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だってさ、僕らおとこのこじゃん

Oh My Baby わかんないまま
僕らはやがて 大人になってく
君の瞳がなにかをみてる
教えて 教えて

恋は永遠/銀杏BOYS


 みなさんこんばんは、今週のばしスマnote部担当はばしスマOBりそなです。よろしくお願いいたします。

 突然ですがばしスマ及びこれを読んでいるスマブラ勢の皆さんに問います。あなたはスマブラを競技的にやり込む上での一貫性を持った信条なんかはありますか?目標とかゴールなんかとは少し違って若干ふわっとした、それでいて芯が通っているモットーのようなものです。

 私はあります、それは


「おとこのこだったらスマブラつえぇ方がかっけぇじゃん」


 これです。これに尽きてしまいます。

 別に異性にモテるわけではないけど男子にモテる男子の条件っていくつかあると思うんですよ、モテるというと少し語弊があるけどなんか憧れるというかなんというか。

 きっとおとこのこの多くは経験があるはずです。小学校の頃、放課後に友達の家に遊びに行ってみんなで大乱闘したあの日のことをきっとみんな覚えているはずでしょう。ポテチをつまみながらコントローラーベタベタにして、家庭によって味の異なるカルピスを飲みながらみんな必死になってボタンを押していたはずです。

 そしてその中にいたでしょう、あるいはあなた自身だったのかもしれませんが、やたらと強いあいつが。みんなで束になっても歯が立たなかった小学生ながらに器用にキャラクターを動かすあいつが。「地元最強」なんて言葉が格ゲー界では定着していますが、それはスマブラにおいても同じことであったと思います。

 そして思い出してみてほしいのですが、そいつ、かっけぇくなかったですか?

 きっと憧れていたはずなんですよ、スマブラがつえぇやつがあのリビングで間違いなく一番かっけぇかったんですよ。

 そんなわけで自分はスマブラがつえぇやつを勉強とか運動とかとは別の軸で一目置いていました。「あいつに50m走ではかってるけどスマブラでは負けてるんだよなぁ」的なね。


 しかし、スマブラがつえぇやつの天下は長くは続きません。おとこのこのかっけぇの基準は年齢の上昇とともに移り変わっていきます。

 中学生になると整髪料に詳しいやつがかっけぇくなったり、高校生になるとファッションとか原宿に詳しいやつ、洋楽を聴いてるやつがかっけぇくなったり、大学生になるとダーツ、ビリヤードが上手いやつ、かわいい彼女がいるやつ、人脈が広いやつ…こんな風にスマブラはおとこのこの五角形のステータスの軸から外されてしまいます。


 それではなぜ自分は今スマブラをしているのか?

 自分はばしスマ以外に軽音サークルに所属してギターを弾いてました。というかこっちの方が本業。その軽音サークルの一年生の頃の夏合宿です。宿に到着するや否や、お調子者の先輩がロビーにあったモニターにWiiをつないでスマブラXをやり始めました。

実際の宿、中央照明下に見えるモニター

 まぁこんなノリは茶飯事でしたので、自分も「そういうもんかぁ」とコントローラーを握りました(Wiiリモコン横持ち)。

 すると勝てない、びっくりするほど勝てない。自分の今までのボタンガチャ押しでは何も歯が立たずに死にゆくカービィを見つめることしかできませんでした。

 そして軽音サークルにもいました。あいつが、一際つえぇくてかっけぇあいつが。その名を「アラブそぼ」といいました。彼は勉強は二の次で遊びに全力投球の男で率先してイベントを主催してみんなを誘うムードメーカーのような存在でした。そしてスマブラは軽音の誰よりもつえぇかった。

 自分はそのとき走馬灯に似た何かを見ました。十数年前、放課後の家で誰よりもつえぇかったあいつにアラブそぼが重なって見えたのです。少しばかり背は伸びて、知りたいことも知りたくないことも知って、恋愛も覚えたこの歳に、自分は小学生に引き戻されました。

 そのときの感情が今のスマブラの原動力になっていると言っても過言ではありません。自分は誰よりもおとこのことしてかっけぇくあるために、スマブラをしています。


 ダラダラと長いこと書いてきましたが、世の男性はいつでも心の中におとこのこを飼っているんじゃないかなって思っています。自分はスマブラ以外にも車を運転している最中に声に出して「ブーン」って言ったりしてます。そうやって社会に歯車として、ぐるぐる回りながら生きる日々の中で、自分をおとこのこに戻してくれるのがスマブラだなぁって思います。

 大人になるということが段階的なものではないのだなと、いつでもその瞬間に戻れるということを、スマブラは私に教えてくれます。


 セブンティーンアイス、うんめー。


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