
「間接おぢ」で訪れた危機
間接おぢ
ノリオの彼女が生み出した言葉です。
電車で座っているときに、こんな感じでもたれることがありますよね。

これが「間接おぢ」
彼女が嫌がる行為です。
これまでどんな”おぢ”がそこに頭を擦り付けてきたかわからないし、どんな危険な菌が付いているかもわからない。と。
この「間接おぢ」をしている人自体は否定しませんが、彼女自身は絶対やらない。
そして「間接おぢ」をした人の後頭部には触れたくないそうです。
この「間接おぢ」が、彼女との価値観の違いに向き合うキッカケになります。
突然、喧嘩になりました。
ある日、私が抱きつこうとしたら、「近づかないでくれ」と跳ね除けられたのです。
私が「間接おぢ」をしてしまったからでした。
たしかにお出かけの帰り、電車で座っているときに、私はシートにもたれて寝ていました。
でもあれは本当に間接おぢだったのか?いや、違う。
私にも言い分がありました。そのとき、帽子をかぶっていたのです。直には触れていないはず。
だからさすがに菌は付いていないだろうと。
そこで私は「あのとき、帽子をかぶってたなら大丈夫じゃない?」と伝えましたが、彼女の答えはこうでした。
「どんな菌があるかわからないし、帽子を通り抜ける菌があるかもしれない。だから嫌だ。」
我慢我慢・・
百歩譲ったつもりで、私はシャワーを浴びることにしました。
頭を洗えば大丈夫だろうと。
頭を洗って戻ったとき、彼女からこう聞かれました。
彼女「シャンプーで髪を洗った?」
私「え、水で流したよ?」
彼女「じゃあ無理。」
がーん。
これでもだめか・・?
いや、そんなことない。
帽子をかぶっていて、その後水洗いしていたら、さすがに大丈夫なはずだ。菌が付着している可能性は限りなくゼロだ!
我ながら名推理です。
こうなると、私も事実を説明したくなります。
ただ、自分で言うよりも、第三者のフラットな意見が欲しかった。
その方が彼女も聞いてくれるはず。そこで私はChatGPTに聞いてみました。
質問:
電車の座席でシートにもたれて頭を付けた場合、菌は付く?
ちなみに帽子をかぶっていたし、その後シャンプーはしてないけど水洗いした。
ChatGPTの答え:
「帽子をかぶっていたなら、髪や頭皮に菌がつくリスクは低く、帰宅後に水洗いや軽いケア程度で問題ないでしょう。帽子自体のケアも気をつければ、より安心です。」
この回答を読み上げ、私は彼女にこう伝えました。
「気持ちの問題じゃない?」
結果、言い争いになり、怒られました。
というより、悲しい気持ちにさせてしまったのです。
彼女はこう言います。
「私の価値観はGPTにはわからない」
そして、「この価値観を分かってくれないなら一緒にいられない」とも。
私はようやく、このタイミングで焦り始めました。
「一緒にいられない。」
この可能性が出てくると、男は急に焦るものですね。
それまでの会話では全く気付けなかったくせに。
私はようやく、自分に落ち度があったことを理解しました。
相手の価値観なのだから、変えようがないのに、それを無理に変えようとしてしまいました。一緒にいたいのなら、文句を言わずに向き合うしかないのに。
感情的になってしまったのは、私自身だったと。
意地になって、感情的になった状態でぶつけた正論。それは、自分に都合よく切り取った事実でしかありませんでした。
言い争い自体は、私が謝罪する形で収束。
彼女とは仲直りしました。
内省するきっかけとなるできごとでした。
ちなみに、それを機にChatGPTは嫌われたまま。
いつか弁明の機会を与えようと思っています。