見出し画像

「やらなかった後悔」は一生つきまとう

なぜ大手企業勤めの会社員をやめたのか?
年老いたときに「やらなかった後悔」をしたくなかったから。

もともと、新卒で入社して早々の二十代半ばの頃から「副業」や「事業所得」に関する興味はあり、関連書籍や税金関連の情報に触れていました。「いつかは副業でも稼ぎたいなあ」という思いはずっとありました。

なのですが、本業(システム開発の企画とプロマネ)の仕事が楽しすぎて副業には全く手がつけられませんでした。副業ができなかった言い訳とも取れるのですが、ほんとに本業が楽しかったんです。その頃はもちろんオフィス出社前提の勤務スタイルでしたが、終電まで仕事をするのも苦ではなく、むしろワクワクしていました。

仕事をがむしゃらに頑張っていたら評価も自然についてきて、出世も順調。すると発言力が増して、ますます仕事が楽しくなる好循環に。もちろん仕事も忙しくなるので、副業の優先順位は圧倒的に低いままでした。

そんなこんなで10年以上の時間が流れ、管理職になりました。

違和感を感じ始めたのはこの頃からです。

  • プレイヤーの時には自分自身の最大風速で仕事を進められていたけれど、マネジメントになると部下に進めてもらう必要がある。もちろん後進育成も含めてマネジメントであり、すべき仕事なのは否定しようもない。でも、自分で手を動かせないもどかしさが徐々に積み重なっていった。

  • 時代変化も重なり、一昔前は体力勝負で乗り切っていた場面でも、コンプライアンス意識の強化(各種ハラスメントへの対応や時間外勤務時間の制限など)により、今までのようにはリソースが投入できなくなりました。マネジメントの仕組みを変えなければならないものの、上位管理職は昔の成功体験に縛られている人が多く、現代の「現場との接し方」を深く理解してくれる人は少数派。その板挟みに苦しむ中間管理職の立場。

  • コロナによる急速なリモートワークへの変化と、そのギャップによるしわ寄せ。守られる対象は従業員(組合員)であり、そのしわ寄せは管理監督者(非組合員)が背負うことになる構造。自分も含め、管理職の疲弊が目に見えて増していきました。

  • ChatGPTをはじめとする生成AI活用の急速な変化があるなかで、「情報セキュリティ最優先」のコンプライアンス重視の文化と制度・運用があるため、現場での生成AI活用ができないジレンマ。そうこうしているうちに、生成AIを本格活用している民間企業との生産性のギャップが日に日に大きくなっていくのを感じていました。

このように、大手企業ならではの強みと弱みが複雑に入り混じる環境の中で、私は立ち止まって考えるようになりました。

ある日、ふと思ったのです。

「まだ定年退職までかなりの時間があるな…年金受給まで20年以上もある。この激動の時代の中で、保守的な大企業に居続けることが本当に自分にとっての幸福なのだろうか?」

大企業での管理職となれば額面年収1,000万は超えますし、福利厚生も充実、休みもとりやすく、出産・育休への理解もあるカルチャー。客観的に見れば、間違いなく恵まれた環境だったと言えます。

しかし、どこか心の奥底に "モヤモヤ" が残り続けていました。

「このまま定年まで過ごして、本当に後悔しないだろうか…」

という思いが消えなかったのです。

挑戦を我慢し続けて年を重ねるとどうなるか

人は年齢を重ねるほど"想定"ができるようになるので、なかなか新しい一歩を踏み出せなくなるものです。

何か新しいことを始めたいと思っても、「たぶんこういう結果になるだろう」と先回りして考えてしまい、「まあ、今のままでいいか」と気づけば保守的な道を選んでいることが多いのではないでしょうか。

若い頃のガムシャラさって今思うとすごい

若い頃は失うものも少なく、将来のリスクを考える余裕もありません。だからこそ、いろいろと挑戦できたし、失敗も「ま、いっか」で片付いた記憶がある人も多いはず。

実際、私自身も新卒で大手企業に入り、挑戦的なプロジェクトに関わることができました。

でも「いつもハラハラドキドキの連続だったか?」と問われると、正直そうでもなかった。結局は安定した大企業という枠の中で守られていたのかもしれません。

だからこそ、心から痺れるような体験って、数えるほどしか残っていないんです。本当の意味での「挑戦」をしていたかと問われると、自信を持って「YES」と言えない自分がいました。

経験が増えるほど、行動が小さくまとまりがち

年齢を重ねると、経験値が増えて「これをやれば、こうなるだろうな」と想像しやすくなります。

さらに家庭や周りの人に対する責任も大きくなる。結果的に、「あえてリスクを冒す必要はないか」と思いがちです。安定を選ぶのは決して間違いではありません。

それは決して悪いことではなく、むしろ大人として自然な感情です。ただ、その分だけ「新しい挑戦」という選択肢がどんどん遠のいていってしまうのも事実。気づけば「挑戦したい」という思いと「安定を守りたい」という思いの間で板挟みになっていました。

