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【「頑張る」意味】それを見つけることができているのだろうか
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「秒速5センチメートル」予告編
「僕はただ働き続け
気づけば、日々弾力を失っていく心が
ひたすら辛かった」
「そしてある朝
かつてあれほどまでに真剣で切実だった思いが綺麗に失われていることに僕は気づき
もう限界だと知ったとき会社を辞めた」
「情熱」
というのは、本当に、いつの間にか
「綺麗」
に無くなっているもの。
「働くこと」
への不信や
「頑張ること」
の意味を失ったのが、人々に共感されていた時代。
ウルフルズ「明日があるさ」
「どうしてオレはがんばっているんだろ」
いよいよもって
「経済」
という明快な
「幸せ」
の基準が揺らぎ・・・
「幸せ」
を再考すべきというサインであり、
「どう生きるか」
というのは、誰しもが、直面している問題なのかもしれない。
アニメ映画『君たちはどう生きるか』
米津玄師「地球儀」
「現代社会はどこに向かうか 高原の見晴らしを切り開くこと」(岩波新書)見田宗介(著)
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現在ある自己の一回限りの人生を、耐え忍ぶべき手段のように感覚していれば、
■足立正生監督の「逃走」
■高橋伴明監督の「桐島です」
「社会」
が悪いから俺は
「不幸せだ」
という思考が成立する。
徹底して合理主義的なビジネスマンとか、受験生などの典型像に見られるように、未来に、ある目的のための現在の手段化は、至るところに存在している。
本書の中で、見田さんの考える幸福の経路及び連鎖とは、
「依拠されるべき核心は
(…)
人によろこばれることが人のよろこびであるという、人間の欲望の構造である」
と述べられており、換言すれば、
「自身の幸福を伝播させること」
に希望を抱いています。
「一人の人間が、一年間をかけて一人だけ、ほんとうに深く共感する友人を得ることができたとしよう。
次の一年をかけて、また一人だけ
(…)
同じようにして一〇人ずつの友人を得る。
二〇年をかけてやっと一〇〇人の、解放された生き方のネットワークがつくられる」
このような
「幸福の連鎖」
を素朴とした上でも、なお、見田さんは、この
「充実の連鎖」
を
「花」
に例えて、
「一華開いて世界起こる」
と語られていました。
世界は、限りなく、広くて。
呆れるほど、多様で。
まだまだ、足りないものがある。
だからこそ、ひとの、ときを、想う。
あなたの人生が、予想外の物語で、ありますように、と。