旅の記憶 1994・夏 トルファンの子供たち
30年前の夏
僕は中華人民共和国 新疆ウイグル自治区
トルファンの小さな村にいた
この日僕は
カメラを片手にトルファンの
小さな村を訪れていた
この頃はまだスマホなんかは当然ないし
この小さな村では
外国人の旅行者が来ることも珍しくて
一眼レフカメラをもった外国人の僕を
村の子供たちは好奇心
いっぱいの目で見ていた
子供たちは写真を撮られること自体が
嬉しいみたいで
シャッターを押すたびに
ケラケラと楽しげに笑うのだ
中にはシャイな子もいるけれど
ほとんどの子は
歩く僕の後をついてきて
中には仲良しの友達を
呼んでくる子もいた
ハンモックで休んでいた女の子は
友達と「あなたも撮ってもらいなよ〜」
なんてふざけているうちに
ハンモックから落ちてしまったり
にぎやかな楽しい時間
村中の子供達が
元気いっぱいに笑っていた
旅の途中のわずかな時間だけれども
子供達の笑顔に
僕はすごく幸せな気持ちになった
雄大な景色や遺跡
マーケットや美味しい食べ物
そこで出会ういろいろな人たち
こうして僕はアジア旅行が
どんどん好きになっていく