もちろん、当てはまらない人もいます。どんな年齢になっても攻めの姿勢を崩さない人もいますよね。ある程度成功を手にすると、さらに大きいチャレンジに打って出る人もいる。そういう人たちを横目で見ながら、「自分もできるのではないか」という思いが膨らんでいきました。

でもこういう挑戦的な人たちは、全体から見ればそう多くはないと思います。みんながみんな、そう簡単に大きな決断を下せるわけではないですから。

モヤモヤは放っておくと尾を引く

もし今の生活や仕事に疑問やモヤモヤを抱えているなら、将来的に「やっぱりあのとき動けばよかった」と後悔する可能性は高いと思うんです。

どこか違和感を感じつつも、タイミングを逃してずるずると日常に埋もれてしまう…。そんな状態は、いつまでも頭の片隅でチクチクと心を刺激し続けます。そして年齢を重ねるほど、その刺激は「もう遅い」という諦めに変わっていくかもしれません。

「やらなかった後悔」は本当に消えない

よく言われる話ですが、人が一番後悔するのは「やって失敗したこと」よりも「やらなかったこと」だと言われています。

それは、実際にやってみて経験した失敗は、時間が経てば笑い話になったり、一つの人生経験として糧になる可能性が高いからです。失敗から学ぶことで成長できるのです。

ところが、やらなかったことは結果すら残らず、もし実行していたらどんな未来があったのか、永遠に分からないまま。その不確かさが、いつまでも心に引っかかり続けます。

「もしあのとき、あれに挑戦していたら」

「あの道を選んでいたらどうだったんだろう」

と、現実にならなかった「もしも」の妄想だけがどこまでも広がってしまうんです。私はそんな後悔を抱えて歳を重ねたくないと思いました。

小さくてもいいから動いてみよう

「いや、それでもリスクを考えると動けないよ…」と感じる人もいるかもしれません。その気持ち、とてもよく分かります。

もちろん、むやみに会社を辞めたり、急に大きな投資をしたりする必要はありません。まずは小さな一歩から始めることができます。

  • 休日や仕事後に、副業や新しい勉強を始めてみる

  • これまで距離のあった分野の人と積極的に話してみる

  • 社内で少し違う役割やプロジェクトに手を挙げてみる

ほんの少しでも今までと違う行動を起こすと、意外な縁やきっかけが生まれることだってあるんです。小さな一歩が、思わぬ大きな変化につながることも少なくありません。

大きな挑戦に見えることも、実は小さなステップの積み重ねだったりします。一気に大きく変わる必要はないのです。

私は小さくはじめられなかった、だからいっそのこと環境を変えてみた

「小さくてもいいから動いてみよう」と言っておいてなんですが、私は小さく始めることができませんでした。だからこそ、思い切って環境をリセットする行動に出たのです。

つまり、副業などの事業を全く育てないまま会社を退職したということです。普通に考えれば、かなり無謀な選択だったかもしれません。

なぜそうしたかというと、自分の性格的な特性があります。良いところでもあり悪いところでもあるのですが、目の前の与えられた責務に全力を注いでしまうため、会社の「管理職の仕事」と個人の「副業」を両立させることが難しかったのです。暇があれば会社の仕事に手を出してしまう性分で…。

雇っている側の会社からしたら誠実なソルジャーだと思います。私だってこういう人間をコマとして使いたい(^_^;)
結果として副業を始める余裕が全く生まれませんでした。

「目処が立たないままとりあえず退職」は全くお勧めできる話ではないので勘違いしないでくださいね。

私の場合は、数年分の生活防衛資金は持っていましたし、会社員経験でジェネラリストとして積み重ねた論理的思考・プレゼン資料作成・システム開発能力が備わっていたので、システムエンジニアの仕事で何らかの報酬をあげられるだろうという自信はありました。実際、今のところはなんとかやれていますし、何より「やらなかった後悔」を抱えずに済んでいます。

まとめ

この記事では、せっかく恵まれた職場環境をわざわざ手放した話をしました。

「やりたいのにやらなかった…。」

将来、そんな後悔を抱えないためにも、まずは “ちょっとだけ” でも新しい行動を始めてみてはいかがでしょうか?

同じようにモヤモヤされている方に少しでも事例展開になれば嬉しいです。


ここまで読んでいただきありがとうございます!今後も、システムエンジニア、SES、プロダクト開発・・・など、ITに関する関心事や働き方について発信していきます。

帰り道に「いいね」していただけると励みになるのでよろしくお願いします!

いいなと思ったら応援しよう!