アインホールディングス、フランフランを完全子会社化
こんにちは。
先日アインホールディングス(以下アインHD)がフランフランを約500億円で買収、完全子会社化したニュースが流れました。
この件についてまとめてみたいと思います。
1.アインの目的・どんなシナジーを生みたい?
アインHDはこの買収によってどんなシナジーを生みだしたいのでしょうか?
顧客層の類似性
アインHDが展開する化粧品主体のドラッグストア「アインズ&トルぺ」とフランフランは、主要顧客層が20、30歳代と重なっています。補完関係
両社は出店エリアや顧客の価値観に類似性がありますが、販売する商品カテゴリーが異なり、補完関係にあります。シナジー効果の追求
アインHDは、フランフランとの共同出店やクロスマーチャンダイジングなどでシナジーを追求し、調剤以外の事業を拡大する狙いがあります。事業多角化
アインHDにとって、主力の調剤薬局事業の収益性に不透明感がある中、小売り事業を強化する戦略的な動きと見られます。既存の資本関係
買収以前から、アインHDが資本・業務提携を結ぶセブン&アイ・ホールディングスがフランフランの株式14.9%を保有していました。
2.市場の反応
3日、インテリア雑貨店を運営するフランフラン(東京都港区)を買収すると発表しましたが、
「今回の買収で成長を加速することができるのかどうか、投資家はやや懐疑的にみているようだ」との声が聞かれたように、アインHDによるフランフランの買収に対する市場の反応は、概して厳しいものでした。
翌4日、東京証券取引所で急落し、終値は前日比-567円(9.26%)安に。
財務負担への懸念
買収額が約500億円(正確には499億7600万円)と大規模であることから、市場では財務負担を懸念する見方が広がりました。シナジー効果への疑問
アインHDとフランフランは異なる事業領域(調剤薬局とインテリア雑貨)で運営しており、シナジー効果の実現に対して市場が懐疑的な見方をしている可能性があります。業績への影響の不透明さ
アインHDは、この買収が2025年3月期の業績に与える影響について現在精査中であると述べており、短期的な業績への影響が不透明であることも市場の不安要因となっている可能性があります。
両社の提携により、幅広い商品選択肢の提示や顧客単価、購入点数の向上を狙おうとしてますが、調剤薬局と小売業と、業態が異なることでシナジー効果に対する不透明感なども強く、負担増などを警戒する動きが先行したようです。
3.アインHDとオアシス・マネジメントとの関係
アインHDの筆頭株主は3月まで日本マスタートラスト信託銀行(信託口、9.71%)でしたが、5月末時点ではオアシス・マネジメント(以下オアシス)が株式保有比率を14.89%まで引き上げました。
オアシスは筆頭株主となる事でアインHDに、以下のことを主張したかったようです。
それに対するアインHDの姿勢や必要な説明次項は下記と考えます。
アインHDの対応
アインHDは、オアシスが提案した社外取締役の解任などの企業統治に関する提案を拒否する姿勢を明確にしています。フランフラン買収の説明
アインHDは、フランフランの買収について、主力の調剤薬局事業の収益性に不透明感がある中で、調剤以外の事業を拡大する戦略の一環であると説明しています。共同出店などでシナジーを追求する意図があるとしています。財務負担への懸念
フランフランの買収額が約500億円と大規模であることから、財務負担を懸念する見方が市場に広がっています。アインHDはこの点についても説明を求められる可能性があります。のれんの発生
買収により約400億円ののれんが発生すると見られており、20年の償却期間で年間約20億円の償却費が発生する見込みです。この財務的影響についてもオアシスをはじめとする株主に説明が必要になるでしょう。
アインHDは、オアシスをはじめとする株主に対して、フランフラン買収の戦略的意義や財務影響、そして長期的な成長戦略について詳細な説明を行う必要があると考えられます。
特に、買収によるシナジー効果や事業多角化のメリットを強調し、財務負担に対する懸念を払拭することが重要になると考えられます。
4.まとめ、所感
大手調剤薬局チェーンのアインHDが、小売業のフランフランを買収したニュースはそこそこ衝撃でしたが、業界や市場の反応はやや冷ややかなものだったと感じました。
「500億かけて調剤薬局じゃなく小売りかよ!」
「ほんとに500億回収できるのか?」
といった感じでしょうか。
調剤薬局チェーン大手が調剤以外の部門を500億円もかけて買収したことはびっくりしましたが、フランフランはここ数年増収減益が続いているので、アインズ&トルぺとフランフランとの間に相乗効果を生み出せないと、効率的な利益には繋がらないのではないかと考えます。
さらに穿った見方をするのなら、「調剤に伸びしろはないからネットキャッシュのあるうちに小売業に力を入れよう」とも、取れます。
調剤大手だからこそ調剤でどう売上を最大化していくのか、業界をどう牽引していくのかにも注力してほしいなと考えます。
また、オアシスから取締役の解任など要求されてますが、敷地内薬局に関して逮捕・有罪判決が下る事件があったためガバナンス統治をしたいということで、海外ファンドによくある過激な提案ではなく当然の要求かなという印象を受けました。
いずれにせよ、業界の活性化に繋がるできごとになるよう祈ってます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
※この記事は一部AIを活用して作成致しました。