甦る ガンダム
私のガンダム偏差値は62です(自分調べ)
シャアやアムロが登場する初期のガンダムに関しては、名場面のセリフなんかもそこそこ記憶しているし、また、ガンプラ、ガン消し、BB戦士、カードダスの他、TVゲームでも遊んだので、ほとんどのモビルスーツを識別が出来る程度には詳しいです(オタク候補生)
ガンダムには沢山のシリーズがあり、今もなお新しいガンダムが誕生し続けているのですが、私の好きな古いガンダムは、それらの作品と区別をするために初代ガンダム(またはファーストガンダム)などと呼ばれています
また、初代ガンダムの人気は今なお根強く、リマスター版やスピンオフ版の作品が新たに誕生することも珍しくなく、このたびNetflixで作成された『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』も、14年ぶりに改良版が発売されたガンプラ(RG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0)もしかりです
そう、ガンダムは何度だって起ち上がるし、ゾンビのごとく甦るのです
そんなガンダムですが、3年ほど前に息子からの薦めで観た『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が思いの外よかったので、その話を書きます
主人公であるハサウェイとは、ホワイトベースの艦長だったあのブライトさんの息子で、つまりストーリーは初代ガンダムの延長上にあります
そもそも、この閃光のハサウェイの原作小説は、初代ガンダムの生みの親である富野由悠季によって1989~1990年に書かれたもので、それが30年越しに映画化されました。富野由悠季は、玩具の販促を目的としたテレビ用のロボットアニメでは表現しきれないメッセージを、対象年齢を上げた小説に込めたとも言われています
そんな閃光のハサウェイで私がもっとも印象的だったのは、劇中のガンダムの位置づけで、それはまるで核兵器のような圧倒的な火力の象徴としの扱われようでした
対峙する2つの勢力があり、一方がガンダムを利用することで優勢になったと思ったら、なんともう一方もガンダムを出すのです(ガンダムのパイロットが相手のガンダムを観て「ガンダムだと!?」と驚くシーンは有名)
そして、この対峙する2機のガンダムがチャンバラのように肉弾戦を繰り広げるのかと思いきや、戦闘機の空中戦のごとく、相手の隙を突いた側が、どうということもない砲撃を浴びせかけて他方を撃墜するという、ものの数秒で決着がつくいたってシンプルな戦闘をするのです
その過程には、格好いいポーズを決めたりだとか、特別な必殺技を使ったりだとか、可憐なチームワークがあったりだとか、変身をしたりなどの、きらびやかなロボットアクションは無く、ただただ超高性能な戦闘機としての殺伐な描写で、それがすごく印象的でした
また、ガンダムは唯一無の無二の存在では無く、民間企業(アナハイム・エレクトロニクス)が製造しており、政府からの発注の裏で、テロ組織にも秘密裏に供給をしていたという滑稽さもよきです
ようするにガンダムは特別なヒーロー的な存在ではなく、ただの破壊兵器という位置づけなのが、物語全体を現実離れしたファンタージでは無く、現実の戦争へとリンクさせてくれるようで、ロボットアニメでありながらもリアリティさを感じることができたのでした
あと、押井守のスカイクロラを彷彿させるようなスピード感のある空中戦やコックピット視点の映像だとか、津田健次郎の声もすごく良かったです
なんとなく新しく映像化されるガンダムは、キラキラで、なよなよとしているイメージがあり、つい敬遠しがちだったのだが、閃光のハサウェイはそんな私の先入観を払拭させてくれました
さてさて、富野ガンダムではないことは残念だが、欧米のクリエイターが中心となって作成した新作のNetflixアニメの『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエ』が2024年10月17日に世界同時配信されます。舞台は初代ガンダムの世界線であり地球上での戦いです。そして主人公たちはジオン軍側であり、ガンダムは「白い悪魔」として恐れられる存在のようです。Unreal Engine 5を採用した映像も気になるが、さんざん擦り続けた初代ガンダムで、Netflixの圧倒的な予算を使って今の世に何を表現するのかが非常に楽しみです。