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開園前の西武園ゆうえんちを見に行った!高まる期待と不安要素
西武園ゆうえんちという所沢と東村山の中間地点にある遊園地があります。昨年11月からリニューアルのため改装中で、今年の春にリニューアルオープン予定ということで、開園直前のそれを外から見に行きました!
が、こんな感じで開園できる状態にはないことは素人目にもわかり、ほどなく延期が発表されるのではないかと思いました。
とはいえ進んでいるところはだいぶ工事が進んでいて、しかもけっこう間近で覗けたので感想を書いていきます。
昭和風テーマパーク
リニューアルのキャッチコピーは「昭和の熱気を遊びつくそう」ということで、主に1960年代の懐かしい雰囲気を再現したテーマパークになるらしい。
新造される昭和風の建物がメインストリートになり、それに対して本当に年季の入ったアトラクションがそのままガチのレトロ感で迎えるということらしい。あと昭和をテーマにした大型ライドも一つできるらしいが、限られた予算でテーマを作り出す妙案だと思うし、『クレヨンしんちゃん』の『オトナ帝国』好きとしては目が離せない!
これがホームページから引用したキービジュアル。ステレオタイプが凝縮されすぎているのが、マジでオトナ帝国みたいでちょっと怖い。けど、そういったエセ戦後感みたいなのは意識的にやっているらしく、大型ライドのプロデューサーには山崎貴が就任しているらしい。
実際の出来
で、上掲の絵の左に描かれている映画館はすでに完成しており、遠目にもわかりやすくそびえ立っていました。
遠目にはだいぶいい出来していますね!
ディズニーランドならこのくらいの距離感の画像でもリークとして成立しそうなものですが、西武園ゆうえんちは普通に誰でも入り口前まで近寄れるのでもっとデカく撮れました。
おお、めっちゃいいじゃん!
肉眼で見ても昭和の建築物にしか見えませんでした。特に夜に見に行ったときは圧巻でした。
で、その手前に映っているのがおそらくチケット売り場。
ディズニーランドが30列分くらいチケット売り場を用意しているのに対しこちらは8つしか販売窓がない。ネット販売が盛んに行われる時代ではあるが、まぁなんというか節度を感じる設計ですね…。(一応もう一つ出入り口があります)ともあれ、いい感じの雰囲気にはなっていると思う。
で、そこから右を向くと新造された正門が。
電車の高架風のデザインはなかなか渋い。
メインストリートは…
さて、上の画像からもチラッと見えている通り、この入り口からメインストリートである商店街も見えました。パークの顔とも言える場所だが…?
うわ…。
なんだろう、このコレジャナイ感……。
まず目を引くのは「1960年代」というテーマからはめちゃくちゃ遠い、アールのついた、天井の低い屋根でしょう。
これはもともと、こういう感じに雑多なものが置かれたエリアに雨よけ的に使われていたアーケードをそのまま使用しているのである。
見ての通り、もともとはメインストリートとして使われていたものではないです(そもそもリニューアル前の西武園遊園地にはメインストリート的な導線はなかったはず)。今回正門があるところはもともと西門と呼ばれるもう一個の入り口があった場所だった。詳しくはないが1980年代に行われたリニューアル時に作られたのではないかと思う。
それがリニューアルされた遊園地のメインストリートの、1960年代を表現するエリアになぜか堂々と残っているのである。なんでやねん。
いやこれ、オープン前に外すってことはないよな…?そんな『PLANET COASTER』みたいな作り方できないですよね。
しかも恐ろしいことにこのアーケードは2017年に火災を起こして半分くらい燃えているのである。
それを補修してわざわざ使い回すってどれだけ予算が無いんだ…。いや、予算がないにしてもここは是が非でも作り直すべきところなのでは…?それかせめて塗り替えくらいすべきだったのでは…?(これから行われるかもしれないが)
ちなみに現在のホームページで休園前のマップを見ると、この火事画像に映っている小さなアトラクションたちは無くなっていたらしい。昭和くささがピカイチなので移設されてほしい。
