見出し画像

パブロ・ロペスはサイ・ヤング賞を獲れるのか

と言う事で2025年のサイ・ヤング構想です。
Logan GilbertやGarret Crochetには目もくれず、ロペスを筆頭候補として崇め奉るnoteです。


でっかい背中

Pablo López

去年と比べ、質と結果ともに2,3歩後退するシーズンになってしまったロペス。極端に被弾が多く、前半戦では5点台だった防御率を3点台まで戻すも、9月下旬に7失点を喫するなどして結局は4.08でフィニッシュ。
しかし誰もが思っているのが「ここで終わる投手ではない」と言うこと。

うひょー

成績後退の理由

2023→2024の成績後退の理由として、ピッチロケーションの変化が挙げられます。前提としてロペスは圧倒的な球速や変化量の速球を持つ投手ではなく、変化量に関してはむしろ平均以下です。高めへのコントロールがないと投球が成り立たないと言って良いです。
ロペスは今年、左打者に対して不可解なフォーシームを投げている事が指摘されていました。

対左

彼はコントロールピッチャーなので、おそらく意図的に低めに投げています。対右打者のヒートマップと比べるとそれは明らかです。

対右

この影響かフォーシームのWhiff%は31.5→25.9、K%は33.5→25.5と変化し、ともに30%を超えていたものが大きく悪化しました。左打者を苦手にする投手のためピッチミックスの一環としてトンネルを作ろうとした可能性が考えられますが、いずれにせようまく行っているようには見えません。

またシンカーのコントロールについても指摘されています。

2023
2024

投球がうわずりミートボールを痛打される場面も目立ったためゴロ率は62.7→49.1と大きく低下、フライ率が2倍以上になりRun Valueは−9を記録しました。

ゴロ

2023年は三振を奪いながら被打球の質にも優れた、理想の状態だったように見えます。しかし彼はスロースターターのきらいがあり、4〜5点台の前半を経て8月に1〜2点台を記録するというシーズンを2年連続で過ごしています。
夏の失点減少の要因としては、急激なゴロの増加とそれに伴うHRの減少が挙げられます。

2年連続で同じ時期にゴロが増加し失点を減らしている事実はとても興味を惹かれます。これに何か絡めて横断的で明快な説明ができれば良いなと思うのですが、2023と2024で説明の辻褄が合わないことも多く…
一応2024年に限れば、8月が1番Heart Zoneへの投球割合が1番小さい事、夏にかけ球速が格段に上昇している事などが分かりました。


カットボールを投げるべき?

ロペスはマーリンズにいた2022年まではカッターを1割程度投げていましたが、ツインズ移籍後はスイーパーの開発とともに完全にレパートリーから消えました。スイーパーを開発するのは良いのですが、カッターを完全に削る必要は必ずしも無いのかなと勝手に思っています。具体的には、速球と大きな変化球との間にある空白を取り持つように加えるという感じです。

これを
こう

これに関連して、彼は変化球における"hump"という要素について過去に言及しています。

“If it’s too big, it’s too humpy,” said López. “It’s like with people who throw curveballs. You’ve heard ‘hump’ — like it’s easier to recognize — whereas the ones that come out like a fastball and then go down are what you want. The sweeper is the same thing. You want it to look like a fastball and then take a turn. That’s why I’m trying to finesse that release window, to find that sweet spot.”

https://blogs.fangraphs.com/pablo-lopez-added-a-sweeper-if-thats-what-you-care-to-call-it/

humpはピッチングの文脈では「球の軌道の盛り上がり」という意味で使われる事があります。変化量ばかり追い求めて速球とのギャップが大きすぎる球を投げ続ければ、打者が球を追いかけてくれなくなる可能性が高いです。
あくまで複合的な投球の一部として変化球を使おうとする彼の意図がこの記事から分かります。

ベネズエラ人として

Every Venezuelan kid grew up a Johan Santana fan

https://www.mlb.com/news/pitcher-pablo-lopez-was-almost-a-doctor

両親はともに医者であり、解剖学の本でいっぱいの家で育ったというロペス。飛び級で高校を卒業して医学部に合格するも、選んだのは野球の道でした。
ベネズエラに生まれた彼にとってのスターは、2度の満票サイ・ヤング賞を獲得したミネソタのレジェンドJohan Santanaでした。今彼がツインズで投げているのは何かの縁でしょうか?

約20年ぶりの快挙が達成されるとしたら彼でしょう。


いいなと思ったら応援しよう!