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長男の癇癪とこだわりと帰省の帰り道など

海老名市で母親が長男(9歳)の子育てに悩んだ末、長男を含む子ども3人を殺害する事件があった。私はこの事件がずっとひっかかっている。

ここに出てくる母親が自分とそれ程かけ離れているようには思えないからだ。
この長男の癇癪がどの程度だったかはわからないが、私も不登校さえないものの長男(11歳)の癇癪には辟易している。うちの子は自分の要求が通らないと「もうやだ、怒った」と言い床をどんどん足で踏みつける。地団駄だ。

最近のことだと1月3日に義実家から帰るというのに、3日の朝、家を出る30分前になっても「やだ。僕は帰らない。もっと新潟にいるんだ」と怒ってコタツに潜り込む。これがまだ幼児や小学校低学年ならかわいいのだが彼は5年生。いくら何でもやることが幼すぎる。しかしここで「なにいってんの!もう5年生でしょ!」とか「そんなこといったらもう連れてきてあげないよ」などというのは逆効果。より荒れ狂い、事態を長引かせることを私はよく知っている。だから根気よく付き合う。「そうだね、長男くんもっといたかったんだよね」「おばあちゃん大好きだもんね」と気持ちにより沿い「でもね、おばあちゃん今日は○○があるし、長男くんも明日プールだから…」と何故、今日帰らなければいけないのか理由を述べる。それでも「やだ!」と納得しない。

たぶん長男はわかっている。帰らないといけないことは。昨夜から何度も話をしたし。在来線で帰るルートや乗る車両も決めたし。でもギリギリまでそうやって「やだやだ」言い続け動かない。この時は最終的に「はやくしてよ」と怒鳴りつけ、腕をつかんで玄関まで引きずった。長男はようやく諦めたのか靴を履く。次男は私の形相をみて怖がっていた。

長男の希望で、新潟の新津駅から磐越西線に乗って会津若松駅、乗り換えて郡山、そこから新幹線で東京に戻ることは決まっていたが、車両にもやたらこだわっていた。新津駅から乗る車両は「キハ110」がいい、それじゃないと乗らないとしつこい。電車が好きだからというより、私に自分の要求を飲んでもらいたいだけに思える。乗る予定の車両が「キハ110」なのかスマフォで調べるも、正確な情報が得られない。その車両は古い車両でもうすぐ引退するから乗りたいとか何とか、次男も知識はあったが「僕はそれでなくてもいいよ」と救いの言葉をくれる。

やだなー、せっかく新津駅までいけても、車両が違ったら「やだ。乗らないっ」てまた怒るのかと憂鬱でいたが、たまたま来た電車はその車両だった。機嫌がなおりホッとする。

磐越西線 車両キハ110
新津から会津若松まで乗る

会津若松に着きお昼を食べることにする。次男はラーメン、私はラーメンかご飯の定食、長男は魚が食べたいという。この「魚が食べたい」って、次男がラーメン食べたいというのを聞いて、わざと全く違う希望を出しているだけにも聞こえる。電車の時間に間に合うよう、駅構内のご飯やさんにいく。ラーメンやソースカツ丼がメインの店で、魚のメニューはなかったが「ラーメンの出汁がにぼしかもしれないよ。ラーメンはどう」とか「じゃあさ、お昼は肉食べて夜に魚たべるのは」とかうまくいって、長男の機嫌を損ねないよう誘導して列に並ぶ。なお、私はラーメンとソースカツ丼セット、次男はカツカレー。対して長男は単品で、おにぎり2個セット、カツ、2色アイス、だった。ここで「アイスいらないでしょ」などいったらまた怒るので意見はしない。

手前が私のラーメン、ソースカツ丼セット。ラーメンを少し残してしまった。次男、長男はほぼ完食。

出発5分前の快速あいづ郡山行きにのる。

磐越西線 快速あいづ

これが地獄だったー。同じ磐越西線でも会津若松まではガラガラで当然座れたのに対し、これは全く空きなし。ボックス4人席もどれも埋まっていた。一駅が長い。およそ1時間、ほとんどの乗客が郡山まで乗っていた。次男は疲れて床に座り込む。長男はそういえば文句はいってなかったな。しかし、本当に長男に苛ついたのはここから。

