ハゲ隠し
千と千尋のって入れても何の意味もないのでやめましたが、私は22年ほど前につきあっていた彼女から「ハゲているので全部剃った方がいい」と言われた時に、何をご冗談をと間に受けなかったのですが、当時出演した映画でのワンシーンでバーで飲んでいるところを後ろからのショットを見た時に、あ、少し頭皮が見えている、と衝撃をおぼえたものです。
それから、彼女の言っていることは本当なんだと思い、職場の近くの公園で断髪式を執り行い、以後22年間、週末はT字で剃りあげてきました。
琵琶を演奏する時には必ず前日に剃っていくことにしているのですが、先日の演奏会でとても良い演奏ができて年内の演奏会を終了したことで、少し毛が抜けて、いや、気が抜けて、剃らずに過ごしました。
いつも冗談のように同僚らに繰り返し言うのは、俺はハゲてない。見えないけれどあるんだよ。剃っているからハゲているようにみえるけれども。見えないけれどあるんだよ。
とはもう言えなくなってしまったようです。
こうして実際に22年ぶりに生やしてみた結果、頭頂部はだいぶ侵食がすすんでいて、炙り出したような、皆既月食のような、見事なまでのハゲ頭ではないか。
丸刈りもよいが、このようなハゲ頭もなかなか味があってよいではないか。
ちょうど息子からLINEで「誕生日プレゼントに手編みのハゲ隠しをつくるね」とのメッセージ。ありがたくハゲ頭で待っていよう。