帝愛グループからの挑戦状。『カイジ ファイナルゲーム』に隠された、真のファイナルゲームとは??
【この記事は『カイジ ファイナルゲーム』の圧倒的ネタバレを含みます】
嗚呼、『カイジ ファイナルゲーム』とは一体何だったんだろう・・・
『カイジ ファイナルゲーム』を観賞した私は、虚無感に襲われて天を見上げました。
まず大前提として、私は『カイジ』シリーズの漫画が大好きです。ひりつくような緊張感が再現された、映画シリーズも大好きで全て鑑賞済みです。
しかし、それでも『カイジ ファイナルゲーム』は異質のものに思えました。このレビューを見ていただいているということは、私と同じように鑑賞後に放心状態となり、さまよえる魂になったということでしょう。
そんなさまよえる魂を浄化する為に、レクイエムとしてレビューを書くことに決めました。なぜ私が書くかというと、おそらくご覧いただいているみなさんより『カイジ ファイナルゲーム』に対して少しだけ知識が深く、使命感を感じているからです。
何故なら私は・・・
『カイジ ファイナルゲーム』を映画館でリピートした、日本人の1%にも満たない選ばれた人種なのだ!!!!!!!(自分調べ)
ざわ・・・ ざわ・・・
ざわ・・・ ざわ・・・
『カイジ ファイナルゲーム』を地上波ではなく映画館で鑑賞した方は、この圧倒的事実を前に膝から崩れ落ちるでしょう。そう、金と時間を持て余した富豪でもやらない狂気の沙汰。
もちろん、3回、4回と映画館で鑑賞した方も中にはいるでしょうが、その方達は性格診断をするまでもなくサイコパスです。人間でいられるギリギリの限界は2回までです。(自分調べ)
そして、私は気づいてしまったのです。この映画の真のファイナルゲームが本編とは別にあることに・・・
『カイジ ファイナルゲーム』に隠された真のファイナルゲームとは?
本作において、カイジが挑戦するのは以下の4種類のゲームです。
1.バベルの塔
2.最後の審判 人間秤
3.ドリームジャンプ
4.ゴールドジャンケン
映画はこの4種類のゲームで終わるのですが、実はもう一つ隠されたゲームが帝愛グループからは用意されていたのです。それが、
5.ダウト(観賞後)
です。ご存知の方も多いと思いますが、ダウトとは、ばれないようにウソを通すトランプのゲームです。
みんなが手札の中から1枚ずつ、1(A)→ 2 → 3 から13(K)まで、裏(うら)向きで順番に出していって、早く手札のなくなった人の勝ちです。いかに「ダウト(うそ)」のカードをばれないように出すか、そしてほかの人の「ダウト」を見やぶれるかがゲームのポイントになります。
出典:トランプの遊び方
『カイジ ファイナルゲーム』には思わず、「ダウト(うそ)!」と叫びたくなるようなボケが無数に存在します。
だからこそ、鑑賞後に誰かと正しくダウトをコールできていたか、答え合わせをしなければならないのです。
それこそが帝愛グループから仕掛けられたファイナルゲームなのです!!
決して重箱の隅をつつくようなことをしたいわけではないのです。ダウトは正面から堂々と、大幅に間違えながらやってきます。
受けて立ってやろうじゃないか!!
ここからは映画のストーリーを追いかけながら、作中に出てきた全てのウソ(ボケ)に対し「ダウト!」を入れさせていただこうと思います。ダウトの種類はそのボケの強さに応じて、大中小の3種類のダウトに分類します。
バベルの塔に隠されたダウト
オリンピックを終えた東京で、不景気に陥った日本は帝愛の地下のような惨状に。そんな時に、バベルの塔という一人のみが大金を手にするゲームに、班長と一緒に組んで挑むことになります。
横浜で開催されるゲームに群がる参加者たち。
いや、みんな服普通だな!(小ダウト)
ズタボロの服とシャッターが閉まった商店街の地下感を出した直後に群がる人たちが、結構まともな服を着ています。エキストラさんの普段着!
