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『THE BATMAN-ザ・バットマン-』スピンオフドラマ『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』第8話(最終話)悪魔か救世主か 感想・原作コミックとのキャラクター比較・解説 シーズン総括まとめ ネタバレあり
前回に続き、映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のスピンオフドラマ『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』の最終話である第8話を視聴しましたので感想です。
ついに最終話です!
本作の概要、第1話の感想と登場キャラクターの原作コミックとの比較はこちら
第2話の感想と登場キャラクターの原作コミックとの比較はこちら
第3話の感想と原作コミックとの比較はこちら
第4話の感想と登場キャラクターの原作コミックとの比較はこちら
第5話の感想と原作コミックとの比較はこちら
第6話の感想と原作コミックとの比較はこちら
第7話の感想はこちら
第8話 悪魔か救世主か 感想(ネタバレあり)
話は過去から始まり、前回のペンギンの兄弟である息子たちの死により悲しみに暮れるフランシスをレックス・カラブレーゼが心配して訪れます。
レックスがオズ(ペンギン)について触れるとフランシスは「オズワルドはいつも愛情に飢えていた」と語ります。
そして上着に懐中電灯が入っていたことからジャックとベニーが死んだ所に一緒に居て、フランシスに嘘をついていたことに気づいていました。
フランシスは自分を独り占めするためにジャックとベニーについて黙っていたオズワルドを悪魔だと言います。
レックスはオズワルドをギャングに向いていると言いますが、知らないフリは続けられないというフランシスの様子を見てオズワルドを殺すことを提案します。
フランシスはオズワルドをレックスの管理している「モンローズ」という店に一緒にいき、そこでレックスにオズワルドを殺してもらうつもりでしたがオズワルドのフランシスの夢を叶えると言う言葉で殺すのを止め、オズワルドに自分にいい暮らしをさせると約束させるのでした。
1話からペンギンと母フランシスの関係は描かれてきましたが、実はフランシスはジャックとベニーの死にペンギンが関わっていることを知っていてそれをずっと知らないフリをして生活してきていたということですね。
そしてペンギンもずっとそれを隠し続け、母親からの愛を独占していたということです。
互いに心を開いているように見えて実はお互いに嘘をつき続けていたのですね。
話は現代に戻り、目を覚ましたペンギンは拘束されて母フランシスと対面させられます。
ジュリアンの催眠療法によりフランシスから兄弟の死を聞いていたソフィアはフランシスがレックスに頼んでペンギンを殺そうとしていたことを暴露します。
そしてフランシスの指を切り落とされたくなければ兄弟の死の真相をフランシスに話せとソフィアはペンギンに脅します。
じわじわとフランシスの指は切られていくのにペンギンは全く話そうとせずソフィアも困惑します。
そんなペンギンにさすがにフランシスもブチ切れ。
「私の指がなくなるだろ!いいから認めなさい!私はとっくに知ってる!」
と言い、兄弟の死の真相を昔からずっと知っていたことを伝えますが
「いや嘘だ。混乱しているな。病気のせいだ。」
とそれでも認めないペンギン。
それに怒ったフランシスは兄弟を殺したペンギンがずっと憎かったと告白します。
母親の身よりも自身の嘘を優先するペンギンにソフィアもドン引きして拷問をやめます。
そしてペンギンが本当は母親を大事にはしてなく、傷ついても何も感じてないことに気づくのでした。
フランシスもペンギンに対する鬱憤を吐き出し、ビンを割ってペンギンの腹に刺し、悪魔だと罵ります。
