「伝聞お絵描きゲーム(仮称)」をやりませう!
「伝聞お絵描きゲーム」という遊びをやりました。やりましたっていうか作ってみました。今のところだいぶ好評なのでみんなにやってほしい。
ルール説明
基本となるルールはこちら。
では実際の例を見てみましょう。
・一つ、大きな骨がある。
・人間に食べられる機会も多い。
・小さい種類から、とても大きいものまでいる。
・やわらかい
・目玉が二つ
というお題で描かれたものがこちら(絵チャを使って上下に分けました。)
上がtnhr画、下が檜山。(出題者:リツコ)
上のtnhr絵の説明を思い出しながら書きますと、
「未来、youtuberだけが住むどうしようもない島の海に、落とされた伝説のyoutuberヒカキンの遺骨。そこにyoutuberたちが垂れ流す生活ゴミが大量にくっついて、徐々に意思をもちはじめた存在。画像はまだ初期段階だが、しだいに島全体をのみこんで一体化する。youtuberたちはそれを食べて生活するようになる」だそうです。ツッコミどころだらけだけど次行きますね。
で、檜山の方は
「ヴィーガン的な価値観が標準化した未来。バイオテクノロジーを使ってかつてあった肉を再現するプロジェクトが行われた。しかし哺乳類を殺すことは許されないので、昆虫を遺伝子改造して作ることになった。そうして生まれたのが萬画肉虫である。食肉文化の衰退した未来人にとって肉と言えば古文書(ONE PIECEなど)に登場するマンガ肉であった。そのためこのような形がもっとも肉っぽいと考えられた。骨のようなものも焼いたような跡もすべて昆虫の外骨格が変化したもので、この姿が完全な姿である。しかし食品としてのブームはすぐさって、ペットとしての需要があがる。」
なぜかどちらも「微妙に嫌な未来」なのはたまたまです。で、実際に出題者(リツコ)が何を想定していたかというと…、
イカでした!
という感じで、かなり描けるものに振れ幅がうまれて、なおかつ完全な自由お題で描くよりも想像力が刺激される、我が思い付きながらいいゲームだと思います。
すべき説明はこれで以上なのであとは細かい説明とほかの解答例を載せていきます。
着想のきっかけ
これを思いついたのは絵巻物をたろおみさんに布教していたときでした。
前にnoteで紹介した絵巻物データベースには妖怪だけでなく『禽獣図巻』という珍しい動物を紹介する絵巻もあるんです。カッパも描かれているので当時的には妖怪と明確な違いはないのでしょうけど。
そこに描かれた生き物は、おそらく伝聞と想像力を合わせて描いてあって、なまじ実際の珍獣以上に面白い。
謎のカメと人面魚。
だいぶそれらしくかけているんだけど、トゲが多すぎてかっこいいワニ。顔もヘビっぽくていい。
このカイオーガみたいな足のアザラシはなにか神聖な感じ。
特にこのサイが本物以上にかっこいいという話になりました。
このアレンジを、実際のサイを知っている現代人が描けるかというとなかなか難しい気がする。
じゃあ「この絵巻作者の状況を再現したらいいんじゃないか?」と思いついたんです。それでこのゲームができました。だから面白い「嘘の動物」を作り出すことが本来的な目的です。
初回の様子
で、そのときは二人だったんで、お互いにお題を出し合って相手のお題に応える形にしました。
で、たろおみさんが出したお題が
・腹が白い
・口が大きい
・手足は4つ
・縞模様
・表面はテカテカしている
・顔と体が1:9くらいのバランス
で、私が描いた絵が
これで「トカゲがカメに進化する過程の動物」という想定でした。
で、実際に想定されたのが
このトカゲでした。
対して私が出したお題が
・体に対して頭がめちゃくちゃデカくなる
・せつなげな目をしていて、目の周りは泣きはらしたように赤い
・口は出っ張っているが、やわらかい(とんがってはいない)
・体毛は薄いが、足の周りには密集している
・脚は4本よりも多い
・飛べない
・口から吐いたもので家を作る
というものでした。
それでたろおみさんが描いた答えが
これ、ゲロゾウ。ピンクの唾液で家を作るそうです。子供が唾液まみれになっていてかわいい。
で、私が想定していたのは
クワコと呼ばれるカイコガの原種でした。
できた絵は面白かった(特にゲロゾウ)のですが、ちょっと実際に想定していた生き物がなんとなく想定されちゃうところがありました。「足が4本多い」と言ってしまうと虫かタコ系くらいに絞られちゃったりしてしまう。
