ハイランド讃歌の話その7
河野企画代表、チューバ奏者、指揮者の河野一之です。
もくじ
イングランド人作曲家、フィリップ・スパークがBrass Band(金管バンド)のために作曲した組曲「ハイランド讃歌」の解説もその7までやってきた。
今日は全7楽章あるこの組曲から第6楽章、Alladaleを紹介する。
6/8拍子と3/8拍子が混合するこの楽章は、主に
Flugel Horn
Tenor Horn
Baritone Hornの三重奏と
打楽器群による伴奏
で進行していく。
またスパークの指示によりRepiano Cornetと2nd Baritone HornはCabasaとSmall Clavesの演奏を指示されている。
このように金管バンドは通常打楽器奏者が3名という必要最低限の人数で行われるため、管楽器奏者が打楽器の演奏を指示されるというのは稀ではあるが存在する。(例:A Disney Fantasy / G.Richards)
Alladaleという題名
このAlladaleという題名は他の楽章の例に漏れず、スコットランドはハイランド地方北部にあるサザーランド、その西岸部にあるカロン川(The River Carrron)を形成する支流の一つThe River Alladaleから名付けられている。
このThe River AlladaleはThe Strathcarronに流れ着く。
このことからこの第6楽章「Alladale」の次、第7楽章「Dundonnell」の冒頭は第4楽章「Strathcarron」と調性の違いだけ残しほぼ同じ形となっている。つまりStrathcarronに戻ってくるのだ。
イメージ
分数は全て上記CDに由来
冒頭
夜、森、晴れている夜空、星
5小節目(0.08)
風の歌
20小節目(0.44)
水辺に波紋
22小節目(0.48)
森の精霊の踊り
67小節目(2.35)
目覚めの歌
75小節目(2.55)
静けさ、風と水、水滴に反射する光
83小節目(3.14)
人間に見つからぬよう精霊たちや自然が素に戻っていく
102小節目(4.00)
水面に落ちる水滴、そこへ反射する朝日
次は最終楽章Dundonnel!
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