フランシスにはペンギンが子供のころの姿に見え、さらに死んだジャックとベニーの幻覚も見えて倒れてしまいます。
ソフィア達が困惑しているうちにペンギンは拘束を解いて銃を奪い倒れたフランシスを連れて脱出をしました。
脱出の際に前回殴られたゴッサム市警の汚職警官もちょっと遠い距離からヘッドショットします。すごいエイムです。
ペンギンはフランシスを病院に連れていき、刺された腹を自分で治療します。(痛そう)
腹の脂肪が厚かったためか、あんまり深い傷にはならなかったようです。
そこにビクターも合流しますがドラッグと部下を失い、フランシスとの関係も壊れペンギンは「俺には何も残っていない」と悲しそうに言いますが「そんなことない」とビクターは否定します。
ペンギンはクラウン・ポイントの住民に仕事を与え、電気を取り戻し尊厳を与えたとビクターは鼓舞します。
そして「生きるんだよ!じぶんらしく!」との言葉にペンギンも笑顔を見せ立ち上がります。
ペンギンを逃がしたソフィアはギャング達を集めてペンギンを見つけた者にゴッサムシティの支配権を与えると言います。
一方でペンギンは市庁舎に来て、6話で脅してクラウン・ポイントに電気を復旧させたヘイディ市議に会い、クラウン・ポイントを爆破した犯人であるソフィアの情報を流して市議と警察を味方にします。
ソフィアがフェンからペンギンを捕まえたとの連絡を受け、フェンの元に行くと確かにペンギンが捕まっていましたがその場でフェンの組織のナンバー2であるリンクがフェンを裏切り、逆にソフィアが捕まります。
ペンギンはソフィアを車で連れて行く際、どうやってリンクを裏切らせたのか聞きますがペンギンは「ひとかどの人間になるチャンス」を与えたと答え、他のギャングでもボスに対する下克上が起こっていました。
ペンギンはソフィアを波止場に連れていき後ろを向かせて銃を向け、ソフィアは覚悟をしますがペンギンは消え、ゴッサム市警が来てソフィアは捕まるのでした。
ここのペンギンの演技が迫真すぎて直前でヘイディ市議と交渉しているの忘れてペンギンがソフィアを殺すと思ってしまいました。
というかソフィアは死ぬと思っていたので捕まって生き延びたのに驚きました。
ペンギンは病院に行ってフランシスに会いに来ますがフランシスは脳卒中の後遺症で植物状態になってしまいペンギンに何も反応しなくなってしまいました。
「母さんのために全部やったんだ!」とペンギンは嘆き泣き崩れるのでした。
ペンギンとビクターは2人でベンチに座り、嘆くペンギンをビクターは慰めます。
「許してくれるかな?」「何を?」「・・・さあな。何もかもだよ。」
これはペンギンが兄弟を殺したことだと思うのですが結局ペンギンは言葉を濁し、ビクターにも本当のことを言わないのでした。
「運命なんて信じないが、会えて良かった」と言ってビクターに腕を回すペンギン。
しかし「家族は重荷になる。」「弱点になる」と言ってビクターの首を絞めて殺します。目には涙が浮かんでいます。
ペンギンは殺したビクターの財布から金を取り、ビクターの免許証を数秒見つめて川に投げ捨てるのでした。
ソフィアは再びアーカム・アサイラムに収監され、ジュリアンもアーカムに復帰していました。
心を閉ざすソフィアの元に届く手紙の中にはセリーナ・カイルからの手紙があり、ソフィアの異母姉妹だとジュリアンは告げます。
セリーナからの手紙を読んだソフィアは微笑むのでした。
ゴッサムシティの裏社会のトップになったペンギンはゴッサムシティを一望できるマンションのペントハウスを手に入れ、そこに植物状態の母フランシスをベッドから景色が見えるようにしていました。
ペンギンは母との約束を果たしたのです。フランシスは涙を流します。
ペンギンが下の部屋に下りるとそこにはイブが居て、ダンスをしながらペンギンはイブに母から言ってほしかった言葉をイブに言わせるのでした。
画面が引かれゴッサムシティの広げる夜景の中、バットシグナルが空に灯りザ・ペンギンの物語は終わるのでした。
いや、ビクターがかわいそう!!!!!
