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バズベイトでロクマル 7つの極意

1 カバーの見極め

バズベイトが、まず初めにその効果を発揮するのは、シャローカバーだ。バズベイトをシャローカバーにどのように絡ませていくかが重要になってくる。しかし、ただシャローカバーがあればいいという訳ではない。バズベイトが活きるカバー、”バジングカバー”がある。バジングカバーを見極めることが、バズベイトでバスを引き出すポイントになる。

バジングカバーを構成する要素で、最も重要なことは、そのカバーと水深の関係性、そしてそれを取り巻く地形変化だ。リザーバーであれば、水深の変化は著しい。たとえ、同じカバーであっても、水深が異なれば、全く異なるカバーになると考えておいた方がいい。バスが入り込むだけの水深がありつつも、シャローの好条件が活きていればいい。また、それを取り巻く地形変化としては、ディープが隣接している方がいい。バスは、そのカバーをコンタクトポイントとして、ディープとシャローを行き来できるというイメージだ。

バズベイトの強みは、バスを引き寄せる集魚力にもある。だから、カバーそのものにバスが付いている必要はなく、その一段下のカバーに付いていてもいい。コンタクトポイントとして、カバーが機能していれば、バスは躊躇することなく、上がってくる。

バジングカバーを流しながら探していってもいいが、あたりをつけるならば、まずは地形変化を俯瞰して見ること。ワンド入り口付近、岬の付け根のインサイド側が、条件が合致する場合が多い。そういった視点でエリアを絞っていって、実際に目視でカバーと水深の関係性を確認していくと効率はいい。

2 バスは下にいる

バジングカバーの他にバズベイトが活きるスポットを挙げるとするならば、それは支流にあるといえる。支流といえば、元々は河川であった場所。チャンネルが通るその両サイドは、比較的急深になっている。そこにあるシャローカバーも狙い所になるが、見逃してはならないのは、一段下から湧き上がってくるバスだ。それは、シャローを流していく場合に、ちょうどボートの真下あたりに位置付けられる。つまり、ボートの真下にバスがいるということになる。

このことを踏まえ、支流を流す場合は、真横ではなく斜め前方にルアーをキャストしてシャローからボート下までの引きしろを確保することが重要だ。また、シャローから離れて回収しようとしたときに下から湧き上がってくるのもこうしたケースだ。巻く速度が速いからミスバイトになってしまうことが少なくない。思いがけないバイトで焦ってアワセてしまうこともミスバイトを誘う。だから、最後までルアーを活かしながら巻くことが重要だ。「出なかったな」と思ってからが、もうひと勝負。バスは、ボートの下にいる。

3 何度も入り直す、何度も通す

バズベイトは、タイプに分類されるとトップウォーター、表層系ルアーに分類される。トップウォーターといえば、朝一や夕方のマズメ時が出番。朝一にバズベイトからということも少なくないだろう。しかし、ざっと流すこと小一時間。反応がないまま日が昇ってしまうと選手交代。出番を失う。そして、夕方まで出番がない。そういった使われ方も少なくないだろう。「朝一に反応がないから今日のトップは終わり」。バズベイトには、そういった使い方は当てはまらない。バズベイトがハマる季節は、春や秋。比較的水温が適水温に近い季節。つまり、バスが何処にでも居られる季節にあたる。このことが意味することは、条件が合えばバスは動くということだ。たとえ、朝一に反応がなかったスポットも、風が吹けば変わるし陽が動けば変わる。だから、絞り込んだバズベイトスポットには、何度も入り直すことだ。

加えて、ルアーを通すルートを変えて何度も通すことも重要だし、同じルートであっても、再び通すことにも意味はある。もし、バズベイトを追って出てきたバスが、踵を返してしまったなら、もう一度通したくなるかもしれない。むしろ、そのケースでは、そのバスを再びバズベイトで引き出すのは難しいのはかもしれない。むしろ、バスの姿が見えなかったならば、まだチャンスはある。何度も入り直して、何度も通す。これは、バズベイトでバスを引き出すための重要なメソッドのひとつだ。

4 見えバス

天気のいい午後。シャローや岸際に浮いているバスを見かける。そういったバスを釣るには、バズベイト以外にも方法はあるが、勝負の早いバズベイトでまずは誘ってみるのもいい。見えバスをバズベイトで釣るためには、絶対にやってはいけないことがある。それは、ルアーをバスの鼻先に通すことだ。どうしても、ルアーをバスに近づけたいと思うかもしれないが、それは間違いなくバスを警戒させる。高い確率でバスは深場に逃げてしまう。重要なポイントは、「バスに気付かせる」こと。幸い、バズベイトはアピール力が強い。数メール離れていても、追ってくることは十分にある。バスの後ろから斜め前方に、バスから離れていくように通す。こんなに離れて意味があるの?と感じるくらいが丁度いい。その距離感が重要で、もしバスが反応しなければ、さっさとバズベイトをしまってライトリグの接近戦に持ち込めばいい(決して簡単ではないが)。

