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ベイスターズ2024ドラフト戦略を考える。

こんにちは、秋になるとドラフトのことしか考えられなくなる方、在野です。ファーム日本一や戦力外通告の開始など気になる話題も多いのですが、今回はドラフトの話題です。

「ドラフト」の予想です。

この記事ではベイスターズの2024年のドラフトの予想をします。アマチュア野球に詳しい方ではありませんので、こういう考え方をする人はこのような選択になるんだな、というセットでお読みいただければと思います。
冒頭でわざわざドラフトの予想であるとしたのは、球団にとって戦力補強の手段はドラフトだけではないためです。自分が応援している球団に現在弱点があるとして、それをドラフトだけで埋めようとは考えません。例えば、代打が弱みだからと言って、ドラフト1位で代打専任の強打者を選択しよう!とは考えないと思います。この判断には二つ理由があり、第一に代打は相対的に重要なポジションではないということ、第二にドラフト以外の例えば現役ドラフトやトレード、もしくはチーム内の序列の変化によって賄えることにあるでしょう。ここから導き出せるのは、ドラフトではチームの弱点であり、かつ他のチャンネルでは補強できないポジションを優先すべきという結論です。
それでは、他のドラフト以外のチャンネルで補いにくいポジションとはどこでしょうか。
野手であれば、遊撃手›捕手›それ以外
投手であれば、先発›それ以外
だと思っています。
その上で、遊撃手›先発›捕手という順番になるかなと思っています。実際にトレードや現役ドラフトなどの市場に出回るのは先発投手の方が多いのですが、ここでは必要な人数との兼ね合いで先発投手を捕手よりも上にしました。
遊撃手に関してはドラフト以外ではほぼレギュラークラスを確保出来ないと考えています。まず全球団の遊撃手レギュラーを思い浮かべてほしいのですが、ドラフトで取った選手ばかりが浮かぶと思います。
その反対に、ここ数年のドラフト以外の遊撃手の補強を見ても、
大和(2017年FA、阪神→横浜)、
山本(2020年トレード、巨人→阪神/2023年戦力外→中日)、
ガルビス(2021年新外国人、ソフトバンク)、
京田(2022年トレード、中日→横浜)、
廣岡(2021年トレード、ヤクルト→巨人/2023年トレード、巨人→オリックス)、
山田遥楓(2022年トレード、西武→日本ハム/2023年戦力外→楽天)、
北村(2023年現役ドラフト、巨人→ヤクルト)、
C. ロドリゲス(2023年新外国人、中日)くらいしか名前が挙がりません。レギュラークラスとして活躍したのは大和と京田くらいでしょうか。記憶違いがあったら申し訳ないですが、いずれにしてもFAやトレード、現役ドラフトといった市場に出回る選手の数自体が少なく、その中で他球団と差を付けられる選手は本当にまれと言えます。

いつ優勝することを目指すのか

「毎年優勝を目指している」
それはその通りなのですが(そうでないことを公言するのは、野球協約第177条で定める敗退行為に抵触する可能性があるのですが)、実際のところは全盛期と育成期を繰り返すのが基本的なチーム編成の方針になるでしょう。仮に毎年全チームが同じ方針で編成をした場合、結局資金力のあるチームが勝ちます。ドラフト1位でも大成しないこともあれば、育成下位でもトップ級の選手が出てくる以上、より多くの選手をプールでき、育成環境を整備できるチームが勝つ確率が高まっています。
資金力に恵まれないチームが優勝できる確率を上げるにはどうするか。それは、コアプレイヤーになりそうな選手が複数見つかったときに、同年代に主力となるような選手を集め、他のチームよりも(一時的であれ)戦力を整えるということになると考えています。その好例が田中広輔(1989年生)、菊池涼介(1990年生)、丸佳浩(1989年生)の全盛期に鈴木誠也(1994年)が加わり、ベテランの新井貴浩、黒田博樹の復帰、外国人クリス・ジョンソンを補強して成し遂げた2016~2018年の広島カープの3連覇でしょう。
ですので、毎年その年の戦力で優勝は狙いながらも、本命とする時期と育成・コアプレーヤー発見の時期がチームとしてはあり、翌年がそのどちらに当たるのかを見極めることも球団のドラフト戦略を考える上で重要だと考えています。

ベイスターズの2025年シーズンは優勝を目指せるシーズン

私個人の見立ては、ベイスターズの全盛期はまだ先、というものでした。具体的には牧秀悟の全盛期と松尾汐恩の本格化が重なった時期が勝負を仕掛けるシーズンという見立てでした。
しかし、以下に列挙する要因から来年は優勝を狙えるシーズンなのではないかと考えています。

