平良拳太郎後ろから見るか横から見るか
あなたは球場での野球観戦と動画配信やテレビ中継での観戦とどちらが好きでしょうか?
ベイスターズの試合の見方について、こちらで解説しているのでそもそも見方が分からない…という方はぜひご参照ください。
さて、私在野は球場の内野席で観戦するのが好きです。直近の観戦でもハマスタ三塁側のDB応援内野指定席から声援を送りました。ですので、球場で見る時には横から投手を見ることになります。一方、動画での観戦ではカメラは二塁の少し後ろからを画面に映すことになりますので、投手を後ろから見ることになります。ここに大いなる葛藤。特に好きな選手を応援するために動画で見るべきかハマスタで見るべきか。
在野の一番好きなプロ野球選手は何と言っても、横浜Denaベイスターズ背番号59平良拳太郎投手です。このブログも平良拳太郎の良さを伝えるために始めたと言っても過言ではありません。今回はこの葛藤にお付き合いください。
平良拳太郎とその魅力
平良拳太郎はあまり有名な選手ではないでしょう。年俸も高いわけではなく、豪速球を投げるわけでもありません。そして何より、怪我が多く離脱していることが多いため、あまりニュースにもなりません。この記事を書いている2024年5月も怪我により離脱中です。
それでも、ちゃんと投げられる時にはこれほど頼もしい投手もそういないと思っています。2024年3月30日の登板では9回途中まで無失点。あわや、100球未満での完封勝利という素晴らしい投球をしました。これはまぐれではなく、2020年には83イニングを投げてWAR2.4(DELTA社の推計)、2023年には59イニングでWAR1.3を記録しており、高いクオリティで先発ローテーションを回っていました。
具体的に何がすごいのでしょうか。一言で表せばピッチングの手練手管です。複数種類の変化球を操っていることは一球速報などからも分かるのですが、この記事で二軍時代の平良とバッテリーを組むことのあった西森さんが語っているように、平良は同じ変化球でも投げるタイミングや握り方、球速などを少しずつ変えて投げ込み、バッターを翻弄します。ですので調子の良い時の平良が投げる試合を見ていると面白いくらいに相手打者が打ち損じていくんです。本人も変化球にこだわりを持っているようで、新型コロナ感染拡大初期に本人自らスライダーの解説をする動画を球団公式のYouTubeチャンネルで公開しています。
ですので、平良についてだけ言えば、そのちょっとした違いを見るためにも動画中継で応援したい!というのが本音です。タオルを掲げて直接声援を届けたいとも思いますが(現に3月30日はそうしたのですが)、ときに巻き戻しをしながらじっくり観戦するのに向いている投手、それが平良拳太郎だと思います。
キャッチャーによる投球の違いにも注目
さて、平良のピッチングの注目ポイントはどこから見るかだけではありません。誰と組むかにも注目してみてください。
ここからはかなり印象ベースの内容になります。2020年の記事では当時のラミレス監督が「(平良の)強みは真ん中から外」と述べており、当時はインコースのボールを見せながら、外角低めに変化球を投げることを投球の主軸にしていたように思います。しかし、昨年に伊藤光とバッテリーを組んだ時から投球に新しいバリエーションが増えたように思います。高めのストレートで三振を奪うようになったのです。これにはストレートの球速上昇もあったのでしょうが、平良といえば低めという先入観の裏をかくという意図もあったのかもしれません。結果として、2023年シーズンの奪三振率は24.8%とかなり高いものになっています。
この投球パターンは伊藤光以外の捕手とバッテリーを組んだ時にも見られるのか、私もまだ確かめられていません。3月31日の登録抹消以来、平良は一軍で投げられていないからです。4月6日の二軍での登板時に右肩に違和感を覚えたとのことで、それ以降二軍でも登板はありません。
ここまで見てきたように、平良拳太郎には見どころだらけです。球場でその優しそうな顔に声援を送ってもよし、動画でじっくり見てもよし、キャッチャーとの取り合わせを見てもよし、です。
またあなたのピッチングが見たい。平良選手、一日も早い復帰を願っています。
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