【今日は何の日】半夏生
■「半夏生」とは、なんでしょう?
半夏生(はんげしょう)とは、夏至(1年で一番日が長い日)から数えて11日目が半夏生です。
昔の農家にとっては、田植えの目安とも言われ、
「チュウ(夏至)ははずせ、ハンゲ(半夏生)は待つな」
ということわざがある様に、夏至が済んでから、半夏生に入るまでに、田植えを終わらせるのが、好ましいと言われていたそうです。
諸説ありますが、半夏生の前に、無事田植えを終えた農家では、この日の天候で、稲作の豊凶を占ったり、田の神を祭ったりするところも、あったそうです。
「半夏生 わたくしは今日頭上より雨かんむりをしづかにはづす」
(永井陽子『モーツアルトの電話帳』より)
「善と悪が戦い続ける物語読みつつ暮れてゆく半夏生」
(本川克幸『羅針盤』より)
「流れよる雪のひとひら幸あるは少女のうすき手のひらにのる」
(秋山佐和子『半夏生』より)
■「半夏生」には何を食べる?
冬至には、
「かぼちゃ」
を食べると言う風習があるように、
この「半夏生」にも何かを食べるという風習があり、何を食べるかは地方によって様々です。
福井県大野市では、江戸時代に、大野藩主が田植えの終わる半夏生の頃に、疲れを癒して、夏場へ体力を備えるために、サバを食べる事を奨励した所からこの風習が残っているそうです。
「お客さん旨さうに酒を飲むねえと〆鯖の上で褒められてをり」
(田村元『昼の月』より)
「カポーティ―のお洒落短編読み終へていたく冷えたる鯖寿司つまむも」
(島田修三『帰去来の声』より)
「鯖缶のぶつ切りの鯖 この鯖の身体が別の鯖缶にもある」
(千葉優作『あるはなく』より)
また、香川県では、田植えや麦刈りが終わった労をねぎらう為に、うどんを打って食べる風習があるそうです。
「安っぽき照明の下打ち解けてスープきらめくうどん啜れり」
(嵯峨直樹『半地下』より)
「おうどんに舌を焼かれて復讐のうどん博士は海原をゆく」
(山中千瀬『さよならうどん博士』より)
「ほの甘いつゆにおどろくわが舌がうどんのやはきにもおどろきぬ」
(山下翔『温泉』より)
そして、「関西地方」では「タコ」を食べる風習があります。
「活けるまま糠揉み込みてぬめりとるあな耐へられず蛸の目を抓(つ)む」
(松崎英司『青の食単(レシピ)』より)
「ぬるま湯に蛸踊りつつ死を迎ふ快楽のむらさきのこむらがへり」
(和田大象『くらはんか』より)
「久々に銀だこのたこ焼きを買う雨の大井で大穴が出る」
(五島諭『緑の祠』より)
■ハンゲショウ(半夏生)
水辺に群生する白の斑が、たいへん美しい涼しげな植物です。
葉っぱの半分ほどが、真っ白な白粉を塗ったような様子から、「半化粧」とも呼ばれます。
全国各地に群生地や名所があり、
・京都祇園の両足院
・鎌倉の鎌倉中央公園
・淡路島の淡路島国営明石海峡公園
等、見ごろの時期には、たくさんの人で賑わうそうですよ(^^♪
■誕生花(クレマチス)
「こりもせず光のほうへ手を伸ばす私のような蔓 クレマチス」
(槌谷淳子『ホワイトライズ』より)