バスケなめんなよ 4話
3年生にとって重要な練習試合
練習試合は市内の学校ではなく、隣接市の学校と行います。
私は子供のようにワクワクしながら体育館のギャラリーで試合が始まるのを待ちました。
スタメンは
キャプテン 3年
フォワード 3年
センター 3年
フォワード 2年 大翔
ガード 2年 涼
去年はじめて観た練習試合の時と同じメンバーでした…
私のワクワクしていた気持ちは、一瞬で不安へと急加速していきましたw
・三井、金剛、槙野はスタメンを取る事は出来なかったのか?
・それとも、3年生の面子を保つために年功序列的な事なのか?
・他の3年生はスタメンを取りに行かなかったのか?
そんな事を考えてるうちに試合は始まりました。
相手の学校は、余裕で自分たちの市内大会を優勝して地区大会へ出場するであろう学校です。
しかし、涼たちも1年間やってきたはずなので、大丈夫だろうと自分に言い聞かせました…
試合は…
涼たちは1年前とほぼ何も変わっていません…
一体これはどういう事なんだろうか?
涼と大翔がボールを運ぶのかと思いきや、キャプテンがボールを運び始めました。
ん?これ見覚えがある!キャプテンが強引にドリブルしてジャンプシュート……1年前と何も変わっていません。
ある程度想像は出来ていましたが、ここまで酷い状況に陥っているとは思いませんでした。
その時ベンチから
顧問「涼にボール運びをやらせろ!」
キャプテン「……はい」
この指示のおかげで、ボール運びは涼と大翔で何とか出来るようになり
何とかシュートで終わる事が出来るようになり始めました。
そして交代のブザーが鳴りました
out
キャプテン 3年
センター 3年
in
フォード 3年
センター 2年金剛
金剛はこの1年間で伸びたと聞いていたので、楽しみです。
キャプテンとセンター3年がいなくなったことで、涼は自分たちのバスケをやり始めました。
大翔とボール回しをし、ポストの金剛にラストパスを送りゴール下シュート!これが決まり始めました。
この時既に点差は15点差以上(まだ1Q)あったので、もう勝ち負けではなく自分達がやれる事を全部ぶつけているように見えました。
金剛がリバウンドを取るようになったので、多少のリズムが生まれ始めました。
センターにボールを入れられるだけで、平面でしかできていなかったオフェンスが立体的に出来るようになり、相手DFも少しバタつき始めたおかげで涼や大翔がフリーでボールをもらえる場面が増えていきました。
そしてここで
out
フォワード 3年
フォワード 3年
in
キャプテン 3年
フォワード 2年三井
三井の登場です。
いや、それよりなぜキャプテンが戻ってくるんだw
そこは槙野を入れて、2年生チームで行った方が良いと思うのだが……まぁ顧問が決める事だから仕方ないか…
前に書きましたが
涼、大翔、三井はミニバスの時から一応一緒にやっているので、そこそこ息があっているのです。相手チームも控えを数人出し始めたこともありますが、ミニバス組の連携で得点を重ねていきます。
しかし、またキャプテンが訳の分からない事をやり始めたり、ボールを持つとほぼトラベリングになってしまい、まったく波に乗る事が出来ず、流れは相手チームへと持っていかれました。
結果30点差で負けてしまいました……
色々と思う事はありますが、思ったことは
・3年生は一体どうしたいのだろうか?
・ベンチにいても声も出さないし、リアクションも無い…
・2年間一体何をしてきたのだろうか?
・2年の涼と大翔が出ているのが面白くないのか?
・さらに金剛が出る事も気に入らないのか?
1年前と何も変わっていない部員達…
あと2ヶ月足らずで涼たちがメインになるのに、このままで大丈夫なのだろうか?
居ても立っても居られなくなった私は、試合後ギャラリーで話をしている顧問と部員の話を聞いてみることにしました。
去年4月の練習試合後のミーティング時に、返事やリアクションをしなかった部員に顧問が厳しく叱責をしていたのですが、今回も誰も返事をしないし、リアクションもほぼありませんでした。
仕方ないと思ったので、部員の後ろに並んでいた私が「はい!」と返事をしました。部員たちは私がいる事に気づいていなかったので、みんなびっくりしていました。
そして私から
私「先生が話をしてくれてるんだから返事しようよ!」
部員「……は…ぃ……」
私「…………(家に帰ったら涼を〆る)」
何回も言いますが、1年前の
・返事をしよう!
・リアクションしよう!
