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【雑記帳8】暫定版バスフィッシングフレームワーク
【雑記帳7】までで,私のバスフィッシングのフレームワークがある程度形になってきたように思います.再掲すると,以下の図のように,事前情報から出発して,道具や技術,理論を使いながら判断,実行,情報更新のサイクルを回し,釣果をゴールに近づけていく行為としてバスフィッシングを捉えてみたいと考えています.今後,ノートを書き進める中で細かい変更はあるかもしれませんが,大きくはこのように捉えて問題なさそうだと感じています.色分けの意味は,青が現場で変化していくもの,緑が事前に決まっており,現場では更新されないもの,というイメージです.
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ここから各論として一つ一つの項目について掘り下げていければと思いますが,その前にこのフレームワークでバスフィッシングを整理していくことが以下の記事で述べたこのノートの目的の達成に資するものであるかを振り返っておこうと思います.
バスフィッシングの知識の体系化
1つ目の目的は,私の中でぐちゃぐちゃになってしまっているバスフィッシングの知識を体系化することでした.これについては,それらの知識が上記のフレームワークのどの項目に関する知識なのかを明らかにしていくことで達成できると考えています.つまり,釣り場に立つ前にバスの居場所を予想するための事前情報に関する知識,釣り場で得た情報を解釈するための理論に関する知識,思い描いた釣りの実行を可能にするための道具に関する知識,というように分類,整理していくということです.
これまでも,バスの生態に関する知識,気象条件に関する知識,フィールドに関する知識,タックルに関する知識,というような項目別では整理できていたと思うのですが,このままだとそれらの知識をいつどのように使えばいいのかが明確になっていないような気がしています.それを上記のフレームワークの観点から整理することで,現場で使える生きた知識にできるのではないかと考えています.
自分で考え,釣果を得る喜びを取り戻す
2つ目の目的は,バスフィッシングの知識に溺れてしまっている感のある現状を脱して,釣り場で考え,判断し,実行することの面白さ,それが釣果につながることの喜びを取り戻すことでした.これは,上記のフレームワークの青色の部分に集中することで達成できると考えています.【雑記帳7】でも述べたように,最近の私の釣りは事前情報をもとに考えたパターンを順に試しているだけで,現場で情報を更新したり判断したりするプロセスが減ってしまっていたように思います.上記のフレームワークの観点から,事前に行っておくべきことと現場で行うべきことを明確に区別し,現場で行うべき判断に集中することで,自分で考え,釣果を得る喜びがもっと大きくなることを期待しています.
ここで,「取り戻す」という表現を使っているからには,もともとそういう喜びを求めていたわけですが,それは以下のような田辺哲男さんの書籍に感化されてバスフィッシングにのめり込んだからです.
田辺哲男,バス釣りストロングパターン,地球丸,2000年.
田辺哲男,バス釣りビッグフィッシュパターン,地球丸,2003年.
田辺哲男,最強のバス釣り入門: 「自分の力で釣りたい人」の必読書,地球丸,2009年.
ですので,このフレームワークは私が自分で考えたというよりは,田辺さんが繰り返し提唱されているものを私なりの言葉で表現し直したものに過ぎないのだと思います.田辺さん曰く,パターンフィッシングとは「シーズナルなバスの動きを読むことにはじまり,それを基軸としてその日,そのとき,その場所での一定の法則を導き出し,狙いを定めたバスを次々と釣り上げていく」釣りです(田辺,2000).それを自分の力でできるようになりたい,という憧れがこのノートを書く原動力になっています.ただそれは,田辺さんの真似をするということではありません.自分の思う魚を自分の最も得意とするスタイルで釣っていく.年間300日釣り場に立つことはできない代わりに,アカデミアの研究者として思考のトレーニングを積んできた私にとっては,このノートを書くことが私の得意スタイルなのだと思っています.
1回の釣行からなるべく多くを学ぶ
3つ目の目的は,少ない釣行機会を最大限に活かして,1回の釣行からなるべく多くを学べるようになることでした.これについても,上記のフレームワークのどの部分に成功,失敗の要因があったのかを考えることで,漠然と振り返りを行うよりも効果的に自分の釣りを進化させていくことができるのではないかと思います.現場での情報収集が足りていなかったのか,情報は足りていたのにどこかの判断で間違いがあったのか,判断までは適切だったのに実行の部分で失敗してしまったのか,といったことを区別して振り返り,次の釣りにつなげていくことで,釣りの上達を加速できればと考えています.
他の釣りにも活かせるかも
ここまで書いてきて思ったのですが,このフレームワーク自体は他の様々な釣りにも共通しているような気がします.その中でも判断の選択肢が非常に多く,正解が日毎に異なるのがバスフィッシングで,だからこそ私はバスフィッシングが好きなのだと思います.