00年代の波に消えていったガレージロックバンドたち

私は、ロックバンドを愛するリスナーとして、「このバンドは売れる!」みたいな嗅覚が著しく欠如しているらしい。

「このバンドかっこいい!大好き!」みたいにハマっても、
さっぱり売れないまま、たいして人気も出ないまま解散していくのである。
特に 00 年代、たくさんの新人バンドを聴いてきたけど、
どんなに「こいつはかっこいい!」と思っても、すぐに消えていってしまった。

先日、久しぶりにそんなバンドたちを YouTube で立て続けに観たら懐かしくなったので、今日は彼らを紹介していきたい。

しかし、最初にこれだけは断っておく。

たしかに売れなかったバンドたちかもしれない。
けど、とてもかっこいいバンドたちなので、
読む時間や視聴する時間が無駄にはならない…ことを祈っている。

では、いくよ。


The Heights

1 バンド目はコレ。どうしても最初に紹介したかった。
イギリスはウェールズのバンド、The Heights。
乾いたギターの音、飾り気のない無骨なサウンド、
そしてボーカル オウェインの嗄れ声が特徴のバンドである。
とにかく聞いてほしい、このガレージど真ん中なサウンド!!

2 回ほど来日していて、1 回目は今は亡き原宿ASTRO HALL、
2 回目は代官山 UNIT だった。
私はその 2 回目の公演の方に遊びに行っている。
ちなみに Voicst というオランダのバンドとの対バンだった。

(彼らも今どうしているんだろう…ちなみに当時の煽り文句は「オランダのアークティック・モンキーズ」だった。)

TVK の深夜番組で取り上げられていたこともあってか、
結構人も入っていたし、演奏もかなり良かったと思う。
とにかくかっこよくて、大満足で帰った記憶がある。

↑こんな感じに紹介されていた。

しかし、このライブ中に、ベーシストの脱退を発表。
それからしばらくして解散がアナウンスされた。
バイト帰りにチャリ漕いでたら、同じく一緒に The Heights のライブに行った友人からメールで速報されて、
ものすごくショックだったのを覚えている。
もったいなかったなぁ。すごくいいバンドだったのに。


The Steps

続いては、The Steps。
当時、Kurofune Records という、新興レーベルが日本に存在していた。
クラブシーンでの音源を扱っていた「ハンドカッツレコード」というところが、ロック系に進出したレーベルで、
海外の若手バンドをどんどん青田買いして、日本で先行デビューさせていた。
先に紹介した The Heights もそうだ。
The Bishops、Eight Legs など、当時ロックを聴いていた人なら、
名前をなんとなく聞いたことある人もいるかもしれない。

そんな Kurofune の青田買いバンドの中でも、特に「青田」だったのがこのバンド、と言えよう。
とにかく、若かった。平均年齢 18 歳。当時メンバーには高校生もいた。
レーベルのスタッフ?が、地元のフェスで見つけてきて、デビューさせたらしい。
一応、地元のフェスに出れるくらいには人気だったのだろうし、
イギリスでも音源は出しているらしいけど。
PV だって、本当に「お金かかってない感じ」が伝わってくる。

このバンドもやはり来日した。
原宿アストロホールで、私ももちろん観に行った。
私は普通にチケットを買ったのだが、当時ラジオ(InterFM)でチケットプレゼント企画をやっていたので、
当たったら友人連れていくかーと応募してみたら当選してしまい、
さらに友人が TVK のプレゼント企画に当選してしまい、
どちらもペアチケットだったので、結果として友人含め総勢 5 人で観に行くことになった。

そして、現地について気が付いた。会場が埋まっていなかったのである。
いや、ガラガラって程じゃなかったけど。

↑来日の様子が YouTube に残っている。
(ちなみに 4:57 ごろに若き日の揺れる私が映り込んでいる。 )

ちなみにライブ自体はすごく良かった。
オリジナル曲もさることながら、ストーンズの Dead Flowers のカバーという、チョイスの渋さである。
(ちなみに当時ストーンズは「ならず者」と「Gimme Shelter」しか聞いていなかった私は、この曲をここで初めて知った。)

この日とは別日にインストアライブとサイン会があって、
私ももちろん参加してしっかりとサインをいただいている。

で、このバンド、解散というアナウンスはなかったものの、
続報は特にないまま消滅してしまっているようである。
YouTube には 2nd MV も上がっているが、

3rd MV まで来るとまた極端に再生回数が少ない。

結局、レーベルの目論見ほどには売れなかったのだろう。

そして、この Kurofune Records だが、現在跡形もなく消滅しているらしい。
公式ホームページなどは全く残っておらず、
ようやく見つかったのは mixi のコミュニティくらいである。
https://mixi.jp/view_community.pl?id=2836644


いかがだっただろうか。
もっとたくさん書きたかったのだが、2 バンドで文字数がかなり行ってしまったので、
残りはまたの機会にしようと思う。

誤解なきよう改めて強調したいのだが、決して私は売れないバンドを揶揄したいのではない。
私はこれらのバンドが大好きだったし、なんなら今でも大好きだし、かっこいいと思っている。

世の中には、それほど日の目を見ていなくても、かっこいいバンドは山のようにいるわけで、
それは 00 年代にかかわらず、どの時代でも一緒であろう。

今回も紹介したバンドも、紹介しきれなかったバンドも、
私の青春の礎になり、今も血肉として息づいている。
ひょっとしたら、私の弾くベースラインのどこかに、現れている…かもしれない。


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私がベースを弾いている Rudy Red というスリーピースロックバンドが、
シングル曲をサブスクで配信したので、よかったら聞いてみてほしい。

第 1 弾「透明になる」
https://linkcloud.mu/c9d24dee

第 2 弾「シミ」
https://linkcloud.mu/b53d6986


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