と言う事が全くできていません…これは何かあったのかなぁ〜と思いましたが、顧問に聞くのもあれだったので、家に帰ってから涼に聞いてみる事にしました。
他責にする涼と雰囲気が悪かった原因
涼「もう無理だ…早く自分たちがメインにならないと無理!」
私「その気持ちも分かるけど、今は3年生のラストに向けて一生懸命やって、何とかしないと」
涼「何とかならないって…今日見たでしょ?」
私「まぁ観たけど……って言うか1年間何してたの?特に3年生は全く変わってないじゃん?全くバスケの動きじゃないし、キャプテンまだ暴走してるしさぁ…」
涼「……もう無理だって。残り2ヶ月しかないんだよ?早く自分たちのチームになって欲しい…」
私「2ヶ月もあるんだからいくらでも変われるけどなw俺がコーチに入ればな………」
涼「そうゆうのイイから!」
私「……そう言えばさぁこの1年で部活で何かトラブルみたいな事あった?」
涼「トラブル?あ~…3年生の大半がやる気なくて練習に支障が出た時が何回もあって、その都度顧問が話をしてたんだけど……」
私「どういう事?」
涼「詳しく知らないんだけど、顧問が強い口調でそいつらに指摘したみたいで、その一人が親にチクって顧問は教頭に徹底的に〆られたらしいよ……何かそれから顧問も何も言わなくなったって言うか、何も言えなくなったんだよね……」
私「なるほど、言い方が悪かった事に関しては顧問は謝罪したと思うんだよ…じゃあ練習の邪魔をしてた奴らはチームのみんなに謝罪したのか?」
涼「してない。マジでムカつく」
私「これマジで良くないんだよ。顧問がどんな言い方したかは知らんが、それなりの事を言ったから謝罪するのは当たり前だよな。でも、原因を作ったその数人の部員はもっと悪いんだよ。顧問に謝らせたのは言い方の問題だろ?一番の原因作ってチームに迷惑をかけていた部員達に理解させて、全員に謝罪しなきゃおかしくないか?このご時世で顧問が結構な事言った訳だから、部員たちは相当マズい事をしてたんだろ?」
涼「俺もそう思ってた…何で顧問はチームの事考えて一生懸命やってるのに親とか教頭に怒られなきゃいけないのか…言い方は悪かったのはあれだけど、一生懸命やってる部員の事守ってくれたんだよ…マジで世の中腐ってるわ…迷惑をかけた部員たちからの謝罪は何もないよ。さっさと大会終わって引退してほしい…って言うのが本音だよ…」
私「学校の闇だなw親が強くなり過ぎた事はマジでめんどくさいと思うよ。俺は教師の事は好きじゃないけど…つい出てしまう間違った言葉を子供と親が過敏に反応して、体罰だとか人格否定だとか、イジメだとかさ……正直やってらんねぇと思うよ。でも、そんな訳分からん職業に付きたく付いた自分のせいだけどなwそうだな、涼は練習をちゃんとやって、試合に出たら全力で勝ちに行く!でいいと思うぞ」
涼「うん。2か月後の3年生最後の大会は何とか1回戦は勝ちたい…」
私「頑張れ!まだ時間はあるから明日からまた気持ち切り替えてやってこい!」
やはり部活内でそこまで大事では無いにしても、顧問がやりづらくなるような事があったようです。
まぁ一生懸命指導したりしてれば誤解が生まれたり、ついつい言い過ぎてしまう事もあるでしょう…
親が出てくるほどの事なのかは知りませんがw
後は、一番の原因を作った部員達をきちんと指導できなかったのが一番腹が立ちます。
好き勝手やって、一生懸命やっている同級生や後輩までにも迷惑を掛けたにも関わらず、謝罪もありません。
自分達のやった事の責任は取らなくて良い!と言う事になってしまいました。しまいには責任を棚に上げて親を出して来ました。
今の親はヒステリック過ぎます。
冷静に事の顛末を確認すれば、自分の子供にも非がある事が分かるはずなのに、待ってました!とばかりに学校に乗り込んできますw
そして、立場の弱い教員に全ての責任を押し付けますw
こんな親に育てられた子供は一体どんな大人になるのでしょうか?
頼むから部活をちゃんとやらせてくれよ!って思ってる部員の気持ちとかモチベーションはほったらかしです。
私もこの「今の親」に随分とストレスを感じさせられる事になるのですが……それはもう少し先の話ですw
次回は
いよいよ3年生最後の大会です!
まずは1勝!
えっ?3年生は練習試合も含め、1勝もした事ないのか…
だったら絶対に勝つしかない!!!!
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