【日常茶飯事】なんとなく元気の出ない朝
人は、欲望によって生きています。
人間の三大欲望には、食欲、性欲、睡眠欲がありますが、人間は、理性があるので、ある程度、抑制することはできるものの「〇〇しては、いけない」と禁止されればされるほど、やってみたくなるのが、人間の心理です。
この3つのどれかを抑圧すると、その欲だけが、ずば抜けて大きくなり、頭の中は、そればかりになってしまうから要注意です(^^;
例えば、食欲。
朝食を抜くと、やや食欲が強くなります。
昼食を抜くと、もっと食欲が強くなり、ストレスが溜まることになります。
夕食を抜くと、頭の中は、食べ物のことしか考えられなくなり、眠ることもできないくらいに悩まされます。
性欲も、子孫の繁栄を考えると、必要な欲であるのですが、相手の気持ちあってのことですよね。
相手に受け入れられないと、そのことばかりが頭をよぎり、無謀な行動に出てしまう人もいます。
また、睡眠欲は、脳の膨大な情報量を整理し、体の免疫力を高めるために必要なことです。
眠ることができないと、頭の働きがストップして、何もできなくなるでしょう。
どれも必要な欲ではあるのですが、抑圧も、解放も、極端に傾けば、執着が大きくなり、自分も他人をも、傷つけることになりかねません。
偏ることなく、自分である程度やってみて、満足したら、その物事にも、執着しなくなるのですが、人によって、執着がなくなる時間や量など、それぞれであり、他人が決めることはできないんですよね。
人は理性があって、欲望のまま生きることは、なかなか普通の人間にはできないものです。
欲望を抑圧すると、これがストレスとなり、肉体面には病気、精神面ではうつなど、色んな現代病が発生してしまう原因を作っています。
欲望が、決して悪いわけではありません。
うまく発散させる術を身につけることが大切なんですよね。
スポーツをして汗を流してみたり。
カラオケで大声を出してみたり。
友人とおしゃべりしてみたり。
山や海など自然に触れてみたり。
また、自分の好きなことをやってみたりして、ストレスを発散させていくことが必要です。
欲望が悪いわけではなく、禁止され、抑圧されるから、偏って、執着し、ストレスを生むだけなんです(^^;
あるがままの自分を受け止め、理性を失うことなく、うまくストレスを発散していけば、月日の経過と共に、執着することも、なくなっていくのではないでしょうか?
何も難しいことではないはずです。
偏ることなく、自分である程度やってみて、満足したら、その物事にも執着しなくなるはずですから。
欲に任せず、無理せずのんびり充電していきましょう!
【今日の短歌】
■食欲
「ブルーシートの青は食欲失くす色 三年を褪せることのなき色」
(齊藤芳生『湖水の南』より)
「一筵(ひとむしろ)の唐辛子のうへよぎらんと白猫はあかく燃えつつ燃えず」
(小中英之『過客』より)
「ブロイラーをレグホンの卵でとじたもの同僚一○人一斉に食む」
(大井学『サンクチュアリ』より)
■性欲
「駆け引きの上手な海を見ならえばラブホから出てくる人の距離感」
(上篠翔『エモーショナルきりん大全』より)
「ろうそくの明かりの芯で揺らぐのは人のなかなるけだものの性(さが)」
(辰巳泰子『いっしょにお茶を』より)
「劣情が音立つるほど冷えている。きさらぎ、デスクワークのさなか」
(生沼義朗『水は襤褸に』より)
■睡眠欲
「もうざふきんみたいになつてわたくしのすこし上手に眠れよこころ」
(今野寿美「あつちもの」『短歌』,2021.10より)
「アラームの鳴る一分前に目覚めればその六十秒を抱きて眠る」
(和嶋勝利『天文航法』より)
「眠りこそ人生なのだ集中をして眠るべし夕つ方まで」
(岡井隆『静かな生活』より)
【今日の詩集】
「エピグラフ」
「眠るだけ眠りなさいな夕立にあゆみを止める夏の日時計」
「朝に」
「百葉箱の白さを
おぼえていますか、あの
伸びきったみどりにかこわれた
少しくさりかけた足と
すずやかな 夏
仄暗い
抜け道を知っていた
岩場で切ったあしうらの
赤はサンダルの模様に
まぎれて消えた
うごけないでいるのです、
手の先に海
明け方にやわらかくしばられて
(音楽)
おぼれることを
わたしは望む
ととのいすぎた呼吸の
あいま あいま
気管をすりぬけるように
蜩が鳴いている
からだの奥で
百葉箱をぬける
風がまなうらをしめらせる
しろく改行されてゆく
朝を 沈めて」
萩野なつみ『遠葬』
三好達治『測量船』