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日本金管バンド業界におけるコンテストの必要性

おはようございます。音楽家、チューバ奏者、指揮者、金管バンドディレクターの河野一之です。

梅雨というか、関東はいきなり35度超えの灼熱がやってまいりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?河野はおかげさまで絶好調です!

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お知らせ

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日本金管バンド業界におけるコンテストの必要性

僕が金管バンドに出会ってから18年、日本では金管バンドのコンテストは開かれていません。

過去、日本における金管バンドコンテストの記録

英国に始まり、各国の金管バンドの歴史を調べてみると、創世記に始まりその後のバンド活動の繁栄には必ず競技、つまりコンテストが付き物です。

なぜコンテストが金管バンドを発展させるのか

まず最初にコンテストというのは以下のように説明されます。

https://www.weblio.jp/content/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88

上記のように、他者、この場合は他のバンドと競い合うことによって以下のメリットが起きます。

  • 競合相手がいることにより、より質の高い演奏を求めるモチベーションにつながる。

  • 奏者、指揮者の技術の向上(演奏技術や楽曲研究など)。

  • 日本生まれの作曲者をコンテスト課題曲作曲家として起用することによる国産金管バンド用作品の発展。

  • 企業にスポンサーとして参加してもらうことによる経済効果。

  • 職業金管楽器奏者や指揮者などの金管バンド指導法の向上。

  • 奏者人口や観客の増加

軽くあげただけでもこれだけの恩恵があります。

実際職業音楽家として、金管バンドの専門家として活動していく中で、日本においては小学校金管バンドにしかコンテストは無く、しかもその9割は吹奏楽と混合での審査を受けます。

しかし、例えそのような現状であっても、
・金管バンド
・コンテスト

という掛け算が起きただけで、現在小学校金管バンド業界では以下のような循環が起きています。

①プロ金管、打楽器奏者の指導者としての起用
プロ奏者が金管バンド業界と関わることで演奏技術の向上やプロ金管打楽器奏者の金管バンド指導法の向上。

②日本の作曲家による課題曲の作曲
全日本小学生金管バンド選手権では邦人作曲家による金管バンドオリジナル作品を課題曲に設定し、作曲者の金管バンド作曲法の研究に一役かっています。

③企業がスポンサーや商品の製造で金管バンドに関わる
お金もそうですが、グッズの制作によってより多くの人に金管バンドを知ってもらうきっかけとなる。

④奏者人口の増加
「小学校の頃に金管バンドをやっていた」という経験がその後吹奏楽や大人の金管バンド活動への参加などに繋がり奏者の人口が増えます。

これらの理由により、コンテストという存在が日本の金管バンドの発展に欠かせないということです。

またついに来週に迫ったImmortal Brass EternallyとのNew Zealnad National Championshipsへの準備期間、コンテストへでるというモチベーションのもと取り組んだ各リハーサルや壮行演奏会での経験がバンドと僕自身を大きく成長させてくれたと実感もしています。

課題

いきなり諸外国のような大規模なコンテストは、まだ発展が開始され半世紀の我が母国の金管バンド業界には難しいと思います。

例えば基本編成28人のところ30~40人以上いるバンドだってあるので奏者の定員、プロ奏者を入れてもいいのか(プロの定義は)、エキストラは何人まで入れていいのか、また団員だとしてもその団員は入団後何ヶ月/何年在籍している必要があるか(団員の定義)、多くの方が納得できる審査員の選定、コンテストに出るためにバンドを結成し寄せ集めバンドで出場してもいいのか

などなど、できるだけ多くの方が納得して、さらに公平な判断のもと審査をくだされるコンテストというのは2024年現在の本場英国のコンテストにおいてもコンテストシーズンになるとSNS上様々な場所で議論されている難しい問題です。

しかし、問題があるのは承知の上で、それでも始めて行かなくてはならないと思うわけです。なぜなら過去の様々な偉人たちの残したお話や自分自身のこれまでの経験上、世の中なんでも、

やってみなければわからないこと

ばかりです。やってみてその都度問題を解決し、より良いコンテストをたくさんの人と議論しながら創作していく他、発展はありません。

また日本の金管バンドの発展から約半世紀しか経っていませんが、逆に言えば200年以上の歴史を持つヨーロッパの金管バンド事情からたくさんのことを学べるわけです。これは大きなメリットです。

前例を見れば、イタリアが2016年に史上初の全伊金管バンド選手権を開催し、ヨーロピアン選手権の出場権を獲得、さらに現在までその大会はしっかり続いています。

From 4barsrest

河野の提案

何か新しいことを始める際にいきなり大きくでるとデメリットが増えすぎてしまい、一回はできたとしても再演が難しくなります。

なので本格的にがっつりやるのはもう二、三段階後にし、まずは以下のような条件で行うのはどうかと提案します。

~金管バンド選手権~ 河野杯

  • 動画審査(編集無し)

  • 奏者定員30名まで

  • エキストラ奏者有り(音大卒業生あり、プロ奏者の雇用は無し(無償での参加はあり、飲み代を出すなど何かしらの提供がわかった時点で失格))

  • 同じ奏者(指揮者は含まず)の複数バンドへの出場は2バンドまで

  • 過去2回以上単独コンサートを開いていること

  • 課題曲のみ、またIMSLP上にある著作権無料作品から利用

  • 審査委員は河野ではなく英国金管バンド業界関係者に依頼(但しブラインド審査とする)

  • 河野も出場できる

  • 動画は公開される

少し理想と異なりますが、以下例

これであれば
・気軽に参加できる
・現状においてできるだけ公平性を保てる
・先述したコンテストのメリットを多く受けられる

といった具合でコンテストの楽しさをまずは感じられることができるかと思います。

今現在は来週に迫ったNZ対策で動けませんが、ぜひ業界のみなさまご検討いただき、一緒に何かしら国内での国産コンテストへのきっかけがつかめればと思います。

一緒に頑張りましょう!よろしくお願いします!

Thank you

Kazz


サポートして頂いた支援は全て金管楽器や金管バンドの奏法の研究、音楽を使ったエンターテイメントの発展に使用させていただきます。