8話かけてじっくりペンギンとビクターの関係を築かせておきながらこんなバットエンドなんて・・・
ひでぇよ・・・
ショックです
でもまあペンギンはゴッサムシティのヴィランだしな
というわけで『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』の感想をまとめます。
『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』まとめ感想
ペンギンについて
ペンギンなんていう可愛いあだ名に反して愛に飢えた獣でした。
とにかく自分の事しか考えてなく、平気で他人を犠牲にします。
1話でも2話でも自分が助かる為に罪を他人に着せ、敵対した相手にも容赦ありません。
自尊心も高く、バカにした相手は兄弟だろうが手を出してはいけないギャングの上層部だろうが殺します。
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』でもファルコーネにペンギン呼ばわりされて激昂して衝動的にファルコーネを公衆の面前で殺害しようとしていました。
一見母親の為に行動していたように見えましたが実態は母の願いを叶え、それにより母の愛を得ようとしていただけなのでした。
自分を慕い、たくさん助けてくれたビクターは弱点になるという理由で殺した一方、裏切ったイブに対しては母親の代わりに褒めてくれる存在として傍に置くなど、とにかく愛に飢えています。(いい歳したおっさんが年下の女性に母親プレイさせてるみたいで正直ちょっと嫌だった)
イブも本当はペンギンを愛してるわけではなく、権力と金があるからすり寄っているだけでしょう。
本当の味方はビクターだけだったのに、ペンギンは自らの手でビクターを殺してしまいました。
ちなみにこちらの記事でラストのペンギンとビクターのシーンについて色々語られています
ペンギン役のコリン・ファレルも「やりたくなかった」とのこと。
というか個人的には首を絞めて失神しただけでワンチャン生きてないかな~と思っていたのですがしっかり殺されていました。
しかしペンギンがビクターを殺したのは本当に愛していて、自身の弱点になると思ったからとのこと。
悲しすぎる。
殺したビクターの財布から金を盗むのも、小物感があってあれなんですけどまだまだペンギンは発展途上だと思いました。
また本作では市議との繋がりも持ち、ファルコーネのようにゴッサムシティの表も裏も支配しようとする欲望に駆られるでしょうね。
ペンギンはゴッサムシティの狂ったヴィラン達の中で正気を保っていると言われていますが本作のペンギンは十分サイコパスなヴィランなのでした。
ペンギンを好きにさせておきながら最後に嫌いにさせる、見事なシナリオでした。
バットマンにボコボコにしてほしいです。
ソフィアについて
本作のメインの敵キャラクターとして原作コミックとは違う形で描かれていました。
原作コミックでは父カーマインやファミリーを重視していたのですが原作と違いカーマイン・ファルコーネのゲスさが増しているのでソフィアはファルコーネファミリーを壊滅させ、結果的にゴッサムシティのギャングはほぼ壊滅しました。
ちなみに原作コミックではソフィアがハングマン(首吊人)の正体でしたが本作ではハングマンの正体はカーマイン・ファルコーネであり彼は映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』でもセリーナの母親、アニカ、そして娘のセリーナを首を絞めて殺害しようとするなど女性を殺す時は首を絞めて殺すのが好きなようですね。
冤罪によりアーカム・アサイラムに10年も投獄されたと考えるとかなりかわいそうな立場でした。
結局またアーカムに戻りましたが、ソフィアに心酔しているジュリアンがアーカムに居るんだから脱獄はかなり簡単そうに思えます。
本作では数少ない生存できたメインキャラなので今後のシリーズで何かしらの形で登場してくれると嬉しいです。
登場人物紹介・原作コミックとの比較(ネタバレあり)
セリーナ・カイル(キャットウーマン)
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のヒロイン。
かつてはペンギンの経営するアイスバーグ・ラウンジで働いていた。
キャットウーマンとして泥棒していたりバットマンと良い関係になっていたが映画のラストでゴッサムシティから去って行った。
実はカーマイン・ファルコーネの娘なのでアルベルトとソフィアの異母兄弟、異母姉妹となる。
つまりペンギンはセリーナにとって異母兄弟を殺し、異母姉妹を投獄した相手にもなる。
最後にソフィアに渡した手紙の内容は不明だがソフィアの表情から希望の光を与える内容だったようだ。
原作コミックでは
『バットマン:イヤーワン』ではカーマイン・ファルコーネの顔に傷を付け、続編である『バットマン:ロング・ハロウィーン』ではブルース・ウェインと交際しながらキャットウーマンとしても活動している。
