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【「嗜む」のすすめ】濃淡に焦がれ本を嗜む


Ken Tanahashiさん撮影

私達が密かに大切にしているものたち。

確かにあるのに。

指差すことができない。

それらは、目に見えるものばかりではなくて。

それらを、ひとつずつ読み解き。

それらを、丁寧に表わしていく。

そうして出来た言葉の集積を嗜む。



雨の降る朝

空気のなかに

いつもと違う

気分が

混ざっている

ことを感じる



異国の地で

嗅いだ

雨の匂い

毎日

続く

乾燥した

空気の中に

雨が

湿度を

もたらし

体感温度が

2度くらい

あがったように

錯覚する



石畳にあたる

雨の

やわらかい音が

聞こえてくるような

雨模様

見上げた

どんより空には

薄い

ねずみ色の

雨雲たちが

幾重にも

重なりあって

空を

支えている



私たちを

取り巻く

毎日の

さまざまな

事柄は

なかなか

ひとつの

言葉で

表せない

私たちは

数多くの

ゆらぎの

なかにいて

そこには

気分や

想いや

匂いや

温度や

湿度や

音たちが

共存し

「◯色の朝」

のように

集約

されるとしても

実に

たくさんの

グラデーションで

折り重なった

表情を

みせてくれる

そんな

美しい世界を

観察と

感覚で

丁寧に

ことばに

おこして

感覚と意識を

つないで

分かるへ

つなげていき

ゆらぎを

しっかりと

認識していく



これは、「◯色」でいこう、と。

服や靴等の色を決めていく過程においても。

当然、辿ることになるだろうと感じられる。

ゆらぎのプロセスではないだろうか。

例えば、黒色であれば、どんな「黒」を伝えたいのか。

「鈍(にび)」

「橡(つるばみ)」

「檳榔樹黒(びんろうじゅぐろ)」

「呂(ろ)」

「空五倍子(うつぶし)」

「憲法黒(けんぽうぐろ)」

「利休鼠(りきゅうねずみ)」

「深川鼠(ふかがわねずみ)」

「藤鼠(ふじねずみ)」

「紅下黒(べにしたぐろ)」

「藍下黒(あいしたぐろ)」

明け方、太陽の一筋の光を受けた、紺に近い黒なのか。

星ひとつ輝かない、漆黒の夜であるのか。

濃淡を大切にしたい気持ち。

実は、そこに、あるのではないでしょうか。

毎秒ごとに変化する感覚のグラデーションである「濃い」と「淡い」の間にある無数のゆらぎ。

このゆらぎを掴むために。

日々の生活の中で。

新しい情報を取り入れ。

理解し。

色を加え。

輪郭を描き足し。

陰影や濃淡をつけ。

形を整える。

何かを感じるたびに。

何かに気づき。

何かを知ることで。

何かを学んでいき。

将来像が描かれていく。

聞き取り難い声も多くあるから。

静かな観察を、続けていく日々。



未来の畑。

肥料は想像力。

出会いと成長。

反対の立場に立ってみたら。(きょう、だれかを、うれしくできた?)

ちょっと長いスパンで考えてみたら。(ていねいは、世界をめぐる。効率よりも、やさしさや、おもいやりを、優先してみる。)

別の時代だったら。(今、目の前に見えている「あたりまえ」の世界は、実は、全然あたりまえではなくて、小さな奇跡の積み重ねなのかもしれない。無数に枝分かれした未来から、選ばれた今がある。)

どの視点で、その対象を捉えるかによって、状況次第で変わる世界。(決められないのは、決めつけているから。)

目の前にあるものを、真っ直ぐに捉える力をアップして。(貫け、ジブン。)

やれることを、やれるときに、やれるだけ。

目の前を見つめる。

寄り添う。

相手のために動く。

ぜんぶそこから始まる。

広げよう、みている世界を、つぎの新へと(^^)

Takahiro Sakaiさん撮影(本当の旅の発見は新しい景色を見ることではなく、新しい視点を持つことにある。)



今日は、どれを読もうかなんて。

好きなことに没入し。

自分と向き合う時間に浸る「ヒタ活」(^^)

今宵、嗜む本のお品書きは・・・

【「嗜む」のすすめ】濃淡に焦がれ本を嗜む

「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」ウンベルト・エーコ/ジャン=クロード・カリエール(著)工藤妙子(訳)

「石元泰博 桂離宮 新装版」石元泰博(著, 写真)

「石元泰博 写真という思考」森山明子(著)

「一九堂100周年社史」

「ソックモンキーのおくりもの」(講談社の創作絵本)秋山花(著)

「テニスの王子様完全版 Season1 1」許斐剛(著)

「松田正平 きまぐれ帖Ⅱ 犬馬難」

「小学館の図鑑NEO 本物の大きさ絵本 原寸大 すいぞく館」さかなクン(著)松沢陽士(写真)

「正義論 改訂版」ジョン・ロールズ(著)川本隆史/福間聡/神島裕子(訳)


「マラルメ全集 全5巻セット」松室三郎/菅野昭正/清水徹/阿部良雄/渡辺守章(編)

鼎談 多面体マラルメの耀きを求めて

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