#26 オクシモロンとは?
Today's English
oxymoron(オクシモロン)
矛盾する意味、もしくは正反対の意味を持つ単語を組み合わせて、読み手にインパクトを与える語法や修辞法のこと。
paradox(パラドックス)
矛盾を表す語
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ちょっとした宣伝なのですが、この度、文学フリマ福岡で『オクシモロン』と呼ばれる6編の連作短編集を販売します!こちらに情報をまとめているので、お手隙の方はぜひご確認をよろしくお願いします!!!
ぜひ手に取って、購入していただけたら嬉しいです。
Content
さて、ライターとしてご紹介しなければならないオクシモロン。
矛盾する言葉を一つのフレーズのなかに落とし込む技法で、パッと思いつくのは以下の通りです。
・静かな喧騒
・ありがたい迷惑
・ゆっくり急げ
・きもかわいい
・特別な日常
・おどろおどろしい安心感
・アンニュイなトキメキ⭐︎
・洗練された凡人
・甘美な苦味
こんな感じです……。
何よりもインパクトが出ますよね!広告でも使えそうです。例えば『頑張らない働き方』という著書がありますが、「仕事は頑張らないといけない!」と私たちが思っているなかで「頑張らなくていいの?」と言われれば耳に残ると思います。
以前、ドン・キホーテに行ったときに商品棚の前に『絶対に買わないでください』という商品POPが貼られていまして、反対に購買意欲を促す効果をもたらしていました。買うなと言われたら買いたくなっちゃう天邪鬼……。これもまた人間。
オクシモロンはこういった「人々を惹きつけるキャッチコピー」でよく使われています。
そして、ひと目見ただけでは「なにこれ矛盾してんじゃん。」となりますが、この世界で矛盾はよくあること──。理屈に合わないことが"そこかしこ"にあります。
例えば恋愛。まあ人間は複雑ですから「好きだけど付き合えない」「愛しているのに嫌い」「好きだからこそ身を引く」といった矛盾が生じています。感情は矛盾を表すのにピッタリですよね!今日あの子が好きでも、明日には嫌いということが平気で起こってしまうのですから!
こういった「好きだけど嫌い」のような矛盾を提示されたとき、読み手は文字としての矛盾に気付き「意味分かんない……」と一瞬思うでしょう。
しかしすぐに「いや……なんか分かるかも……」という漠然とした、言葉にできない理解が背後から忍び寄って来るのです。
こうなってしまえば書き手の勝ちです。矛盾から生まれた様々な気持ち・憶測が『深い意味・理由のない共感』を生み、あなたのなかで深い趣が形成されるのです!
おそるべきオクシモロン……。いや賞賛すべきオクシモロン……。
実際のところ「矛盾」自体は英語でパラドックス(paradox)というので、オクシモロンはあくまで語法です。表現方法ですね。そしてオクシモロンのいいところが、あくまで矛盾しなくても良いということ。
正反対の言葉を組み合わせることもオクシモロンと呼べます。境界線が曖昧なのがまた心地よいですね。
例えば「黒い病室」。病室は清潔さを保つために基本的に『白』が用いられています。ナース服も白が多いですよね。(最近は薄いブルーも見る気がしますが……)そのため白というイメージがあるなかで、黒を提示されるとインパクトが生まれるのです。まるで現実には存在しないような違和感……。技術的には黒い病室を作ることは可能です。矛盾ではありません。あくまで私たちの一般通念とは反対のことを言って衝撃を与えているのです。
英語でも有名なオクシモロンがあります。
スヌーピーでお馴染みのアメリカの漫画『PEANUTS』に登場する、主人公チャーリー・ブラウンがたまに言うセリフです。
good「良い」
grief「深い悲しみ」
「良い悲しみ」とは一体?となるのですが、なんとなく分かってもらえるはずです笑。これ「やれやれ……」って訳した谷川俊太郎さんすごすぎます!!!筆者が無理やり代弁すると、、、
みたいな感じですかね……。
「やれやれ……」の裏に込められた無限の広がりが圧倒的です。
みなさんも、身近なオクシモロンを探してくださいね!もし気に入っているのがあればコメント欄で教えていただけると嬉しいです!!!
See You!