イスタンブール旅行記 day5
朝、海峡を渡るために初めてフェリーに乗った。
イスタンブール人に欠かせない足だ。
フェリーから拝む朝焼け。明るくなるのは7時を回ってから。とても遅い。
今日は、アジアサイドへ。
目的は2021年に完成した世界最大のモスクがある丘(チャムルジャの丘)に行くこと。
現大統領エルドアンの政策の一環として、丘を開発中らしい。
(エルドアンって20年も大統領やってんだ。)
当時は、周りの環境を壊してまでモスクを建設するかと市民から猛烈な抗議があったようだ。
これがそのモスク。
写真では伝わらないけどデカかった。
政治家の権力誇示のために作られたとしか思えない異様な大きさ…。
みんな礼拝に来るのだろうか。
丘の上からの眺めはサイコー。
モスクの横で工事をしていた。
巨大な穴を掘っていると思ったら、地下鉄を通すみたいだった。
現在、丘への往復はバスのみだったので、イスタンブールで初のバス乗車。
時間は守ってやってくるけど、列から外れると容赦なく発車されて乗り過ごす。
ちょっと遅れた客は絶対に待たない。
逃すまいとみんな必死!!
帰りのバスで、バス停の位置がよく分からず困っていたら、おばさんが声をかけてくれた。しかし、頑なにトルコ語で話てくれる。
こんなときこそ!Google 翻訳にトルコ語を訳してもらう。
大体仰る意味がわかるぞ・・・!
私が乗るバスは何分後に着くか?乗ってからあと何駅で着くのか?運転士さんにも告げてくれ丁寧に教えてくれた。
最後にお金を要求されたりしないかな〜と思っていたら、ただひたすらに優しい方だった。
人を信用するのが難しくて悔しい。
続いて向かったのは、「7月15日記念館」。
7月15日とは、2016年にトルコ各地で起きた大きな軍事クーデタの日付らしい。
市民含め250人が亡くなったというから、当時は相当なニュースになったと思うんだけど、私は全く知らなかった。
主犯は、フェトという人物が率いるテロ組織で、何年もかけて国のさまざまな機関に仲間を送り込み、満を辞してクーデタを起こしたようだ。
フェトって人が自分のほしいままに権力を握りたくて起こした事件で、もしかすると彼には欧米の国からなんかしらの支援もあったのかもしれない・・・?
最後は一般市民が祖国を守るためにと、丸腰で戦車を止めるなど、テロ組織の暴動に体を張って立ち向かって鎮めたというが、まじ??
相手は戦車や爆撃機だぞ。
自分の命より祖国?宗教的感情から来るものなのか、愛国心…?
勉強していないのでよくわからないが、トルコでは過去に国を乗っ取られそうになった危機が何度もあったのかもしれない。
私は国を失うことの恐ろしさがよくわかっていない。
博物館の展示、次のフロアを見ると、帝国主義の罪について、よく書かれていた。
今回みたいなクーデタや暴動が起きるのも、欧米諸国によってもたらされる帝国主義によるものと言いたいのかな…?
新大陸発見〜戦争によってヨーロッパの国々が机の上でピャーっと引いた線が植民地の国々の国境になり今に至る。
現在の帝国主義は、第三世界でテロや紛争を起こして国を崩壊させ、帝国側に経済的・政治的に依存させ支配するという手口を使う。
イスラム圏の国々もこの被害にあってきた…と。
欧米諸国への恨みがすごく伝わってくる内容。
ちなみに、この施設は国が管理運営している。
解説は全てトルコ語で書いてあるので、Google翻訳は必須。
街の方まで降りていくと、のどかな風景が。
クズクンチュクという街。
男の人たちが新鮮な野菜を売っている。冬なのにビビットな夏野菜が美味しそう。
女の人たちは手作りのアクセサリーを売る。かぎあみしながらお店番をするおばあちゃんたち。
ユダヤ人やキリスト教系の人たちも住む街らしく、ちょっとヨーロッパの雰囲気がただよっていた。
晴れの日は最高ですね。
歩き疲れてロカンタ。
イスタンブールのオアシス。ありがとう。
今日はレンズ豆のチョルバ。
牛肉ソテーにライスもつけてもらった。
スープとパンだけでも十分だけど、並ぶ惣菜が美味しそうで、ついつい手が出ちゃう。
夜は旋回舞踊を観に行った。
正直、祈りの儀式を観光客として消費することにものすごい抵抗があったけど、それがどういうふうに行われているのか?観光用の見せ物として儀式がどう行われるのか知りたかった。
奇妙な踊りだった。
観光用の見せ物にしては地味というか…みんなどんな気持ちで見ていたんだろう…。
くるくる回って瞑想しているようだけど、どう見ても苦行にしか見えない。
でも、回り終わった後、スッと直立していて、帰りもスッと歩いて帰っていた…すげえ・・・。
バレリーナみたいに首から回っている感じでもないので、鍛えてああなったのか?目をつぶったままだと平気なのか。
踊りに関する説明は何もなかった。
観客も、どう反応していいのかよく分からない様子だったけど、イスタンブールに来た記念にという感じで観ていたのかな。
帰り道、路面電車に乗っていたら、私の前に座っていた学生カップルが話しかけてきて、突然、私たちが書いたポエトリーです、どうぞ!と言われ…うわ〜またきたよぼったくり。
どうやってかわそうかなと考えていたら、フリーです!どうぞ!と言われるので渋々受け取った。
ロボトミーというタイトルの冊子で、中には2人が交換日記のように詩やエッセイを交わした様子が収められていた。
もちろん、トルコ語なのでGoogle翻訳してホテルで読む。
ロボトミーって知らなかったけど、精神病患者の脳の一部を破壊して人格補正する手術のことを言うんだ。
それをタイトルにしているだけあって、若いお二人の生死に関わる悩みが赤裸々に書かれていた。同世代ということもあって、少し共感するところもあったけど、死にたいとか薬を飲まないようになりたいとか書いていたから、なんかしらの精神疾患を抱えていたと思う。どうか病みすぎないでほしい。
というか、大勢の乗客がいる中で、なぜ私に渡した?私もそんな雰囲気を醸し出してたのか、観光客っぽいから物珍しさで受け取ってくれるっしょ、という軽いノリか。
内容はどうあれ、自分が作ったものを電車で知らない人に渡すというのは、方法として面白いなぁ。互いの顔が見えるし、ネットみたいに埋もれないし。
こういうのが、海外に来ると起こるので面白い。
私も書いたもの・描いたものがあったら持ち歩いとこう…😌
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?