そして、ビルの屋上に設置されたバベルの塔。カメラは引きの構図へ。
いや、背景として映っている橋で、めっちゃ車通ってるー。荒廃感ゼロ!(小ダウト)
ダウトポイントでもあり、アハ体験のようでもあります。せめて、CGで消す努力を・・・
なんやかんやあって指紋認証が功を奏し、ゲームに勝ったカイジ。
物語は議会の場面へ。高倉が最初に話し出すシーンで「ちょっと待て」というセリフで話しを始める議員。
いや、原作者の福本伸行先生出てるー!(小ダウト)
観た方なら他の演者と比べて強烈な違和感を感じると思うのですが、ダウト理由は聞かないで下さい。
10億を放棄して情報を手に入れるため、屋敷に集められた自称ラッキーガールとカイジ。会話の最中で、唐突にブチ込まれる「キュー」というセリフ、親指と人差し指を突き出した銃のような謎すぎるポーズ。
後の伏線とはいえ、違和感ありすぎて伏してなくね?(小ダウト)
そんな中、帝愛ランドで黒崎と対峙することになるカイジ。秘書の廣瀬から参加するギャンブルが「帝愛ランドで開催されている中でもっとも過酷なギャンブル 最後の審判 人間秤です。」と告げられます。
いや、参加者10人中、9人が必ず死亡するドリームジャンプの方がはるかに過酷だろ!(中ダウト)
死亡率90%なんですけど?これギャンブルっていうの?
最後の審判 人間秤に隠されたダウト
ここからカイジが参加する「人間秤」には、無数のダウトが流星群のように降り注ぎます。覚悟をして下さい。
人間秤とは、自分自身の資産に加え、支援者たちから集めた資産を制限時間終了までに多く持っていた方(つまり、秤が傾いている方)が全取りするゲームです。
黒崎の策にハマり、支援者に裏切られるカイジたち。
支援者が持ってきた物の価値は、ベルトコンベア上の機械に通すと、一瞬でその物の価値が表示される、なんでも鑑定団方式。推定50億の価値がある土地の権利書を機械に通します。
いや、テクノロジーすごいな!どういう仕組み!?(中ダウト)
なんで、権利書の価値が一瞬で機械に分かんねん!(中ダウト)
中に人が入ってないと説明がつかないダイナミックボケ。これは結構笑いました。
そして、なんでも鑑定団の査定は50億には到底満たない金一枚。
売却価格が50億だったのはついさっきまでで、政府がゴミ処理場を建設するというニュースにより、その土地が暴落したと。
いや、やり方遠回りすぎるだろ!暇なんか!(大ダウト)
誰がこのタイミングで土地買うねん!ゴミ処理場立てるなんて、年単位の嫌がらせになるぞ!(大ダウト)
土地の値段を下げるためだけに、ゴミ処理場を建設する男、黒崎。シムシティか。
その後、秘書の廣瀬が裏切り、幻の名画と言われた絵を鑑定することに。
しかし、絵には全く価値がなく、「額縁の値段です」と、丸い金貨が三日月のような欠けた状態で渡される廣瀬。
いや、金貨の価値を削って渡すってどうなってんねん!100円半分削って50円にするような暴挙だぞ!(中ダウト)
残り30分。カイジはとっておいた10億を増やすために他のギャンブルに挑戦することを決める。残っているのは10人中9人が死ぬが、最も過酷というわけではないドリームジャンプだけ。
ドリームジャンプに隠されたダウト
ドリームジャンプは10本中1本のみがあたりで、他はロープが切れる死のバンジージャンプ。「事前に当たり番号を知らない限りは勝てない」というヒントを頼りに必勝法を考えます。
当たり番号を操作できる帝愛側。しかし、仲間に戻った廣瀬がそのスイッチを切ったことによって前回の当たり番号から動かせなくなります。
いや、「SHUFFLE・RESET」ってスイッチ何やねん!両隣、「PG-210」「BG-66」やぞ!(中ダウト)
