#21 ヒマワリの花言葉は不条理だった
Today's English
"Sunflower" 「向日葵(ひまわり)」
"passion", "enthusiasm" 「情熱」 (文脈で"passion"は「熱愛」になる)
"admire", "long for", "yearn" 「憧憬、憧れ」
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向日葵を見るとどのような言葉を想像しますか?
「情熱」だったり、「憧れ」だったり、もしくは「熱愛」、「あなただけを見つめる」だったり。実際にこのような花言葉があるので、多くの人がポジティブさを感じる言葉を想像するかもしれません。
常夏の間、一直線にそびえ立つ茎のたけだけしさ、太陽を向いて咲き誇る花の旺盛さを見ると、何かと私たちは元気になりますよね!!!
向日葵はポジティヴな花として知られ、そのイメージが私たちに根付いていると思います
けど、しかし、果たしてそうなのでしょうか?
今回はそういったお話です!!!
向日葵といえば、ゴッホの作品が有名です。
1889年にフィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)が描いた『向日葵』(Sunflowers)を鑑賞すると、どんな印象を受けますか?
現在、福岡市博物館で「動くゴッホ展」があっているようです。
なんとなく、力強いポジティヴな意志を感じませんか?
やっぱり向日葵は元気なイメージがあるので、良い印象を感じますね!
でもですね!
実は、ゴッホは元々ナイーヴな性格で鬱病になったり、病気や孤独に苛まれたり、喧嘩で自身の左耳を切り落したりなどと狂気的でネガティヴな一面を持つ人物なんです。1890年には拳銃で自身の胸を撃ち、自殺してしまいました。
このようなゴッホの悲壮あふれた性格を踏まえると、ゴッホの描く「向日葵」が果たしてポジティブなものなのか……という疑問が湧いてくると思います。
ここで、一つ向日葵を別の視点で捉え直してみましょう!
きっとゴッホはこんな感じにひまわりを見ていたはずです。
向日葵とは、太陽に酷似した形をして、太陽に憧れ、太陽の方向を向き、太陽になろうとする花なんです。いくら太陽を憧れても、向日葵は決して地面から動くことができません。地中に根を張っているからです。
毎日毎日、太陽へ羨望の眼差しを向けますが、一歩も動けません。まさに「不条理」です。どれだけ太陽を愛しても、どれだけ太陽に尽くしても、決して太陽になることができない、絶望を纏った悲しき花なんです。
ゴッホの悲劇に溢れた一生を踏まえると、上のような解釈ができなくはないかなと思います。
このような捉えると、普段私たちが持っている向日葵のポジティヴさは一気に壊れることになります。
不条理に苛まれる花、向日葵です。
私たちがいくら顔の整った人物になろうとしてもなれないように、努力をしても生まれ持った才能に勝てないように、世の中にはいろいろな不条理がありますよね。
まさに、ゴッホにとって向日葵は不条理の表れなんです。
今回は持論をべらべらと語ってしまいましたが、このように、私たちは、ある考えをまるで自身で考えたように思っていても、もしかするとただ周りの価値観に流され、あるいは社会通念がそのように思わせているだけなのかもしれませんね。
今一度、私自身も当たり前に新しい光を投げかけてみようと思います。
豆知識
実は西洋では、向日葵の花言葉に「偽りの富」や「偽りの金貨」といった意味もあります。特に赤や紫の向日葵には「悲哀」といった意味もありますね。
See you again!!!!!