最後はトゥーフェイスの一味に加わりファルコーネ・ファミリーを襲い、カーマインがトゥーフェイスに殺されたことで発狂するソフィアをなだめようとしていた。
『バットマン:ダークビクトリー』でもトゥーフェイスへの復讐心に憑りつかれているソフィアを気にかけ、執着している面もある。
最後にソフィアに執着している理由がセリーナがファルコーネの娘であり、ソフィアの異母姉妹だからというのが明かされた。
まとめ
ペンギンはバットマンのヴィランの中でも特に好きなキャラクターでさらに好きなエピソードである『バットマン:ロング・ハロウィーン』と『バットマン:ダークビクトリー』の登場キャラクターが多く登場するということもあってそれだけで嬉しかったですね。
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』の世界観に合わせてキャラクターの設定や性格の変更はあれど、特にソフィアは美しく冷酷でありつつも本来の情を捨てきれない所も良かったですね。
ペンギンがマザコンというか身内には優しいというのは海外ドラマ『GOTHAM(ゴッサム)』でも描かれていましたがあちらは野心が強く頭が回る切れ者として描かれていましたが本作では愛に飢えた獣のように描かれていて個人的には新しいペンギンの姿でした。
本作が魅力的だったのはビクターの存在が大きかったと思います。
ビクターがいなければ単なるギャング同士の権力争いにしかなりませんがペンギンとビクターの交流の中で描かれるビクターの成長と関係の変化はとても良かったです。
シナリオ的には最後はペンギンが勝ち、ソフィアが負けるというのは予想できます。予想できないのはビクターの展開で、最後までペンギンに付いていくのか、離れるのか、誰かに殺されてしまうのか・・・。
結果としては予想を裏切ってペンギンに殺されてしまいました。
ゴッサムシティの中でも治安の悪い地域に生まれ、豊かではないが家族と恋人とのささやかな生活をリドラーのテロによって奪われ、悪の道に進みドラッグの売人や殺人を犯してしまいました。
恋人とゴッサムシティを出ることも出来ましたがビクターはペンギンを選び、そして最後は信じていたペンギンに裏切られ殺されました。
結局ペンギンは悪のヴィランであり、身近な者たちを不幸にする存在なのです。
そんな彼らを倒せるのはゴッサムシティのヒーローであるバットマン達だけなのです。
今後の展開について
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は続編の制作が決定していて本作を踏まえた作品になるとのことです。
もし次回作にペンギンが登場する時はゴッサムシティの裏社会のトップとして登場するでしょう。
ちなみにザ・ペンギンのシーズン2の制作は未定ですが主演のコリン・ファレルはシナリオが良ければ出演するとのことです。
仮にシーズン2があったときの妄想ですが、個人的にはブラックマスクが敵として登場すると嬉しいですね。
ブラックマスクはペンギンと同じくゴッサムシティの裏社会を仕切る存在なので。
ブラックマスクは映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』にもボスキャラとして登場しているのですが・・・なんかしょぼく感じました。
まあ原作コミックでも若干小物なんですが、もしシーズン2があって登場するならもう少し大物感あるキャラとして出てほしいですね。
また、実は本作の中に次回のヴィランのヒントがあるなんて噂も・・・
たしかに見直すと4話のジュリアンのオフィスにスケアクロウのマスクと手袋に似た者があります。
じゃあジュリアンがスケアクロウなの?・・・それはちょっと嫌だなあ。
スケアクロウといえば映画『バットマン ビギンズ』のキリアン・マーフィーのイメージが強いので。
まあ単なるお遊び的なものかもしれませんが。
とにもかくにも映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』の続編、または同じ世界観のスピンオフ作品があればとても楽しみです!
というわけで『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』第8話の感想等諸々でした!
読んで頂きましてありがとうございました。
ラストシーンで映るバットシグナル
たったあれだけなのにあの世界でバットマンの存在が示されてとても嬉しかったです。
最後に映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』でバットシグナルについて語るバットマンの言葉で締めさせていただきます。
必要な時に俺を呼ぶシグナル
夜空に浮かぶ光はただの合図じゃない
警告だ