Boston Strong(前半戦総括)
どうも、bos-bosです。レッドソックスの観戦記を書き続けているということで、前半戦の成績をまとめて、後半戦の展望をみていきたいと思います。
1.【野手編】
1-1.チーム成績
まず、チームの成績をどうぞ。「MLB全体順位」というのは、正確には何番目です。
得点力はリーグ3位の好成績ですが、四球率が下位に低迷していて、出塁率は平均程度です。それでも、長打力の高さが支えています。積極的に打つ選手が多いから、四球が少ないとみていいでしょう。アプローチが荒すぎるのとは違うはずです。
ちなみに、似たような攻撃力を持つのは、エンゼルスです。
打率、出塁率、長打率に加えて、打撃アプローチまで酷似しています。それでも、fWARは3.1の差があります。
1-2【野手陣のビッグ3】
レッドソックス打線を支えるのは、中軸の「ビッグ3」です。
オールスターに選出された3選手は、揃って各ポジションで1.2位を争うfWARを記録しています。BogaertsとDeversは守備での貢献度が低い選手ですので、尚更この数字のすごさを実感させられます。
個人的には、Bogaertsに首位打者、Deversに打点王を獲ってほしい。
1-3【まずまずの攻撃力と堅守、そして柔軟性】
さて、他の選手の成績をまとめて、比較しておきましょう。
1.2番コンビのK.Hernandez(愛称Kike)とVerdugo、6番に固定されてきたRenfroeと扇の要Vazquezの4人は主力組といっていいでしょう。
K,Hernandezの打撃は上向き、Verdugoは長打こそ減少しているが、巧打は健在でつなぎの2番をこなしています(左腕に成績が落ちる)。Renfroeはパンチ力で貢献して、Vazquezはスモールボール的役割を担えます。
さらに、この4人とMarwin GonzalezとChristian Arroyoを含めて、守備力の貢献度が高いのが特徴です。
特筆すべきなのは外野の3人。①外野手全体でDRSトップのK.Hernandez②外野手補殺トップのRenfroe③外野3つを質高くこなすVerdugo、の自慢の外野手が支えます。
加えて、M.GonzalezとArroyoが安定した二塁守備とユーティリティー性を発揮。Vazquezは捕手の名産地プエルトリコ出身らしい好キャッチャーです。
この編成は、昨季のレイズに似ている気がします。①内野にユーティリティー性のある選手(WendleやBrosseau)②名手が揃う外野陣(KiermaierやMargot)
BloomCBOはレイズ出身とあって、同じような編成になっているのかもしれません(ボガデバコンビがいる内野は守備強化しづらい)
最後に、ポジションごとの打撃成績を。特別に語ることはありません。
2.【投手編】
2-2【不安視される先発投手陣】
先発投手陣は防御率とFIPの差が、0.61あるのが注目です。おそらく、最も大きな乖離だったはずです。まだ向上する余地があるのか、ポテンシャルを活かしきれていないのか。
エースのNathan EovaldiはASGに初選出。FIP2.60は先発投手MLB全体5位の好成績を記録。被本塁打が圧倒的に少なく、長打を抑えられているのが強み。
一方で、他の先発投手陣の成績はいまひとつ。しかし、私はそこまで悲観的ではないです。
2-3【Eduardo Rodriguez-復活の兆し!?-】
E-Rodは、防御率こそチームでもワーストの数字だが、奪三振率と与四球率はともにキャリベストを記録中。積極的にストライクゾーンを攻めるスタイルの代償は、被安打の多さ(89.2IPで被安打102)。
それでも、ここ最近はより以前の投球スタイルに戻した上で、復調の気配。防御率5.52とFIP3.64の大きな乖離が、縮まるのは遅くはないだろう。
2-4【Nick Pivetta-ポテンシャルはエース級!?-】
Nick PivettaはチームトップのK/9を記録。個人的には、高めの4シームとナックルカーブで高低差を、スライダーでコース左右の揺さぶりを、使い分ける投球スタイルは、シンプルでもあるが、魅力的です。
