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Boston Strong 2021(4週目G18-G23)


 開幕から好調なはずなのに、本拠地で勝てていないレッドソックス(BOS)です。ただ、開幕シリーズのオリオールズ3連戦3連敗が響いていますよね。全体的には気にしなくていいと思います。

 さて、今週のBOSは良くないところがしっかりと出たような気がします。それでも負け越しせずに行けたのは良しとすべきか?守備のミス(エラー16個はMLB全体でワースト4位)がフューチャーされることも少なくなかったですし、リリーフ陣も与四球後に一発を浴びましたし、先発投手のもろさも感じました。

・戦績 3勝3敗→14勝9敗

対ブルージェイス戦

4月20日W 4-2 4月21日L 3-6

 第1戦は4回に4点を奪い、そのまま逃げ切る。3ラン本塁打の後、しっかりと下位打線が追加点を挙げてくれました。Bobby Dalbecはこの2連戦は好調。第2戦は初回からコントロール難に苦しむGarrett Richardsが2回までで4失点、4与四死球。3回に2奪三振で3者凡退に抑えるも、5回を投げ切れず、終わりよければ・・・。その後、澤村さんが好リリーフでつなげてくれました。とりあえず、Bogaertsのこの本塁打はすばらしいの一言。よくあのコースを。

対マリナーズ戦

4月22日L 2-7  4月23日W 6-5  4月24日L 2-8  4月25日W 5-3

第1戦はNick Pivettaが6回2アウトまでノーヒットの好投も勝利につながらず、Franchy Corderoの守備もどうだったか。逆に第2戦は先発が崩れるも澤村さんの好リリーフで勝利投手に。この日は相手の守備にもミスが勝利につながった点も。第3戦は、後述するが、リリーフの運用をどうするのか注目だったのですが、Eovaldiが今季ワーストの投球で、終盤の加点もあり問題にならず。相手のFlexenの好投にやられました。第4戦はエース格のEduardo Rodriguezが7イニングを投げ、終始試合の主導権を握り、勝利してシリーズを2勝2敗としました。

打線について

 fWAR4.7と好調な打線は、上位4人が相変わらずの好調ぶりでけん引。4人もOPS.850以上がいるチームはレッドソックスのみらしいです。

 Christian Vazquezはここ4試合で打率.071、リードオフのEnrique Hernandezも状態が上がっていませんが、Dalbecがブルージェイスとの2連戦で7-4と好調、三塁打もマークして、6試合中5試合に先発起用。ただ、マリナーズ戦はいまひとつでした。

 一方で、Corderoは3試合で8-0、6三振と上がらず。Cora監督によれば、バットに当てる意識がありすぎて、逆に三振を増やしているとか逆説的な見方。本塁打を意識しすぎない結果、打撃好調で本塁打も増えると似ている感覚ですかね。ともかく、自分のスタイルを崩しすぎているみたいです。素人目ですが、三振を減らすには、スイングを変える以前に、球筋や配球をしっかり理解することが大切なんだろうと思います。

 しかし、現在マイナーにいるベテランUTプレイヤーのDanny Santanaは4月の終わりまでにメジャー昇格できなければ、現行の契約をオプトアウトしてFAになれる権利を持っています。彼をロスターに入れるかどうかの判断が迫られていて、一旦、Corderoをマイナーに降格させる可能性は少なくないでしょう。

先発投手陣

今週の先発投手陣
4/20  Rodriguez 6IP(90)    4/21  Richards 4.2IP(92)
4/22  Pivetta 6IP(86)  4/23  Perez  3.2IP(83)  4/24  Eovaldi(87)  5IP  4/25  Rodriguez 7IP(98)

 先発投手陣の球数は90球前後で終わることが多いです。Pivettaもほぼ完ぺきな投球をみせていましたが、あっさりと継投に入っています。もちろん、シーズンの序盤ですし、試合展開の点でもイニング途中で代えるよりも良いとは思います。ただ、先発が最高でも6イニング、5イニング投げられない日も少なくないとなると、イニングを食えていないのが少し不安になります。

  そんな中で安定(Steady)しているのがRodriguezです。25日のマリナーズ戦では7イニングの好投。全98球中チェンジアップを36球と最も多く多投して、90マイル前半の4シームもコントロール抜群の投球でした。

チームメイトのChris Sale、そしてサイヤング賞のDavid PriceとRick Porcelloなどから投球術を学んできたようで、この日はブルペンで球威こそ物足りなく感じたが、制球力は手ごたえがあって、その通り投げられたとのこと。まだ、28歳ですが、経験は豊富ですから頼もしい限り。

6人制ローテに言及しておこう

 ここで気の早い話をひとつ。カーディナルス(STL)が6人ローテを採用。ここ数日、先発投手よりもブルペン陣が多くのイニングをこなしているそうで、6人制ローテ採用で先発投手のクオリティー向上を期待しているとのこと。

