スナップは日本か海外か
オーストラリアに来てから、はや10ヶ月が過ぎようとしている。2nd VISAの条件を満たしたあと、シドニーに4ヶ月滞在し、感じたことを書きたい。
シドニーのセントラルから何駅か行ったところにニュータウンという古着屋や洒落たレストラン等が集まった地域がある。日本でいうところの下北や原宿のよう感じだろうか。そこまでではないか...
通り沿いに何軒もの古着屋があり、服が好きそうな人が歩いていた。が、個人的に根っからの服好きが中々おらず、正直かなりがっかりした。
そこで元上司との会話を思い出した。
日本にいた時、学生時代から合わせると4年半アパレル店員として、無名のセレクトショップで働いていた。上司は2人しかいなかったが、
かなりの服バカだった。
ある日の仕事終わり、3人で日本のスナップと海外のスナップ、どちらが好きか、という話になった。
店長は日本、社員と自分は海外という結果だった。店長の意見としては日本人の服好きは細かいところまで考えてスタイリングを組んでいて、その意図を読み取るのが楽しいから。
海外派の意見としては、ある意味考えず、直感に従って選んだ服、スタイリングがその人のキャラになっていて自然体でいい。
ただ、ニュータウンを歩いてみて(また、以前メルボルンのフィッツロイを歩いた時も)、この店長の意見が頭によぎった。
服を考えて着ている人が全くおらず、オシャレそうな人を見ても、みんな同じ格好をしているのである。
日本にいる時は海外のファッションスナップに憧れ、オシャレな街には個性豊かで刺激を受けるような服好きが沢山いるんだろうという幻想を抱いていた。
しかし、いざ来てみれば、雰囲気のいいTシャツにcarharttかdickiesのワークパンツ、革靴は軒並みマーチン、スニーカーは多様だったが、流行りのNBやサロモン、asics、ダンクかエアフォース1といったところだろうか。
全く捻りのない、流行りをそのまま着ている人たちしかいなかった。日本と全く同じだったのである。
これがあってからというもの、めっきりスナップは日本派になった。ただ、これも海外に住むという経験をしたからこそわかったことであると前向きに捉えたい。
こっちに来てから、本当にお洒落だなと思ってのは、ブリスベンで見かけたCHANELのトラックパンツをいやらしさなく見事に着こなしていたお婆さんとニュータウンにいたTシャツの袖と靴下を折り返していた青年の2人だけである...
※そもそも、自分が期待しすぎている。そして、オーストラリアのファッションの市場の小ささ、気候等の地域性、国民性など考慮すべき点はかなりあるので、またの機会に書きたいと思う。
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