もうひとつの見えバスの傾向として、岸際に鼻先を向けているケースがある。こうしたバスは、まさに戦闘状態にあるといっていい。バズベイトに反応する確率は高い。ポイントは、一度、岸に乗せてから泳がせてくること。しかし、だからといって、バスに目掛けてキャストして鼻先に落とそうとしてはいけない。ここでもやはり”距離”が重要だ。バスを警戒させない距離感で岸にルアーを落とし、バスの後方に向けて通るように引いてくる。着水した時点で追ってくることもあるし、ルアーが後ろを通るときに追ってくることもある。どちらにしても、”距離感”がポイントだ。バズベイトの特徴は、そのアピール力にある。その特徴を活かした”距離感”で見えバスを攻略しよう。

5 大雨の後

バズベイトが、最も効くタイミングはいつかと問われれば、それは梅雨の大雨の後だ。このことを考えるとき、まず大雨というものが与える影響というものを考える必要がある。そもそも雨というのが、サカナの活性を上げることはよく知られている。それは、ローライトでありながら雨が作り出す水面の波紋が、空や陸からの敵から姿を消すことが出来る。また、陸地から流れ込みによって小魚陸に寄ることも一因している。しかし、大雨となれば話は変わってくる。まず、大雨は強い流れを生み出す。小魚にとって、その流れの中にいることは死を意味する。だから、岩陰や浅瀬の障害物に身を隠す。小魚を捕食するバスにとってみれば、それだけでもエサとなるベイトを見つけにくい状況になる。さらに、それに加えて、大雨は濁りを発生させる。濁りというのは、サカナのエラの機能を低下させる。エラそのものが大きくなれば、それだけ目詰まりしやすくなる。だから、小魚よりもむしろ大きな個体に影響を与える。こうしたことから、大雨はバスの捕食するタイミングを奪っていく。

こうした状況の中で、バスにとってベストなエサとなるのがカエルだ。カエルは、大雨の後には活発に動く、また、水面を泳ぐカエルは逃げ場が限られており少ない労力で狙えることに加えて、高カロリーといった格好のターゲットだ。カエルといえばフロッグを思いつくが、バズベイトのアピール力は、その比ではない。バズベイトは、その形状からは想像しにくいが、水面に波紋を作って泳ぐカエルを演出する。大雨の後、状況とパフォーマンスが合致する絶好の場面で、バズベイトはカエルになる。

6 アワセの極意

バズベイトをはじめとする表層系ルアーへのバイトは興奮する。それ故、焦りもあって、思わずアワセてしまうことがある。これは、バズベイトに限らず、表層系のルアー全般に言えることだが、バイトが出たからといって即アワセはミスバイトの元。バスの口に入ることなく、ルアーは戻ってきてしまう。こうしたミスバイトを防止するために必要なことは、一呼吸置くこと。そして、ルアーが沈んでバスの重みが感じた時にアワセる。このワンテンポ遅らせるだけで、ミスバイトは断然に減る。しかし、バズベイトは基本的に引き続けるルアー。バスのバイトから逃げ切ってしまうこともある。そうならないためにも、バイトが出た時は、引くことをやめるだけではなく、送り込むという動作が重要になってくる。

送り込むことは難しくない。ロッドを倒せばそれでいい。そこから生まれるラインスラックがバスの重みで張った時がアワセのタイミングだ。後は、巻き続けるだけだが、ここで”バラシの間”が生まれやすい。巻きしろを取るために、ロッドを戻してラインテンションを緩めたときが、”バラシの間”を作りやすい。だから、ラインテンションを緩めないように巻き続けることが重要だ。ようやく引き出した貴重なバイトを確実にモノにする。そのためにも、バイトの瞬間を想定し、アワセのイメージをしっかりとシミュレーションしておこう。

7 タックル

バズベイトのタックルを考えるとき、フックがシングルフックであることを考慮する必要がある。この形状に似たタイプとして、ラバージグやスピナーベイトがある。基本的には、ラバージグやスピナーベイトが扱える程度のパワーとテーパーを備えていればいい。レングスに関しては、キャスト精度を求めるならば、短めがよいし、トレースルートをロッドでコントロールしたいならば、長めを選択すればいい。この点は、フィールドのカバーなどの特性に応じて考えればいい。ラインに関しては、表層系ルアーだということで、ナイロンラインがよいという考え方もあるが、ロッドパワーとの関係から、伸びの少ないフロロラインやPEラインを選択することができる。どちらにしても、無意味にラインを細くする必要はない。ラインの重さがスラックを作ることで、“アワセの間”ができることも挙げられる。カバーを積極的に攻めることからも20lbクラスであれば、安心してロクマルともやりあえる。

バスは、基本的にあまり狩りが上手くない。だから、表層系で動いているルアーに対して、上手く口に入れることが出来ない場合も少なくない。だから、トレーラーフックは、できる限り付けておきたい。ミスバイトがトレーラーフックに掛かり、その後にメインフックがフックセットするケースもある。また、逆に、メインフックにフックセットしたのち、やり取りの中でトレーラーフックが外掛かりするケースもある。メインフックとトレーラーフックの2点でフックセット出来れば、フックアウトしてバレる確率は格段に下がる。隙のないタックルセッティングで、バイトをより確実なものにしよう。

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