「E2系に乗りたい」
郡山に着き、ようやく新幹線に乗れるとおもったらまた始まった。例のこれじゃなきゃだめな、こだわりが。郡山から東京に帰る新幹線は「やまびこ」「なすの」など色々あるが、名前でなく車両が重要なようで、このこだわりもよくわからない。乗って帰れば、座れれば何でもいいじゃないか。でもだめらしく「やだ、E2系」と怒って泣く。「わかったよ!E2系にのればいいんでしょ!聞いてみるよ」半分キレ気味で答え、乗り継ぎの切符売り場の駅員に「東京まで新幹線でかえりたい、E2系ありますか」と聞いたら、手元のハンドブックをみて調べてくれた。運よく40分後に来る新幹線がそうだった。それに乗るつもりでチケットを3枚買う。このE2系の前に3本ぐらい東京駅の新幹線はあったし、本当はそっちで帰りたかったが、そんな要求が通らないことを私は知っている。ちなみに長男のいいぶんは「ぼくは本当は4日まで新潟にいたかった。でも譲った。だから帰り方ぐらいは僕の希望を聞いてほしい」だった。聞いてるわー!!いやってぐらい!長男には長男なりの正論があるようで、それがまたややこしい。

ようやく東京駅につき「夕食はこうちゃん(次男)の希望を聞くよ」と弟に譲ってみせる。こうちゃんは「買ってかえる、はやくかえりたい」といってくれたので、母もホッとする。駅内コンビ二、おにぎりやで夕飯を買い、タクシー(これも長男の許可がいる)にのり自宅に着いたのだった。

私は疲れて即ふとんに。その間、こどもだけでご飯をたべる。長男は葉っぱにくるまれた寿司セットを買った。「どうだった?魚食べられて良かったね」起きてみると、床に笹がたくさん落ちていた。「うん。でも全部、鮭だった」「え?」みたら鱒寿司だった。以前柿の葉寿司を買って一緒に食べたから私もそれだとおもっていたが、まさかの鱒寿司で全部、鮭。次男は500円ぐらいの鶏のからあげ弁当で、ごはんを多く残していた。

たまに長男がいなくて次男だけだったら、どんなに楽だろうと思うことがある。次男も電車好きではあるが、「絶対これ」といって泣いて怒って困らせることは、ほぼない。大人側の事情をよくわかってくれる。反対に次男が「絶対」ということには絶対つきあってあげたくなる。とにかく私は長男に振り回されっぱなしで、でも次男もいる手前、次男の目にお兄ちゃんがワガママな子だと映らないように、必死でうまく長男の気持ちを次男に説明し「付き合ってくれてありがとうね」の言葉も忘れない。世間からみたら、良い母親なのだろう。それが本当に疲れた。いつまで続くのか、ずっとこうなの?逃げたくなることもしばしば。

本当に辛くて離れたくて「東京都 障害児」「ショートステイ」など検索したこともある。長男は必要な手続きをすれば、そういったサービスが使える子ではあるが、横から私のスマフォを除きこんだ長男は「僕はしょうがいとか、そういうんじゃないから」といってきた。そういえば、最近「通常級の子がね…」など話すようになってきたし、自分のことをどこまで理解してるのか。なぜ自分は「通常級」ではないのか、わからなさが長男を不安にさせてるのかなと、今書いていて思った。

これがE2系「なすの」 東京駅着
3席並んで座れた。

追記。読み直して気づいたが、快速で座れなかったこと、また、寿司が全部鮭だったことには、長男切れなかったな。私だったら、違う種類だと思って買った寿司が、全て同じだったら軽く落ち込むわ。

ちなみに新潟までの道↓



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バジル
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