AtemMini~VoiceMeeterBanana~OBS~ZOOMで複数カメラ・マイク・PC音源のマルチ配信を実現する方法

最近、ZOOMで様々な配信方法の要望が増えてきている。今回の要望は、
①ZOOMのホスト側は会場内に複数のカメラ・マイクを設置し、随時切り替えて配信したい(マルチカム方式)
②ホストの会場には、観覧者もいるので、その人たちに会場ではまるで生の会議をしているようにZOOMをみながら、リアルの発言も会場内でモニタリングできるように会場内の音響設備に流したい
③さらに、待ち受け画面ではBGM的な音楽を流し、さらには、会が始まったら社歌も歌いたい(ZOOMユーザーと会場内同時に流す)
④もちろん、ZOOMのクライアント側からの発言(音声含む)うけ、会場内にその音声・映像を流したい

などという、無茶な要望までされるようになっている。

これらを実現した方法のメモ。

①必要なものおよび使用アプリ

ハードウェア


●PC(HDMI出力ポートを持つもので、高スペック)
●AtemMini(マルチカム切替用)
●HDMIスルーアウトできる映像デバイス(デジカメ・ビデオカム・スマホなどを必要台数)(撮像用)
●有線LAN環境が望ましい

使用するソフトウェア


●Windows10の各種設定(特にサウンド関係)
●ZOOMアプリ
●OBS
●VoiceMeeterBanana
●AtemSoftwareControl
※下記に進む前に、上記アプリはしっかりとインストール作業を完了して起動できるようにしておく。


(1)AtemMiniでハードウェア上でマルチカム環境を整える


※この段階で、まずはきちんとマルチカム・音声切替が問題なく動作しているかをチェックしておく
※PC上では、『BlackMagicDesign』というデバイス名で出てくることが多い

(2)Windowsのサウンド関連の設定

①「サウンド」の設定
①-1-(1) スピーカーアイコンを右クリック⇒「サウンド」を選択
-1-(2) 「再生「タブを選択
-1-(3) 「VoiceMeeterInput」を右クリック⇒「既定のデバイスに設定」を選択
①-2-(1) そのまま、「録音」タブを選択
-(2) 「VoiceMeeterOutput」を右クリック⇒「既定のデバイスに設定」を選択
①-3 「適用」⇒「OK」で上記設定を有効化

②「サウンド設定を開く」の設定
②-1-(1) スピーカーアイコンを右クリック⇒「サウンドの設定を開く」を選択
-2 出力⇒「出力デバイスを選択してください」で、『VoiceMeeterInput』を選択
-3 入力⇒「入力デバイスを選択してください」で、『VoiceMeeterOutput』を選択

(3)VoiceMeeterBananaの設定


使用理由:
①ZOOMクライアントと会場に同時にmp3などのPC音源を流す。
②Zoomクライアントの音声をホストの実施リアル会場にも流す。
などなど、音響にかかる諸々をPC上で解決するため。

設定の手順(画面上の処理)
まずは、
『HARDWARE OUTPUT』の左側【A1】
をクリックして、モニタするデバイス(ふつうはPCの「スピーカー」か「ヘッドホン」)を選択。※ヘッドホンをつけてやるのがおすすめ。その後、下記の作業へ進む

①『HARDWARE INPUT1』の列
①-1『HARDWARE INPUT1』クリック⇒『WDM:マイク(BlackMagicDesign)』を選択
①-2 【MONO】⇒ON、【A1】⇒OFF、【B1】⇒ON
(後述:対応表を参照)
※『HARDWARE INPUT1』は、AtemMiniに接続してある実際のマイクの動作処理設定
※【A1】をoffにすることで、会場内の音声が”こだま”にならないようにする。(ハウリング・エコー防止)
※マイク入力は基本的に”モノラル入力”なので、【MONO】をONして有効にする(間違えて左右の片方だけに音声が流れないようにするため)

②『VIRTUAL INPUTS』の設定
②-1『VoiceMeeterVAIO』の列⇒【MUTE】⇒ON
※PCのマイクから音を拾うのを防止(ハウリング対策)
②-2『VoiceMeeterAUXの列⇒【A1】⇒ON、【B1】⇒ON

③『MASTER SECTION』の列のチェック
③-1 ”マイクをオン(AtemMini機器本体のミュート解除して音声が出るようにした状態)”で「PHYSICAL」の一番左(A1)のレベルメーターが動いているかチェック
※出ないときにチェックすべきこと
●「VIRTUAL INPUT」セクションの「VoiceMeeterAUX」のレベルメーターが振れているか?
●同じく、【A1】・【B1】は有効になっているか?
(1)「VIRTUAL INPUT」の「VoiceMeeterAUX」
③-2 PCの音源データ(mp3など)を再生して、「VIRTUAL」の左側(B1)のレベルメーターが動いているかチェック

(4)OBSの設定


①「コントロール」⇒「設定」⇒「音声」⇒「モニタリングデバイス」
【VoiceMeeterAUX INPUT(VB-SudioVoiceMeeter AUX OUT)を選択】
※その他の「グローバル音声デバイス」はすべて【無効】

(5)Zoomの設定


【設定マーク※】⇒「オーディオ」
「スピーカー」⇒【VoiceMeeterAuxInput】を選択
「マイク」⇒【VoiceMeeterOutput】を選択
雑音抑制⇒「低」
音楽とプロフェッショナルオーディオ
 「ミーティング内オプションを表示~~」⇒on(チェック)
 「高充実度音楽モード」⇒on(チェック)
 「エコー除去」⇒on(チェック)


あまり関係ないの備忘録


①マルチカムはAtemMiniで解決
これに関する詳細な情報は、ネットにあふれているので割愛。後で、NOTEするかも。
ごく簡単に解説すると、HDMIスルーアウトできるデバイス(デジカメ・ビデオカム・スマホ(スマホの場合HDMI変換コネクタが必要))とAtemMiniを接続して、AtemMiniで切り替える

②マイクの音響の解決法
今回の事例では、「司会」と「演壇」の二つのマルチカムという要望だった。AtemMiniには、マイク(ダイナミックマイク)をダイレクトで2本まで入力できるので、ここに直接つなげれば、とりあえずは簡単に解決。
※もっと多くのマルチカム&マルチマイクを要望された事例もある。これは、気が向いたら別にNOTEにあげる予定。
ただし、設置位置関係によっては、ハウリングとの戦いになる。



まずは思いつくのが、会場内に複数のデバイスを設置し、それぞれ別々にZOOMにアクセスする方法。
これをすると、かなり大きな問題が発生する。特に、音響だ。
要望が増えれば増えるほど、音の返りつまりは、エコーとの戦いになる。別の言葉で言うとハウリング。
複数のZOOMにつながったデバイスを同じ会場で、使うと、ほとんどの場合ハウリングの嵐となる(全員イヤホンにすれば比較的大丈夫)

まず、
①だけならAtemMiniさえあれば、簡単なこと。4万円以内の出費でマルチカム方式は簡単に実現できる。


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