 ちなみに、STLの投手コーチはレンジャースで投手コーチをしていたMadduxさんで、レンジャースは随分前から6人制ローテについて言及していたチームでもありました。投手コーチの存在が、決断に至ったのでしょう。

 6人ローテといえば、対戦相手だったマリナーズも採用していて(Gonzalez,菊池,Sheffield,Dunn,Margevicius)、どれだけの効果を得ているのか傍からみてもわかりません。

 ただ、Tanner HouckConner Seaboldといった若手がいるチーム状況では十分現実的です。現状は、十分な休養日が確保されていますので心配は無用ですが、長丁場のシーズンでは、短期的な6人制の導入があるのではとも考えられます。そうなると、ブルペンから1人削ることになり、どちらが良いかを判断しなければいけません。

・ブルペンチェック

 今週のブルペン陣は、Darwinzon HernandezとMatt Barnes、Josh Taylorの3人が被弾。被本塁打の少なさが強みのチームでしたが、3人ともマリナーズ相手に一発を浴びることになりました。特に前者2人は四球も絡んでの被弾。現在、ブルペン陣全体で与四球率4.20でワースト5位。被本塁打率はいまだ1位の少なさですが、ランナーをためて1本出れば、数の少なさは関係ありません。

 さて、今週のブルペンの登板表みたいなものを作ってみました。FangraphsさんのDepth Chartをみると登板日が〇でついていますが、投球数もカウントしながらの方が見やすいと思い、自ら作成しました。

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 今週はAdam Ottavinoが4登板、クローザーのBarnesとともに今週の最多でした。Ottavinoもこう見ると、四球を出しても球数はそこまで多くない。22,23日と2人を連投させた24日の試合は、D.Hernandezも前日に31球を投げていて、勝ちパターンの投手たちの起用が難しい日と心配していましたが、運悪く終始リードを許す試合展開で、事なきを得ました。

 澤村さんは十分な登板間隔があり、ルール5で加入のGarrett Whitlockも同様で、中3日ほど空けて複数イニングを任せられています。この2人がフレッシュな状態を維持できていれば、ブルペン陣の戦力は大きな不安にはならないのでと考えています。

 登板過多にならないようにCora監督も注意深く采配している点を示しています。記事内では「chase win」、勝利を追いかけない。今日の試合で積極的な采配をしても、次の試合またシリーズでチームを悪い状態にしないことが大切だとしています。また、ブルペンの構築は、役割を与えることではなく、次戦以降を含めたゲームを管理することとも述べています。要するに、役割に当てはめて起用するだけではダメで、うまくマネージメントをしなくてはいけない、ということでしょう。

 結果的には、イニングまたぎをしなかったBarnesは次の日に登板がありました。6-2の9回に登板してKyle Seagerに3ラン本塁打を打たれるという結果に。D.Hernandezは、今週は1登板のみ。与四球に被本塁打と苦しみ31球を費やしたとあって、少し休みの意図もあり。

 Barnesは以前、延長10回に2イニング目をなげたことがありました。しかし、個人的な感想では、延長はタイブレイクとあって2イニング目をいくのは大変なのではないかと思います。9回までの試合と延長戦は思い切って別の試合とも考えて勝負してもいい。1点取られることぐらいは許容範囲とするならば、ベストピッチャーに2イニングさせるよりも、フレッシュな次の投手に継投させていいのでは。D.Hernandezならば、Matt Andrieseや同じ左のTaylorが代わりを務めることは十分に可能なはずです。特に、今回のケースはカードの初戦でもあって、明日以降の温存もしたいところだったのも大事な要素。

・澤村さんについて

 今週の登板は2試合。いずれも、先発投手陣が5回まで持たず、イニング途中で引き継ぐことになりました。要するに、試合の中盤での火消し役。「中盤のストッパー」ともいうべき役割でした。ここで、つながれると試合の流れを持っていかれますので、重要な役割です。

 ここで打たれてしまったら、どんなに良い投手が控えていても、使うこともないまま、負けてしまいますから。

 特に23日の登板は、初勝利に値する内容と結果でした。特に最初の打者は、三振を狙いに行く場面で、狙い通りに仕留めたとあって信頼も高まったはず。そして、イニングまたぎが任せられる投手であると示してくれました。ああいった場面での登板は左のJosh Taylorも任されることがありましたが、彼の場合は左のワンポイント起用のイメージが強い。

 公式サイトには、澤村さんのコメントもありました。

 「炊飯器が手に入らず、体重の維持が難しかった」という話は以前にも聞いたことがあった気がしましたが、スプリッターが良くなっているとのこと。自信を持って投げられているようです。記事の中では、ダブルプレーを狙いたいときはグリップを浅くして、ベロ(球速)を下げる必要があるとの言葉があり、次はこのシチュエーションでの投球に注目したいですね。

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