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旅の記憶 1994・夏 小さな村へ



30年前の夏
僕はペシャワールにいた

カイバル峠のガイドを申し出てくれたパパ氏
最初は半信半疑だったが
結果的に彼の案内で僕たちは目的を達成できた

当時の日記にも経緯は書いていないのだが
その翌日、僕たちはまた彼と会う約束をした


ペシャワールの街中で撮ったものだろう 愛想のいいおじさん

当時の日記より


AM7:30 パパ氏と約束通りレストランで再開
彼は最初 ひとり300ルピーで話を持ちかけてきたが
僕たちは1人100ルピーが限界だと言い続け
最終的に3人で400ルピーで手を打った


トライバルエリアの後だと、ペシャワールのひとがみんな温和に見える

彼の案内に従い
僕たちはバスに乗り30分ほど走った後で
スズキのトラックに乗り換えた


このおじさんも優しい笑顔だ


僕たちはこのとき
あることを目的としていた
日本ではなかなか実現できない
あれである



靴の修理屋さんかな

なぜそれを思い立ったのかは
覚えていないが、当時の旅行者の間では
そんな情報が出回っていたのかもしれない

おそらく峠の帰り道に
パパ氏を信用した僕たちが
彼に要望を伝えたのだろう


何もない小さな村にたどり着いた


そうしてトラックに揺られ
僕たちは名前もわからない
小さな村にたどり着いた

続く

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