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飲み会の幹事だからこそ見える、出川哲郎の偉大さ
飲み会の幹事を何度も経験すると、様々な壁にぶつかるものだ。サークルや職場、町内会など、顔見知りのメンバーが集まる飲み会であろうと、トラブルは避けられない。
例えば、飲み会費が不足して幹事が立て替えを余儀なくされる(誰かが支払いを忘れている)、酔った参加者が問題を起こす、催し物を企画した際に金も手伝いもしないのに口だけ出す人がいる――これらの問題はよくある。幹事を経験すれば、小規模な集まりでも多種多様なトラブルが起こることを痛感する。
その中でも、個人的に最も嫌いな状況は、普段から面白い話をしない人に限って、酒が入ると妙に尊大になり、場を仕切ろうとするケースだ。飲み会では、自然と会話のリズムが生まれるものだが、その場を上手に回せるのは普段から気配りができる人だ。能力のない人が無理に仕切ろうとすると、場の空気が悪くなる。結果的に、ただ年をとっただけの何のとりえもない年長者のつまらない話を聞き流している方がまだマシな状況に思えてしまう。
こうした状況は学生の飲み会でもよく見かけるが、大人になれば多くの人が自分に仕切る能力がないことを悟り、自然と引くようになるものだ。しかし、いい年になってもその自覚がない人もいるから厄介なところ。
そんな状況を思い返しながら、出川哲郎氏が出演する番組を見て気づいたことがある。彼は番組が盛り下がっている場面では全力で頑張り、逆に盛り上がっているときには余計なことをせずに引く。この「出るところは出て、引くところは引く」という絶妙なバランス感覚に気付かされた、彼を見ていてとても心地よかった。こんな気配りができるのがいてくれれば、どんな呑み会でも幹事には喜ばれるのだが。
飲み会の幹事として、出川哲郎のような気配りと空気を読む力を持てば、場を円滑に進められるだろう。彼の立ち振る舞いには、幹事として学ぶべきことが多い。