Pitch ClockはMLBにどんな影響を...?
Pitch clock (ピッチクロック)とは…?
Pitch clockとは何か…?
2023年度から導入された新たなルールで投手、打者双方にプレーの準備をさせるためのルールとなっています。投手にはランナーがいない状況では15秒、ランナーがいる状態では20秒の持ち時間となっています。一方打者には、pitch clockが残り8秒になる前に打席内で準備する必要があります。
試合内でどの様に機能するのか…?
投手:指定の時間内に投球動作を始めないといけない。始まらなかった場合はボールが宣告される。
打者:指定の時間以内にバッターボックスにて準備を行わなかった場合ストライクが宣告される。
何故pitch clockが導入されたのか…?
試合時間の短縮を目的に行われています。
サマリー:2022年度のMLB1試合あたりの平均試合時間(9イニング)が3時間4分となり、2014年度初めて大台の3時間を超えてから毎年一貫して試合時間が伸びてきました。そしてStatcastによると110人の投手の1球投げるごとの間の時間の平均が20秒以上ランナーがいない状況にて行われていたそうです。
Pitch clock Violation(ピッチクロックバイオレーション)
Pitch clock Violation(ピッチクロックバイオレーション)とは…?
Pitch clockの時間を投手もしくは打者が過ぎてしまった場合ペナルティーとしてストライク、もしくはボールが宣告されることを指します。
Pitch clock Violationがもたらす影響とは…?
Pitch clock Violationによってチャンスで逃してしまうケースや、ピンチにてPitch clock Violationにて押し出し四死球による失点などいくつかのケースがすでに上がってきています。新たなルールなだけに選手など現場レベルで困惑を招いているPitch clock Violationではどの様な影響を及ぼしているのか見ていきます。
上の図は上からPitch Clock Violationの合計数、デフェンス側の合計数、オフェンス側の合計数となっています。Pittsburgh Pirateが最多の10回のPitch clock Violationをとられています。現在時点(4月13日2023年)で各チーム12から13試合を既に終えているので、多いチームで1試合につき約83%の確率でPitch clock Violationを受けいています。
上記に述べて様にPitch clock Violationによってチャンスで逃してしまうケースや、ピンチにてPitch clock Violationにて押し出し四死球による失点などいくつかのケースが出てきています。
MLBの成績やデータを一般公開してくれている”FanGraphs"では今回のルール変更後に新たな指標として
wNetPitV:デフェンス側のPitch clock Violationによる得点への妨げまたは貢献
wNetBatV:オフェンス側のPitch clock Violationによる失点への妨げもしくは貢献
今回はwNetBatV(オフェンス側)が得点とどの様な影響があるのか見ていきます。
これは得点数とオフェンス側のpitch clock violationを表したグラフです。
そしてwNetPitVの場合、数値が0より高い場合は得点の妨げをしていて、0より下回る場合だと失点に貢献していることを指します。
この指標がどのくらい得点と相関性があるのかはっきりしていないので、どれ程得点にオフェンス側のPitch Clock Violenceが影響を及ぼすか確信は持てませんが、少なくとも得点の妨げとなる要因の一つになっている様です。