手描きバティックをつくる人たち(2)
蝋描きを担当するisenとtembokの職人さんは、大きく分けて2つ…
(1)工房に出勤して日当制で蝋描きをする職人さん
(2)自宅で仕事を受けて請負制で仕事をする職人さん
例外はもちろんありますが、通常、高級なバティックは各工房で日当制の職人さんによって製作されています。彼女たちはターゲットがないので、のんびりマイペースで蝋描き。おしゃべりばかりしてCantingが動いていないと注意されますが、一日作業して少ししか進まなくてもあまり問題になることはありません。バティックの信じられないような繊細な線や点、Tembokのwit(追って説明します)はこのような悠久な仕事から生まれるものです。一方で、日当x日数という工賃計算になるので、バティックの価格は高くなってしまいます。
請負制で仕事している職人さんは、小さな子供がいたり、年を取って日当制で細かいものを描くのはもう無理だったり、昼間は別の仕事をしていたりと状況は様々です。
稀に細かいisenを描いたり、丹誠はtembokをする人も見られますが、同じ手描きでも大き目のCantingで描かれるそれほど高額ではないバティック、また型押しバティックの色分けなどスピードを要する仕事になります。早く仕上がれば工賃が貰えるので、効率が大事です。多くの人の手に届く価格帯の手描きバティックは、主に、このようにして作られています。