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能力のゆくえ


能力とは、「物事を成し遂げることのできる力」のことらしい。
辞書に書いてあったので多分間違いない。
確かに、能力のある人って、何かに取り組み、そこで成果を出すことができる人のことのような気がする。

でも、個人的な解釈はちょっと違う。
僕は、能力とは、誰しもが内面に持つ理想や思想をカタチにして外界にあらわす、「変換」を行うスキルのことだと思う。
例えば文章を書く人は、思想を言葉に「変換」している。その能力が高いほど伝わる文章になるのだろう。それ以外にも、芸術家はモノに、ミュージシャンは音楽にして、外側にいるひとたちが五感で感知できる状態に「変換」している。

別にそういった創造的な行為に限らなくとも、より一般的な、会社での仕事といわれる行為も同じだと考えている。会社員は、会社や顧客が描く理想像があって、その実現・具現化のために分担された作業を行っている。

能力とは、理想を現実に「変換」する手段だ。



では、今僕たちが身に付けている、身に付けようとしている能力は、どこの誰のどんな想いを具現化するためのものなのだろうか?



名前も知らないようなどこかの誰かの「変換」の手段にはなりたくないなあ、と思う。
なりたくないというか、そもそもそのために頑張れない。

僕は僕の理想を実現するために能力を身に付けたい。
そのために能力を付けようとしているのだと自覚すれば、そのための時間は楽しいし、「辛いけど頑張る」みたいな感覚にならない気がする。
より高い能力を身に付けるのには楽はできないけど、楽しむのは個人の勝手な裁量だ。

手段の先にある目的を忘れてはならないように思う。
いつだって自分の内側にある動機が、モチベーションの源泉だ。

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白湯
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