で、話をもとに戻すと「商店街」の違和感はほかにもあります。ということでさっきの画像に書き込んでみた。
好き勝手書いたが、まだ開園から遠い状態なのでこれから変わるかもしれないものであることと、門の右端から撮ったものであること、あと色調補正をかけていることがあるため、正確な指摘では一切ないことをご承知ください。
特に右の「側面が丸見え」っていうところには、キービジュアルと同じようにバイクがあり(いまはカバーがかけられている)、そんな感じでこれからいろいろ装飾が足される可能性が高い。
しかしむき出しのコンクリートと平成すぎる屋根のどうしようもなさはいかんともしがたい気がする…。地面は上からタイルとか貼れるかもしれんし、杞憂に終わってほしい。
ちなみにこの記事3枚目の画像の手前に映っている家並みが商店街の裏側である。肉眼で見た感じはよくできていたと思う。昭和前半に特徴的な、看板建築様式がちゃんと再現されている。だからこそ謎の屋根が惜しい…。
内部の情報は以上だが、入口には路面電車が設置されていた。
長崎電気軌道という長崎の路面電車が保持していた車両を都電風に塗り替えて展示するらしい。
工事の方々がアスファルトにいろいろ細工していたので、もしかすると線路の再現をするのかもしれない。
ディズニーシーにも偽の路面線路の廃線があるのだが、あれ好きなんでぜひやってほしい。
ディズニーシーアメリカンウォーターフロントの路面電車廃線跡っぽいもの
— 大町パルク (@oomatipalk) February 25, 2017
分岐器のクロッシングが適当なのは、こんな人間が来ない限り気づかれないからOKでしょう(笑)
廃止の代わりに高架鉄道ができた設定なので、線路の一部が高架橋の柱で削られています pic.twitter.com/CBbD765Qrs
(ネットで見かけた鉄オタのツイート)
まあそんな感じで期待と不安の入り混じる感じの西武園遊園地。最後にいちばん思ったことを書きます。
『たてもの園』に負けないかな
東京都西部には「江戸東京たてもの園」という、モノホンの江戸~昭和の傑作建築を移築、維持している最高のスポットがある。国立の文化事業としてやっているだけあり、気の狂った出来の良さを誇っている。(現在はコロナで休園中)
それと建築の出来だけを比べると話にならない感じがする。もちろん博物館とテーマパークじゃ全然違うものだけど。
先述の路面電車について西武園遊園地のホームページでは「博物館でしかお目にかかれないような路面電車が停まる」と書かれているのですが、その博物館というのの一つが江戸東京たてもの園なのである。
で、西武園ゆうえんちの路面電車が長崎の路面電車を都電風に塗り替えたものなのに対して、たてもの園はマジの都電なのだ。(これ以下の画像はすべて2019年にたてもの園に行ったときのもの)
ほかにも1950年代に使われていた都バスが可動する状態であったりする。
そしてメインであるたてものはすごい。
内装も凝っているし、外装も全周つくりこまれている。
で、このたてもの園、直選距離で言うと西武園遊園地から8.5kmしか離れていないんです。近い距離に古い建物に着目した園が二つもできるなんて、俺得すぎる。
ただ、そんなに競合するものではないとしても、たてもの園行ったことあると、あくまで「再現」である西武園ゆうえんちの建物は霞んでしまうんじゃないかと思ってしまいました。
しかし「再現」である方にも強みはあります。国の指定遺産などではない遊園地なら、建物を活かした飲食店経営や損傷のリスクがある催しなども開けるでしょう。(たてもの園にもレトロ建築を用いたカフェはあるが、大半の建築にはそうした利用はない)
なので、これからの企画力次第では西武園ゆうえんちもめちゃくちゃ面白くなるんじゃないかなという期待も抱きました。
オープンしたら最速で行って感想をうpしたいと思います。ハードルはそんなに上げない方がいいとは思ってしまったけど、ノスタルジーのテーマパークができることはとても楽しみだ!
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