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普通の月末と普通の月初に浮足立ってなんていられない

特別につらいことがあったわけでも、良いことがあったわけでもなく、でもあまりにも普通過ぎることに、どちらかというと滅入っているのかもしれない

年末年始はごく平均的な日程で会社がお休みであり、普段なるべく家にいないようにしている分、家族とか顔を合わせる機会が多くなる

何も期待なんてしないと自分に思い込ませているのだけど、実際にはなかなかに難しいもので、勝手にがっかりしてしまっている自分に何度も気が付き、家族もそれを感じ取ってしまっているのかもしれない

散らかった部屋でお正月を迎える
妻はいつも通りトーストを焼きコーヒーを飲む
去年、妻が私のためにトーストを焼いたりコーヒーを淹れたことは一度もない、年が変わったからと言ってそれが変わるはずもない
テレビのない我が家では、いつもと何も変わらない朝を迎える

試しに初詣に誘ってみるも「どうしちゃったの?」という怪訝な表情が返ってきて、今日がまだ31日だったのではないかとこちらが心配になる

記事の写真は初日の出はなくて、あまりにも退屈だったので夕方に一人で散歩に出かけて撮った元旦の日の入りの写真 そういえば去年もまったく同じことをしたことを思い出す

大丈夫、落ち込みすぎてなんてしていない
いつも通りの地に足の着いた月初を迎えただけだ


っと、ちょっと感傷的な文書を書いてみたが、本当はいつもと全く同じだったわけではない でも嘘もついていない

大晦日は、妻と子供たちはヒカキンのライブ配信に夢中だった ヒカキンの配信を見ながら、妻はキッチンを掃除しダイニングテーブルを蜜蝋ワックスで磨く、私はAudibleを聴きながら浴室や洗面所を掃除する 一番散らかっている子供の部屋や雑然と物があふれているリビングは手つかずのまま、何の合図もなく、年末の掃除をフェードアウトする デリバリで頼んだピザとお寿司を食べながら、私もみんなと一緒にヒカキンがプレイするマインクラフトを見ながら大晦日の夜を過ごす 途中から息子が友達とフォートナイトをすると離脱する

元旦の朝、妻と息子が寝る寝室に行き、友達と初日の出を見に行くと言っていた息子を静かに起こす 一人ベッドからすり抜けてきた息子は朝食も食べずに待ち合わせのコンビニに行く メンバーは私もよく知っている小学生からの付き合いの近所の子たちなので、温かいものでも皆におごってやれとお小遣いを渡して息子を見送る

息子が帰ってきたのはお昼すぎで、それまでに作っておいたお雑煮と、妻が毎年生協で予約をしている、お節料理と呼ぶにはほど遠い、蒲鉾やら煮豆やらのセットとを一緒に、家族みんなで食事をした

大根と人参はあるから買ってこなくていいといわれたのを信じていたが、実際に作り始めてみると、10㎝程度の大根と、腐りかけのゴミみたいな人参しかなかったので、筑前煮を作ることはあきらめて、1枚しか使わない予定だったモモ肉を2枚と、ありったけの里芋、大根、小松菜でお雑煮だけを作った 3kgも買い込んだお餅をエンドレスで焼き続ける作業に、実にお正月らしい時間を感じた

こんな風に書くと、和やかな普通の家庭に思えるのかもしれないが、それも事実とは異なっている 妻は私に一言も話しかけることは無いし、妻はお正月のことを微塵もおめでたいだなんて思っていなくて、浮足立っている世間に腹を立てている

だから私も浮かれて初詣になんて誘ってはいけないのだ

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