「6」魔法のエリクサー

温室のホールは、植木鉢や植物でいっぱいになり、少女たちが詰めかけていた。責任者が手を叩いて彼女たちの注意を引き、口を開いた。

「今回、試験について上層部と相談しました。それぞれの候補者に患者のケースを与え、その状態を1週間以内に改善してもらいます。」

少女たちの間からざわめきが広がった。この試験を通過することは不可能に近いと考えられていたのだ。責任者は、選ばれた候補者たちに患者部屋の鍵を手渡していく。

一週間が経過し、最高位の医師たちが患者たちを診察し、責任者と共に結果を議論した。そして、最終的に誰が王宮でフィナ姫の世話をするかを決定した。

「選ばれた候補者は……ロゼットだ!」

ホールに一瞬の静寂が訪れ、次いで少女たちの間に驚きと安堵が交錯する。こうしてロゼットは、危険で困難な任務を託されることになったのだ。
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三人の領主が廊下を歩いていると、そのうちの一人が口を開いた。

「今回は殿下が随分と寛大だと思いませんか?」

すると、もう一人が答えた。

「そう思いますか、ジョン卿?」

「ええ、こんな状況では追放が最善の策だったはずです!」

「私はそうは思いません。」

三人目が冷静に口を挟む。ジョン卿は驚いて尋ねた。

「そう思わないのですか、マーカス卿?」

「そうです。」マーカス卿は慎重に言葉を選びながら続けた。「王室の名誉に関わる大事な問題です。もしこの件が軽んじられたら、王家に大きな汚点を残すことになったでしょう。」

「つまり、マーカス卿、あなたは階級を二つ剥奪するのが最良の選択だとおっしゃるのですね?」

「ジョン卿や殿下のお考えを踏まえると、そうだと思います。」

リン卿が口を挟んだ。

「殿下もずいぶん成長されましたね。ジョン卿もそう思いませんか?」

ジョン卿は不満そうな顔をしながらも、ため息をついてあいまいに答えた。

「どうでしょうかね。まだ彼には長い道のりがあるでしょう。」

そう言って、ジョン卿は立ち去ろうとする。リン卿はマーカス卿に視線を向けるが、マーカス卿の憎しみに満ちた目は、立ち去るジョン卿の背中をじっと見つめていた。マーカス卿は低くつぶやいた。

「気にするな。彼は反対派の側にいるのだ。」
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つつき

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