  • オースティンの本格的な復帰。改めてリーグ最高クラスの打者である

  • 松尾の成長が順調かつ山本祐大が想像以上の選手に成長した

  • セ・リーグには全盛期を迎えているチームが他に無いように見える(圧倒的に強いチームは無いように見える)

  • アンドレ・ジャクソン、アンソニー・ケイと二人の平均以上の先発投手を確保できた

  • 懸念だった外野に蝦名・梶原の台頭で光明が見えた

もう少し詳しく見ると、この記事を執筆している9月28日までのベイスターズの得点は500点、失点は483点です。ピタゴラス勝率を求めてみると、51.7%。優勝の目安になる80勝・55.9%まではまだ少し乖離があります。得点を仮に500点のまま据え置くと、失点を39点減らし、444点まで減らせればこのラインに届くという計算になります。なお、失点を減らすことと得点を増やすことでほとんどピタゴラス勝率上の違いはありませんので、得失点差を40点程度改善することで優勝が見えてくるとご理解ください。
では、このような現状認識から見えてくるベイスターズのドラフト戦略はどのようなものでしょうか。

判断の分岐点

最初の判断の分岐は森敬斗選手の評価です。彼に一軍ショートのレギュラーを任せられると判断したならドラフト1位で向かうべきは先発投手、そうでないと判断したなら遊撃手に向かうべきだと考えます。9月に入るまで、私は森選手に遊撃手レギュラーは務まらないと球団が判断していると推測していました。ファームの成績は良かったですが一軍での起用方法を見ると「我慢して使うまでの価値がない」と球団が判断しているというのが私の認識でした。しかし、9月7日の昇格以降、課題のバッティングでも成果を見せており、個人的に森選手に期待しているラインである打率.250のラインを超えています。悩ましいところです。
一方、森選手にショートのレギュラーは務まらないと判断をするなら遊撃手、具体的には宗山塁選手一択だと思います。この判断をする際に昨年も一昨年も1位指名は野手だったという情報はノイズだと考えています。あくまで、目的(来年のシーズンの優勝)に対してドラフトでもっとも補うべき戦力は何かということにフォーカスしましょう。
(そして、この森選手への評価が2024年ドラフトだけでなく今後のチーム編成を大きく変えるということが2年以上前から明白だったのに答えが出せない程度の情報しか集まらない起用しかしなかった首脳陣に対して極めて悪い感情を持っています。)

1位は宗山塁君(明治大学・遊撃手)が良いのではないか

ようやく私個人の考えを述べられる土台が整いました。まず、私個人は森選手は悪くない、主力級になれる選手だと思っています。しかし、首脳陣が適切に起用できるかという点で大きな疑問を持っているので、宗山選手を取りに行くべきだと思います。
また、これにより現在のベイスターズ編成上の懸念である三塁手宮崎敏郎選手の後継者問題にもある程度光明が差します。
現実的な問題として、宮崎選手のフル出場は厳しくなってくるでしょうし、二塁手としての牧選手のフル出場も厳しくなり始めていると考えています。しかし、まったく出られないという水準ではなく、むしろ完全なコンバートは守備負担の大きい二塁手として牧選手を起用でき、同時に三塁でも攻撃能力の高い選手を起用できるという大きなアドバンテージを捨てることになりますのですぐには選択しない方が良いと考えています。短期的には攻撃力を大きく落とさずに二塁、三塁をいい感じに回せる状況を作っておくことでリスク軽減し、中期的には牧選手をサードにコンバートしていくプランです。
他のオプションである京田陽太選手、林琢真選手は攻撃力に大きな問題があり、石上選手は育成途中、西浦選手を切ってしまったという状況ですので確固たるレギュラー候補の遊撃手を確保して、森選手をユーティリティ気味に使うというのが解になると考えています。知野選手でも良いのですが、首脳陣がそのように起用しないことはよくよく分かってしまったので、首脳陣が変わらない限りは新しい戦力で手当てするしかないと考えています。
もう一つ、宗山君は年齢が22歳であり牧選手と松尾選手の間に位置します。来年優勝できなかった場合でもコアプレーヤーを形成することで2~3年後の従来から狙っていた黄金期の確度をより高めることができます。
なお、この年齢の点については関西大学の金丸夢斗君も同様ですので、遊撃手が現在のままで来年も、中期的にも他チームに差を作れると考えている方が金丸君を推すという選択には賛意を示します。
投手が足りない!というのはその通りなのですが、平良投手の復帰、入江投手の復帰+先発転向、深沢投手の復帰、吉野投手、石田裕投手、中川颯投手、松本隆投手、森下投手の成長である程度賄えると考えています。詳しい計算結果はまたの機会に…。

