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【動画要約】選手主体のコーチングとは?
参考動画
1. はじめに
近年、スポーツの指導方法において「選手主体のコーチング」という考え方が注目されています。このアプローチは、選手自身が主体的に学び、成長していくことを促すものであり、指導者はあくまでそのサポート役に徹します。TORCH Live Meeting Vol.4では、日本体育大学の伊藤正道教授やバイタルストリングスの村上隆広氏を迎え、選手主体のコーチングについてディスカッションが行われました。本記事では、その内容をまとめ、選手主体のコーチングがどのようなものか、どのように実践されるべきかを解説します。
2. プレイヤーズセンタードとプレイヤーズファーストの違い
「プレイヤーズファースト」という言葉はよく耳にしますが、TORCHのセッションでは「プレイヤーズセンタード」という表現が使われました。
・プレイヤーズファーストは「選手が最優先」という意味であり、選手が一番であることを示します。
・プレイヤーズセンタードは「選手を中心とした指導」という意味で、選手を中心に据えつつ、コーチや保護者、仲間がサポートしていくスタイルを指します。
この違いは単なる言葉の選び方ではなく、指導のアプローチを大きく左右します。選手が主役ではありますが、選手のわがままをすべて聞くのではなく、指導者として選手の成長を多方面から支えることが重要なのです。
3. 自己決定理論とモチベーションの重要性
伊藤教授は、コーチングにおいて「選手の内発的動機付け」を引き出すことの重要性を強調しました。
• 内発的動機とは、選手が「自らやりたい」という気持ちで行動すること。
• 外発的動機は、コーチや親から「やらされる」感覚で取り組むことを指します。
この2つの動機付けの違いは、選手の成長やパフォーマンスに大きな影響を与えます。自己決定理論では、選手が自分の行動を自ら決定することでモチベーションが高まり、結果的に成果が出やすくなるとされています。
4. コーチングに必要な3つの要素
選手のモチベーションを高めるためには、次の3つの要素が重要です。
1.有能感 – 自分が成長していると感じられること。
2.自立感 – 自分で物事を決定しているという感覚。
3.関係性 – チームメイトや指導者との良好な関係性。
この3つがバランスよく満たされることで、選手はより積極的にトレーニングに取り組むようになります。
5. 自由度のある練習メニューの設計
村上氏は「選手がやりたくなる練習メニューを設計することが重要」と語っています。選手の興味を引き、自ら楽しんで取り組める環境を作ることで、内発的動機が育まれます。
・練習の一部を選手自身が設計する。
・試合形式やゲーム要素を取り入れる。
・フィードバックの際に選手自身の意見を尊重する。
こうした工夫を取り入れることで、選手主体の練習環境が整います。
6. 若年層の指導におけるティーチングとコーチングのバランス
小中学生のような若年層を指導する際には、「ティーチング(教える)」と「コーチング(引き出す)」のバランスが重要です。
・初心者や低学年の選手には、基本技術をしっかり教えるティーチングが必要。
・成長に伴い、選手自身が考えられるようにコーチングの要素を増やしていく。
また、質問を投げかけて選手自身に考えさせることも、コーチングの効果を高めるポイントです。
7. 結論
選手主体のコーチングは、選手の成長やモチベーション向上に欠かせないアプローチです。コーチは選手のサポーターとして、選手が自らの力で成長できる環境を作ることが求められます。TORCH Live Meetingのセッションで得られた知見をもとに、ぜひ日々の指導に取り入れてみてください。