する際に使用される防御率や、打者がどれくらい打っているのかどうかを表す打率もセイバーメトリクスであると言えます。
なぜセイバーメトリクスなのか...?
従来の指標では選手を正しく評価できない…!?
セイバーメトリクスの重要な原則のひとつは、打率や防御率といった従来の統計では、選手の価値を完全に把握することはできない、ということだ。
例えば…
A選手は四死球が多く、パワーヒットを打つ打者で、出塁率や打率が高い。
B選手は高いアベレージで打つが、ほとんど四死球を選ばず、追加点を打たない打者である。
これではA選手はB選手よりもチームの得点に貢献していることを示します。
同様に、守備の指標も重要な分析分野となっています。
近年メジャーリーグではポジションから捕球までの距離、ポジションから落下地点落下までの時間、そして捕球可能かどうかの可能性(%)などがテレビ中継にて表示されています。
エラーやフィールディング率といった従来の指標では、選手の守備範囲やポジショニングなど、失点防止に貢献するスキルを把握することができないからです。アルティメットゾーンレーティング(UZR)と守備ランズセーブ(DRS)のような指標は、彼らがその位置で平均的な選手と比較してどのくらい失点を抑える守備が可能かどうか推定する事によって選手の守備の価値を定量化しようとしています。
選手を統計的に評価した先にあるものとは…?
人事
セイバーメトリクスのもう一つの重要な側面は、回帰分析や機械学習アルゴリズムのようなデータ分析ツールを使用して、どの統計が将来のパフォーマンスを最も予測できるかを特定することである。アナリストは、過去のシーズンのデータを使って、年齢、経験、その他の統計的指標などの要素から、ある選手が将来どのように活躍するかを予測できるモデルを開発します。
意思決定
セイバーメトリクスは、球団が選手を評価し、人事を決定する方法に大きな影響を及ぼしています。近年では、多くの球団がデータサイエンティストやアナリストを採用し、統計分析に基づくより詳細な情報に基づいた意思決定ができるよう支援しています。
例えば、ある打者が特定の方向にボールを打つ可能性が高いというデータに基づいて、野手を従来の位置とは異なる場所に配置する守備シフトを採用するなど、このアプローチはいくつかの議論を呼ぶ決断を導き出しました。
セイバーメトリクスは、野球の分析を、主観的で逸話的なプロセスから、統計的な証拠に基づいたプロセスへと変えることに貢献しました。どの指標が最も有用か、どのようにデータを解釈するのがベストかについてはまだ多くの議論がありますが、セイバーメトリクスは野球を研究し理解する上で不可欠なものとなっています。