4月29日NYY戦ではdeGromに投げ勝ち、6月24日TB戦では6.2IPを8奪三振無安打で抑えるなど、ポテンシャルの高さはエース級。後は、調子の悪い試合でもゲームを作れる能力を身につけてほしい。
2-5【Garrett RichardsとMartin Perez】
Richardsは現在、迷走中。当初は、「今が一番、投手としての完成度が高い」とのような頼もしい発言も。しかし、不正粘着物質の取り締まりが始まると、不満をあらわに。「まったく別の投手にならなければいけない」とまで発言するなど、かわいそうな立場に。
それでも、最低限の役割を全うしている点は、評価したい。「甦れ、リチャーズ!!」
Perezは、「PerezDay」という言葉があるなど意外な(?)安定感を発揮。防御率4.04は、13年に続く好成績で、FIP4.50はキャリ通算成績とほぼ同じ。奪三振率7.33はこれで自己ベスト。
とはいえ、球威はなく、コマンド能力に長けているわけでもなく、いい状態でも早めの継投となるケースが多い。「スタミナ温存」。
3【救援投手陣】
チーム最大の強み。Matt BarnesがASG選出を果たし、新戦力3人がしっかりと活躍してくれたのが大きい。
3-1【クローザーの役割】
クローザーのMtt Barnesは少しお疲れ気味。19セーブを挙げているが、代わりにAdam Ottavinoに役割を任さることも増えて、セットアップながら7セーブを記録。さながら、「ダブルクローザー」のようです。
この2人が、最後まで状態を維持できるかが、大きなカギを握るといっても差し支えないと思います。
3-2【多彩なリリーバー6人】
パワーピッチのできるリリーバーが揃う中でも、1人1人の特徴は違っています。①スプリットの澤村、②ゴロアウトの多いWhitlock、③スライダーのOttavino、④ナックルカーブのBarnes、とタイプが異なる右投手が並びます。
そこに加えて、左腕コンビJosh TaylorとDarwinson Hernandezをうまくミックスできるのが強みであり、私のお気に入りポイント。
このブルペン陣の編成も、昨季のレイズに少し似ている部分があると思います。
3-3【残るブルペンの枠は?9人ブルペン?】
今季は9人ブルペンを採用しているレッドソックス。これまでにみた6人で十分に強力で、勝ち試合および接戦を有利にしています。そして、残る選手は、どちらかといえば敗戦処理。
主な投手をみていきましょう。
A.Briceは一度DFAされるも、再昇格を果たして、またDFAを経験。WorkmanはBB/9が6.43とコントロール難は厳しく、数字ほどの信頼感はないでしょう。Riosも投げている球は魅力的に見えることもありますが、内容はついてきていません。
Phillips Valdezは当初、Statcastの指標が良かった時もありましたが、現在はAAAでプレー中。BOSのRyan Thompsonにはなれないか。
3-4【Matt Andrieseの今後は?】
Matt Andrieseは現在、10日間の故障者リスト入り。まだ、澤村とWhitlockがデビューしたばかりだった4月に、防御率1.42という好成績を残して、勝ちパターンでの起用にも応えてくれました。
その後は防御率6.03が示す通りに成績が悪化。被打率.344、被OPS.942と目も当てられない打ち込まれようです。
立場はかなり危ういAndrieseですが、実はFIP4.69と防御率とは大きな乖離がります。そして、FIPだけをみれば、澤村よりも良い。防御率には3.58の差があるのに。
とはいったものの、澤村はランナーのいる場面での登板が多く、見事な火消し役をみせてくれています。ロングリリーフが多くなったAndrieseとの差は数字以上にあると思います。澤村のfWAR-0.1はちょっと厳しい。
Andrieseがケガから帰ってきたとして、彼をロングリリーフとしてロスターに残し続けるのか。
Tanner Houckのロングリリーフ起用やChris Saleの復帰+ローテの再編、の3つが進んでいけば、防御率6.03のロングリリーバーよりも、勝ちパターンで投げらるリリーバーがニーズに合っているかもしれません。
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