[NISSAN ラシーン]について
1994〜2000年の間に販売された、90年代のパイクカーシリーズと同じ流れを汲むコンパクトクロスオーバーSUV。
車体のデザインは、服飾デザインの「ウォータースタジオ」・製造は高田工業が担っており、パイクカーシリーズを手掛けた組み合わせとなる。4代目パルサー(N14型)とプラットフォームを共用し、駆動系は国内では既に旧モデルとなっていた7代目サニー(B13型系)の4WDを用いている。
フルモデルチェンジされることなくモデル抹消されたが、マイナーチェンジ及び追加車種も踏まえ豊富なバリエーションが存在している。ベース(素体)となる、TypeⅠ、ルーフレール(天井) + 背面スペアタイヤキャリアが特徴的なTypeⅡ、フロントにグリルガードとサンルーフを追加したTypeⅢ、マイナーチェンジ時は 1.8LのEG + ATTESAを搭載したftシリーズ、ftシリーズのEGを2Lに変更したフォルザとなっている。
基本は、1.5L 直列4気筒DOHC GA15DE型EGと、センターデフを用いないビスカスカップリング式フルオートフルタイム4WDとなっている。このことやプラットフォームなどから、悪路走破性より街乗りを基に考えられていることが伺える。ftは、1.8L 直列4気筒DOHC SR18DE型EGと、センターデフ+ビスカスカップリング方式のフルタイム4WDシステム「ATTESA」を搭載している。フォルザは、「ATTESA」の駆動系に2.0L 直列4気筒DOHC SR20DE型EGを搭載している。トランスミッションは4ATと5MTが選択できるが、ftとフォルザはATのみであった。
外観は、角ばったデザインが基本であり、シンプルでありながらモダンである特徴的なスタイルは、現在でも魅力的である。上下開きのテールドアや、 TypeⅡなどの背面スペアタイヤキャリアは、RVなどのアウトドアな雰囲気が感じられる。リフトUPせず、街乗りを中心に据えたことは現在のSUVに通ずじ、先進性が伺える。羅針盤からとられている車名や、レトロな外観、ソリッドなカラーバリエーションなどにより、「未知なる旅の水先案内人」、「新ぼくたちのどこでもドア」のイメージ通りに、どこにでも運転していきたい気分にさせてくれる1台である。
この車種の特筆すべきは、モデル抹消までの6年間カタログに載り続けていたことである。このことからも、この車種が一定の需要があり人気車種であったことが伺える。RAV4やCR-V、ピックアップトラックのハイラックスをベースとしたサーフなどが当時の競合車であったとされているが、他にはない、この車種だけの魅力があった。
ちなみに、純正でフロント丸目2灯は存在せず、某アニメのラシーンはグリルをキットに換装したカスタム品であり、他にもグリル+前後バンパーなど塗装、ボディ全塗、シートの変更(カバーOr取替)、インパネ木目調などなどを1.5Lの後期2型に施したフルカスタムモデルである。
個人的には、SR20 EG + ATTESA に丸目4灯・リア傾斜などの外観をもつフォルザ に大変興味を持った。ATしかないのが残念である。
専門に扱う店や、定期的にマンガなどに登場したりするこの車種は、キャンプは基より、アウトドア以外での街中でも絵になる、どこでも乗り廻したくなる、オールマイティな一台である。普段使いこそが輝く、靴であるかのように、生活の友として最適なクルマであった。現在のSUVブームを先取りしたコンセプトのこのクルマに、「時代が追いついた」のであろう。
…十数年前には、500円で中古販売されていたこともあるケド
観ていただけているだけでも大変嬉しいです。 もし、いただけたら恐縮しながらもとっても感動します。 今後とも覗いていただけましたら有難いです。