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【曲レビュー】Chick Corea / Windows
2月9日、ジャズピアニストのチックコリアががんのため亡くなったと報じられた。
ご冥福をお祈りします。
私は正直チックコリアこことはほとんど知らないが、1曲だけものすごく衝撃を受けた曲がある。
それが表題のWindowsという曲である。
元々チックコリアのアルバムは2枚くらい持っており、その中の1つがWnidowsが収録されている『Now he sings, now he sods』だったが、当時ピアノトリオのジャズを聴く耳を持ち合わせておらず、流しても左から右へ流れるだけであった。
その後(3年くらい前?)たまたまYouTubeでアドリアンフェローが演奏しているある動画にとても感銘を受け、そこで演奏されている曲がWindowsだったのである。※下記リンク
初め見た時は曲名が書いていなかったので分からなかったが、曲名が気になりコメント欄を漁ったらWindowsだということが分かった。
そしてその後自分のitunesに入っていることに気づき、原曲を聴き、その美しさにさらに衝撃を受けることとなった。
この曲の好きなところは4小節ごとに場面がどんどん切り替わっていくところだ。
曲は16小節で1回しの構成になっていて、4小節ごとにイメージが異なる。
■1〜4小節
他の部分と比較すると、地に足ついたようなイメージを受ける。現実的な美しさという感じ。
■5〜8小節
ふわっと身体が浮き(水の中に入ったとも言える)心地良い脱落感に包まれる。
■9〜12小節
身体から羽が生え(ヒレが生え)その空間を自由自在に、奔放に動きだす感じ。ちょっと暴れる感じもある。
■13〜16小節
一気に上空高くに飛翔し、翼は動かさずアイドリングした状態で重力にまかせ少しずつ高度を下げていく、勇ましくも安心した気持ちになる。
そして1小節目に戻り地上に降り立つ。
これが繰り返されるイメージ。
メロディがとても美しいのに加えて、一つ一つのイメージがとても明確でかつ、それぞれがとても自然に繋がっていて、永遠にループして聴きたくなるような中毒性がある。
ジャズミュージシャンのすごいと思うところは、言葉を使わなくても聞き手に、時に明確に、時に自由なイメージや感動を与えられるところだと思う。
私が好きなジャズプレイヤー、コンポーザーにはこれを感じる方が多い。
私はチックコリアの曲はまだ1曲しか知らないが、もちろんチックコリアの曲はWindowsだけではない。
今後の人生チックコリアの曲にあと何度も同じような感動を覚えられると考えると、それはある意味とても幸福なことだと思う。