親思う心にまさる親心
『うん、確かにそう思う』
「親思ふ こころにまさる親心 けふの音づれ 何ときくらむ」
これは吉田松陰が、安政の大獄により処刑される直前に監獄から家族にあてた手紙に含まれていた短歌です
子を持たない松陰が親に宛てた手紙だと考えると思慮深いです
誰もが「確かにそう思う」と感じる言葉でも「そんなことは当たり前」とはならずに、ついつい噛みしめてしまうよさがあります
子どもは三歳までに一生分の親孝行をする
『うん、これも確かにそう思う』
「人間は三歳までに一生分の親孝行をしてますよ。
赤ちゃんの可愛らしさとはそういうものです。
それ以上の期待を子どもにしちゃあいけませんよ。」
これは、放送作家・エッセイストの永六輔の言葉です
私は詳しく知らなかったのですが「上を向いて歩こう」を作詞した方でもあります
こちらもよく噛みしめて胸にも刻みたくなる言葉です
「それ以上の期待を子どもにしちゃあいけませ」の部分が本質であるのがよいです
あんなにも小さく可愛い足だった息子は、高校生になって今は私に冷たくて、一緒に出かけたり会話を楽しもうとしてくれなくなってしまい、悲しい思いをしているのですが、それでもジブンヲカンジョウニ入レズに「上を向いて歩こう」と思います
あと、久しぶりに「世に棲む日日」を読み返したいと思いました
司馬遼太郎の歴史小説で、前半は吉田松陰、後半は高杉晋作が主人公という面白い構成の物語です
「面白きこともなき世を面白く、住みなすものは心なりけり」
こちらは有名な高杉晋作の辞世の句ですね
下の句は晋作が詠んだものではないと言われていますが、それがなおのこと思慮深く、憂鬱な日々を過ごしている今の私に丁度必要なマインドです
※ この句は「つまらない世の中を自分が面白くしてやる」とする誤った解釈も広まっているようですが、素直な解釈は「面白くない世の中を面白くするのは心の持ちよう次第である」です
是非とも息子にも「世に棲む日日」を読んで欲しいと思いましたが「そういうところだぞ!!」と、顔も解らぬ永六輔に怒られてしまいそうなので『これ超面白いから絶対に持ってくな!』と付箋を貼って、文庫本をおもむろにリビングに置いておこうかなと思います
最後まで読んでいただきありがとうございました