前回の当たり番号を手に入れたラッキーガールが入ってくるが、サイレンで当たりの番号を叫ぶ声が聞こえない。「う」という口の形で10か9か迷うカイジ。
不正解の10を選び、カウントダウンが始まった時、カイジは思いとどまる。背中に手を回されたラッキーガールが冒頭にブチ込んだ、不自然すぎるキューのポーズをとっていたからだった・・・
いや、キューのポーズをとっていたからだった・・・じゃねーわ!最初から手で空に書けばよくね?(大ダウト)
キューを表すポーズが「銃」みたいな形してるから、そもそも十なのか、九なのか分かりづらいねん!(大ダウト)
いや、これよく見返したら黒服に捕まる前にそもそも両手で5と4ってやって9って示してるやん!カイジ見とけや!(大ダウト)
ここから逆算して考えて「ヨシ、完璧な伏線」ってGOを、いや、キューを出したのだろうか・・・
その後、急に現れた坂崎のおっさんの一言のみで、なぜかカイジ側に入れる浮動票。
いや、このゲーム傾いてる方(秤が下がってる方)に全員入れたらそれだけで勝てるから!何で?(中ダウト)
浮動票が入ったにも関わらず、まだ負けているカイジ。
勝負がついたと思われたその時、時計からこぼれ落ちた数枚の金貨。さらに駄目押しの欠けた金貨1枚で大きく沈む秤。
いや、金貨1枚重すぎィィィィィィィィィ!!!!!(大大大大大ダウト)
これは発狂しそうになりましたね。初心者でもわかりすぎるダウトポイント!演者の方がどういう気持ちで芝居したのか聞きたい。
ゴールドジャンケンに隠されたダウト
ゴールドジャンケンは三回のジャンケン勝負で、1回はグーを出さなければならない。金の卵を握ってグーで勝った場合は、その金がもらえるというルール。
最初の勝負に負けたカイジは変更したパスワードをサラサラと書き記す。
「20alp5t8wr09na」いや、14桁の暗証番号よー覚えれるな!(小ダウト)
もはや、これぐらいのダウトでは何も動じない。
カイジの動きが手に取るように見えるという高倉。どんなトリックがあるのか。それは・・・重い金をもつ肩の傾きや、腕の振りで判断していたとのこと。
いや、類いまれなる洞察力かい!イカサマであれ!重量センサーとかやりようたくさんあるよ!(大ダウト)
高倉の人間離れした洞察力。もっと違うことに活かすんだ!
結局、カイジが勝負には勝ったが、預金は封鎖される。テレビのニュース番組は、預金封鎖がされたことを堂々と報じます。
場面は転換し、巨大なスタジアムで対峙する高倉とカイジ。
なぜ?スタジアムで対峙する必要が???(小ダウト)
スポンサーの影響なのだろうか?これは言いづらい。
スタジアムの画面に急に映し出されたニュースには、預金封鎖がデマだと発表。
いや、なんで急に映し出されたの?普段ずっとニュース流れてるわけ?(小ダウト)
物語は終焉を迎え、最終的に、功労者であるカイジが戦利品として一つトランクを選ぶ。そして、焼肉店でトランクの中身が水になっていることに気づくカイジ。
絶対にその場で開けて確認するだろ!大マヌケか!(中ダウト)
そして、叫ぶカイジ。
「この映画、キンキンに冷えてやがる!」(うろ覚え)
結局、議論できる映画が一番面白い
とまあ、色々言わせてもらいましたが、『カイジ ファイナルゲーム』を見終わったメンバーであーだこーだ言いながら食べた飯は、めちゃくちゃ美味かったです。大好きですよ。こんなにも議論ができて、みんなで笑える作品は他にはないです。
この鑑賞後のダウトを含めたファイナルゲームによって、この映画は完成します。
まだまだ気づけていないダウトもあるかと思いますので、もし読んでいただいた方で新たなダウトを発見したものがあれば教えて下さい。
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