1位を外した場合は長期的な戦略にシフト

来年の優勝を争えるとしたら、数年に一度クラスの遊撃手である宗山君か、東克樹投手の一年目を超える成績を残せそうな金丸君のどちらかを引き当てた場合かなと考えています。どちらも競合するでしょうから、外した場合のことも考えないといけません。
この場合は、来年の優勝という目標の優先度を大きく下げて、次のプロスペクトを取りに行くのが良いと考えています。近年は大社出身でも本当の意味で即戦力と言える選手はそう多くないと思っています。したがって、無理に大社で即戦力っぽい選手を取りに行くよりも、ファームで枯渇気味のプロスペクトを取りに行く方がチームの構成に即して考えると妥当だと思います。広島黄金期の例で言うと、鈴木誠也選手にあたる、あとから追いついてきて主力になるような選手です。今年のドラフト候補選手の中でハイシーリングな選手は誰かというのは難しいのですが、報道で名前が上がるような報徳学園 今朝丸裕喜君、花咲徳栄高校 石塚裕惺君や、(いずれも最初の指名で名前が呼ばれる可能性は十分にある選手ですが)、鈴木誠也選手と近いジャンルという意味でもここで福岡大大堀高校柴田獅子君あたりに行っても良いと考えています。

2位以降は1位次第

ここまで述べてきた考え方に則って考えると、2位以降は1位が決まってはじめて方向を決められることになります。宗山君なら完成度が少しでも高い投手。勝手な理想のイメージは東京ガスの臼井投手です(臼井投手を獲得せよ!と言っているわけではなく、社会人で完成度が高くハイシーリングではない選手の分かりやすいイメージとしてです)。
一方、金丸君だった場合は難しいですが、高校生の遊撃手かな、と思っています。
今年のファームの守備イニングの割り当てでもあまり次世代のコアになりそうな選手に遊撃の守備を割り振れたとは思っていませんので、2025年の優勝には紐づきませんが、優先度の高いカテゴリーだと思っています。
その二人でなかった場合には、22歳近辺のハイシーリングな選手をポジションを限定せずに指名してコア層を厚くしていくのが良いのではないでしょうか。第二の門脇誠選手、第二の田中広輔選手みたいな指名をできると理想的ですね。
その他にはファームのローテを回す先発投手、一軍での中継ぎ投手、ファームでの外野手複数人は指名する必要があるだろうなと考えています。遊撃手は森-田部の年のように2人でも良いかもしれません。

最後に

以上が私が現在考えているベイスターズの2024年ドラフトの戦略についてでした。自分の中でも論理一貫性が取り切れていない部分があり、おそらくチーム状況からして得点を増やすよりも失点を減らす方が難度が低いので、投手かな…?ともだいぶ悩みましたが、まずはコアを作るところを優先して宗山君としてみました。
今回のブログを書きながら改めてベイスターズの戦力がだいぶ整ってきたと思いました。以前のベイスターズが一本釣りが多かったのは、競合して外した場合のリスクを負えず、「外れ一位でもっとも欲しい選手」を最初から指名していたからだと推測しています。現在は致命的な穴は見当たらない状況になりましたので、こういう予想もできるのかなと思います。

最後に今回の記事で私がしていないことを列挙します。ぜひ他の方が書かれているものを読んで補っていただければと思います。
・左右の違いは気にしていません。
先発ローテが右腕ばかり(左腕ばかり)ということに特に問題意識を感じないためです。打線についても同様です。
・選手の個人名は出さないようにしています。
実は昔「大谷翔平は大成しない!」と予想して大外ししたことがあるので、あまり個人名は出さないようにしています(平沢大河選手は(楽天の)不動の一番ショートになると思っていましたし、高山俊選手も(ヤクルトの)三番センターになると思っていました。寺島成輝さんはヤクルトのエースになると思っていたし、宇部鴻城の笹永弥則さんは大学で活躍してプロ入りすると思っていました。素人野球ファンの眼力なんてそもそも大したことないものだと思っています。)。その辺りはスカウトのプロの方が明らかに情報持っていますし、自分があれこれ考えることに価値を感じないためです。
とは言え具体名を全く出さないと私の思考も分かりにくいと思ったので数名に限って出すことにしました。
・中継ぎの適性は考えないようにしています。
上の項目で書いたように、私が選手個人の能力を適切に評価できない以上、印象に引っ張られないよう、数値を中心に見るようにしています。ですので、投手に関してはどれだけ多くのイニングをどれだけのクオリティで投げられるかのみを考えています。連投~とか大事な場面で抑える~などは扱えていません。


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