VRChatナウい式衣装配布のススメ
はじめに
この記事はComputer Society Advent Calendar 2024の12/23記事です。
前日の記事が未投稿なのでリンクないです。
きっかけ
この記事のきっかけになったのが、毎度おなじみlemolatoonにアバターを爆撃されたことでした。
誕プレにアバターあげるから衣装で返してね♡ということらしいです。分かりました、やります。
制作事情
ということで、衣装制作をするわけになったのですが、もっぱら私はフルスクラッチ以外でアバター作りに関わったことがありません。他人のモデルをベースに作るより、1から作った方が欲に忠実なモデルが作れるからです。
なので、まずはどのような方法で衣装づくりとか配布とかが行われているか調査することにしました。
調査ァ!
何を作った?
ただ普通にテスト用の衣装を作って配布用に準備しても面白くないので、ちゃんと作ることにしました。それが、まめふれんず対応『Airplane Mode』です(未配布)。
飛行機×着ぐるみということで作りました。ベースはamanosoraのclonkaです。
Modular Avatar先生、降臨
着せ替えとか衣装配布系でか~ならず出てくるのが、Modular Avatarという単語でした。やの非対応衣装だのMA対応衣装だの。ただ、フルスクラッチ前提の制作しかしていない場合ほとんど出番がありません。どちらかというと、Avatar Optimizerの方がお手軽Performance Rank下げに使えるので需要あります。
そこで、まずはModular Avatarが何者なのかを調査することにしました。
結論から言うと、VRChat民に向けた衣装とギミックのアセットでした。これを使わない場合、ボーンを1つ1つ移動させながら衣装を着せないといけないということらしいです。
1から作っている人にとっては、BlendファイルかFBXをそのまま分割して保存しておけば衣装なんていくらでも増やせます。ただ、衣装「のみ」を配布している場合そのデータにアバター本体を含ませるわけにいきません。そんなこんなで、ボーンを1つ1つ手で移動させないといけないという訳の分からない作業を強制させられていたというのが、Modular Avatar登場以前の環境らしいです。そりゃ、無理だなぁ……
使ってみようのコーナー
Modular Avatarはワンタッチで着せ替えができます。が、制作側が色々と追加したい場合はそれ専用にセットアップする必要はあるわけです。その作業を終えたものが「Modular Avatar対応」のタグを付けられるわけですね。
基本的な作業は衣装のPrefab(制作者の場合はFBXから)をアバター直下に入れるところからスタートです。
次に、衣装の親ObjectにMA Mesh Settingsをぶち込みます。
ルートボーンは適宜設定して、Anchor Overrideはなんかよく分からないのでそれっぽいのを入れます。この辺はテキトーです。
続いて、ArmatureにMA Merge Armatureを入れます。
これは、先ほど若干紹介した1つ1つボーンをアバターに割り当てる作業を全自動でやってくれる装置です。結合先はアバターのボーンにしてください。
実質作業はこれで終了です。そのままアップロードもできると思います。ただ、一瞬だけSDKで表示されるBonesの数が異常に多くなります(最低でも元のアバターの2倍になるため)
さらにここから補助ボーンや揺れ物ボーンを追加した場合などは、Rotation Constraint等使うと思います。ただ、ここで注意ですがConstraintの対象は必ずアバターではなく衣装側のボーンに割り当てる必要があります。
ちょっと心配になりますが、そのままModular Avatarが移植してくれるので心配はいらないです。多分。
配布用のファイル作成?
ここまでセットアップして、いざ配布ファイルの制作になります。が、最初のMA Mesh Settingsに割り当てたボーンについては、作業中のアバターに割り当てたユニークObjectになります。なので、配布用に出力する場合は外しておく方が吉です。
それ以外の部分については、衣装側のボーンに直接対応させているため出力後も問題なく依存関係が成り立ちます。
結論
Modular Avatar使おう。どうしても使いたくないなら1からアバターを作ろう。以上です。
進捗
だめです。
[蛇足コメント]
私の場合アバターが元々持っていた雰囲気を守るようにしています。作例として出したAirplane ModeはClonkaのテクスチャ塗りとポリ割りを参考に、そこまでディティールを作りすぎないでポップにしています。Reveniaについても同様で、Substance Painterゴリゴリに使ってリアルっぽい材質を作っていたのでそれを参考にしています。最近衣装系で首から上と下で画風が異なるっぽい作品が多いのがちょっと気になったので、その辺気にしてみると一体感が出てより良い作品になるぞ~という話でした。ちゃんちゃん