見出し画像

【雑記帳6】情報に解釈を与え,判断に結びつけるための「理論」

2つの川筋からなるダム湖でそれぞれの川筋の水温を測ったら

  • 川筋A:水温30度

  • 川筋B:水温28度

という情報が得られたとします.あなたならどちらが有望だと判断するでしょうか?

水温が30度まで上昇しているということはおそらく真夏の釣りですよね.少しでも涼しいところのほうがバスの居心地が良いと考えれば,Bの川筋のほうが有望と考えるのではないかと思います(【雑記帳3】で書いたように,完全にBだと決めつけるのはよくないと思いますが).

ここで,少し立ち止まって,この判断を得るに至った過程に目を向けてみたいと思います.この判断は,厳密には2つの川筋の水温という情報だけから導き出されているわけではないですよね.夏は涼しい場所のほうが釣れるとか,バスの適水温だとか,そういった理論に,現場で観測した情報を照らし合わせることで判断に結びつけているわけです.水温30度というのは単なる数字に過ぎません.それが,バスにとって暑いだろうと解釈できるのは,何かしらの理論を知っているからだと思います.

他にも,ある向きの風が吹いたという情報から,あのポイントに流れが生まれて釣れやすくなるかもと考えたり,濁りの状況に合わせてルアーを選択したりといった判断は,単に風や濁りの情報が得られただけでは不可能で,それを自分の中の理論に照らし合わせるからこそ可能になるのだと思います.釣り場で同じ情報を得ても,釣果に繋げられる人と繋げられない人がいるのは,この理論の質や量に差があるのかもしれません.

こういった点を考慮して,バスフィッシングにおける情報更新のサイクルに以下のように理論という項目を書き入れておこうと思います.


情報に解釈を与え,判断に結びつけるための「理論」

ちなみに,ここで理論といっているものは,科学的に裏付けられた理論である必要はありません.個人的な経験則でも,何ならジンクスのようなものでも構わないと思います.冒頭の例にしても,30度と28度だったら別に区別しないよという人がいてもいいでしょう.なので,理論という言葉で表現してよいのかというのはちょっと迷っています.経験則,知識,判断基準,情報のものさし,など色んな表現が考えられそうなのですが,とりあえず今は理論と表現しておこうと思います.

また,適切な情報と理論を持っていれば必ず答えが出るわけではないと思います.例えば冒頭の例で,実はAの川筋のほうがシェードを作るカバーが多いなどの情報が得られたとすると,どちらの川筋が有望かはわからなくなってきますよね.むしろ現場ではこういう状況の方がほとんどで,そういう状況の中で迷うことや決断することこそバスフィッシングの醍醐味なのだと思います.不確実な中でも決断して,全力で実行すればまた新しい情報が入ってくるので,それで釣りの展開が変わっていくかもしれないですしね.

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集