ということで、あんまり形態については言及しない方がいいのではないか、とか「〇〇できない」は言わない方がいいのではないか、みたいな出題時のコツが見えてきます。
派生形もありうる
・動物じゃないバージョン
このゲーム、別に元を当てることはどうでもいい(というか当てられないほうがいい)ので、もともとは動物ではないものの特徴を言って、そこから動物を描いてもいいのではないか?という話になりました。
ということで
・脚的なものはある
・動きます
・人間より大きい
・声はよく発生させる
・ヒヤマは殺せない
・硬い
・生息域:かつては全国
・全盛期:おじいちゃんおばあちゃんが、子供のころ
・飛べない
・なにかんがえているかわからない顔
・うるさい
というたろおみさんが出したお題をもとに私が描いたのがこちら。
「かつて干潟に生息した巨大なトゲ付きのハゼ」になりました。
で、実際には
蒸気機関車でした。お題と見比べるとどちらも条件を満たしております。(蒸気機関車の全盛期はもっと前な気もするがそこはご愛敬)
で、対して私が出したお題は
・人間に似た顔
・人間よりでかい
・ちょっと浮くくらいならできる
・それなりうるさい
・若者にも老人にも人気ある
・家では飼えない
・ヒヤマは殺せない
・薄くない、臭くない
・日本にはほとんどいない
・硬い
・水に入れない
・派手な色
・人を殺したことはない
というお題でたろおみさんによって描かれたのがこれ。
「虹くん」。
で、実際に想定していたのが
動くガンダムでした。二足歩行とか言ってないのに思いのほかガンダムっぽくてびっくりした。
ちなみにこのときお題の出し方も変えていて、いわゆる「ウミガメのスープ」や「akinator」方式、つまり回答者が「動きますか?」みたいな質問をだしてその答えから探る方式をとりました。これは失敗でしたね。そもそも正解がわかるとつまらないゲームなので、「核心をつかないが、面白い特徴を引き出す質問」をしないといけないため、非常に難しい。
怪獣版
で、次は出題形式をもとに戻したうえで怪獣版をやりました。
・四つ足の獣
・首からなにか植物に似たなにかが生えていて、においをまきちらす。
・頭からも刃のような葉が生えていて、それで敵を攻撃する。
・目は深紅。
・大きさは人間とそう変わらないが、人間よりはるかに強い
・まださらなる強化を秘めている
というお題でたろおみさんが描いたのがコレ
とうもろこしみたいな質感が特撮的リアリティがあって不気味ですばらしい。
実際に私が想定していたのはポケモンの「ベイリーフ」でした。
対してたろおみさんが出したお題が
・手足が10本
・二足歩行
・目が赤い
・数万キロ先まで見える視力
・爪の先からテレパシーを出す
・顔がでかい
・ちょっとかわいい
・黄緑色と茶色
で、私が描いたのが
こちら。優しいんだけど都会では人間の迷惑になってしまう哀しい生き物(子供と通じ合える)タイプの様式美。
で、実際に想定されていたのは
『帰ってきたウルトラマン』に登場するザニカでした。
・・・「ちょっとかわいい」か?
って最初見たとき思ったんですけど今見るとちょっとかわいいな。
という感じでいろいろ派生形もやれるかなと思いました。特にキャラクターでもいいような気がする。たとえば『咲saki』の原村和なら
「頭脳派の麻雀狂で、女子高生のことが好き。むっちりした体をしている」と言えるわけですが、単純に描いたら太ったオッサンにしかなる、みたいなことが起こせるんじゃないか。
一緒にやってくれ!
通話さえできれば絵は紙に描く形でもいいし、大変やりやすいゲームだと思います。重要なのはキャラとしての面白さなので画力がなくても大丈夫!
やる人は多い方がおもしろいと思うので、ぜひ一緒にプレイしてください。
あとこの遊びのいい名前があったら教えてください。
追記:discordサーバー作りました!
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おまけ:ほかの例
リツコ出題、tnhrと檜山が描いた回(動物オンリー、出題形式も通常)の別な作品。左上のモノクロの落書きはお題が出るまでの落書きなので気にしないでください。
この二つの絵からもとになった生き物わかりますかね?
答えはツノゼミでした。
お題は
・臭さから恐れられる生物の仲間
・体から、意外にも様々な角が生えており、マニアもいる。
・飛行可能
「臭さから恐れられる生物の仲間」というのはカメムシの仲間って意味だったんですが、二人ともなんとなく臭い動物を描いてしまいました。いいひっかけだ。
にょ